中本修平『ストーナーの申し出を断るのはキツかった』

『ナカモト：ストーナーの申し出を断るのはキツかった』

★ケーシー・ストーナーがペドロサの代役としてテキサスGPへの参戦すると申し出たが、ホンダHRCが断っていた。

★同件についてシュウヘイ・ナカモト氏（ホンダHRC副社長）が次のように説明した。

「ケーシーから『テキサスで走ってもいいよ』と言ってきた時は、本当に驚きましたよ。彼の方から連絡してきたんですよ…ペドロサとHRCの役に立ちたいって言ってくれて。まずは嬉しかったですよ…同件については、もちろん日本でコクブさん（テクノロジー責任者）やヨコヤマさん（開発責任者）らとミーティングして、どうすべきかを決めました。
我々にとって…HRCにとって、ケーシーは本当に重要な存在なんです。VIPですからね…万が一、モトGPレースに復帰するとなったら、少なくとも3位争いはできるようにしなければならない。うちのターゲットもその辺になるでしょう。現在、ケーシーがけっこう速いってことは間違いない…いや、そんなもんじゃない…本当にかなり速いんですよ。でも、それを証明するには彼向きのマシンがなければならないでしょう。
それから彼のチームにも揃ってもらわないと。現在、クリスティアン・ガバッリーニ（元チーフメカニック）はジャック・ミラーを担当していて、そこから引っ張ってくるわけにはいきませんからね。また、ラモン・オーリン（ダニ・ペドロサのチーフメカニック）の方も、実に優秀なんだが…ケーシーと一緒にやったことはないんです。クリスティアンだって、ケーシーにぴったりのセッティングを見つけるのに苦労してたことが何度かあるんですからね。だから、ラモンにとってはかなり難しいでしょう。

（少し間をおき、ナカモト氏は目を見開き、言葉を続けた）

うちの優先順位1番は、5〜6位争いをするケーシーは見たくなかったと言うことです。ケーシーが走るなら、少なくとも表彰台争いができないと。我々としては、絶対にそれができるような技術サポートは提供できないと言う結論に達しました。

（また、少し間をおく）

私にとって、ケーシーは息子のようなものでしょ。彼の方でもそう思ってるかどうかは分からないが…キツかったですねぇ…本当にキツかった。どれだけ後味の悪い思いかは分かりますよ…これまで何度も何度もケーシーに頼んできたんですからね…『ケーシー、どうかレースに復帰してくれないかい』『ケーシー、1回ワイルドカード参戦してみないかい』ってね。もし、もっと時間があって、せめてレース前に1回テストができたなら、OKを出しましたよ。でも、そんな時間はなかった。私を含め、ケーシーのファンの皆さんが、コースで戦う姿をまた観たいだろうってことは分かります。ただ、うちの優先順位としては、ケーシーが表彰台争いをできる状態にすることなんですよ。」

【セパンでのプライベートテストでセッティングについては？】
「セパンでケーシーはマシンの新パーツのいくつかを試してたんですが、セッティングに手を入れずに走ってたんですよ。でも、タイムの方は相応に良かったですよ。本人のベストタイムより1.5秒遅かっただけで。コースも汚れていて、データ記録のエンジニアもいなかったことを考えると、リズムも良かったですね。つまり、ケーシーはいまだにかなり速いってことなんですが、ただ、この1.5秒のギャップを縮めるには良いセッティングが必要でしょう。」

★リヴィオ・スッポ氏（ホンダHRCチームマネージャー）が、次のように答えた。

【申し出を断られた際のストーナー元選手のリアクションは？】
「なんて言ってきたかですか？まぁ、皆さんも、あのツイートを読んだでしょ！」

（2015年04月11日『Gpone』記事参照）

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