MotoGP

ロッシ茂木安全対策、祝ヤマハ、デ・アンジェリス他:2015フィリップアイランドGPこぼれ話

『2015フィリップアイランドGPこぼれ話』

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★茂木GP中の転倒事故で負傷し、いまだ獨協大学病院に入院しているアレックス・デ・アンジェリスに向け、モトGPライダーらがメッセージを送った。

・ヴァレンティーノ・ロッシ
「アレックス(デ・アンジェリス)について朗報があるんですよ…本人が直接話してくれたんですが…頭のケガについては大丈夫だと。まだ色々と問題はあって…酷い転倒でしたからね。今後は回復期間についてですよね…100%回復までにどのぐらいかかるか。そこが一番重要だから。
もちろん、アレックスは大変ですよ…これから難しい時期に突入するわけだし。日本にいると言うこともあるし…絶対に自宅に戻りたいでしょう。でも、まだ動けませんからね。簡単ではないですよ…多分、100%回復するにはかなりの時間がかかるだろうけど、重要なのはまたレースに復帰することだから。明日のセーフティ・コミッションでは茂木についての議題が絶対に取り上げられるでしょう…アレックスが転倒したのは、そう言うことが起きにくい場所だけど、転倒したら深刻なものになりそうな場所で…コーナー出口でイン側に向って行ってしまったからなんです。
通常、僕らはコーナーのアウト側に集中するけど、こう言うマシンだと…これほどパワーがあると、時にはマシンがどこに行ってしまうか計り知れないんです。
明日、この件について話し合う予定です…茂木は直線コースにあるガードレールがコースにかなり近いと言うこともありますから。ポル・エスパルガロが転倒したのも、かなり危険な場所でしたよね。明日は他の選手らとも話し合う予定です…通常、茂木と言うのは物事が普通に進んでいる時はけっこう安全なんだけど、危険になりかねない箇所もいくつかあるんですよ。
最後にアレックスに一言…早く元気になって。今年の冬は『ランチ』で待ってるから!」

・アンドレア・ドヴィツィオーゾ
「完全に安全なコースなんて言うものは不可能だけど、だからと言って、改善の余地がないと言うわけではありませんから。僕もヴァレンティーノの意見に賛成です。ここ何年間か、セーフティ・コミッションとドルナが行ってきたことは本当に良かったけど、僕らにとってコースを100%安全にすると言うのは難しいものだから。現在のコースで使われているのの4倍のスペースが必要になるでしょう。毎週話し合い、常に状況を改善していかないと…そうできるマージンは常にあるものだし、どこのコースにもデ・アンジェリスが転倒したような箇所はたくさんあるのだから。
エアーフェンスのある所が特に難しいですよね。正面から衝突するなら大丈夫だけど、斜めにぶつかっていったら機能しないか…もっと酷いことになってしまうかもしれない。難しいんですよ…この件については話し合います。でも、コーナー毎に100%の安全性を求めるのは無理なことですから。僕らのFacebookにライダーとして、どこを改善すべきかを訴えていこうと思うけど、スペースの問題があるからどこでもできるってわけじゃないし…それか、もの凄い作業内容になってしまうかもしれない。あいにく、僕らのスポーツでは完全に安全なコースにすることは不可能なんですよ。」

・ホルヘ・ロレンソのコメント。
「(エアーフェンスは)多分、どこでも有効と言うわけではないでしょう。場所によっては、それほど機能しないこともある。でも、固いバリアに衝突するよりはマシだと思うんですよ。どこのサーキットへ行っても、僕はスクーターでまわってコースの下調べをしてるんです…コーナーの1つ1つをね。茂木にだけ問題があると言うわけではありません。ミザノの最終コーナーだって『なんだかなぁ〜』って思いますから。」

★10月16日(金)、セーフティ・コミッションの会合で茂木コースの安全面について話し合いがなされた。
ヴァレンティーノ・ロッシが同件について、次のようにコメントした。
「改善すべき箇所が2〜3あると言うのは、もう何年も前から僕らは言ってる事なんですよ。でも、日本人を説得するのは容易じゃなくて。ここだけが壁を取り除く必要があるコースってわけじゃないんですけどね…ヘレスやバルセロナ、ムジェッロにも同様の問題があるんで。」

【エアーバッグ付きライダースーツを義務化するのは有効?】
「重要な決定になるでしょうね…安全面は間違いなく一歩前進するだろうし、上手くいくでしょう。」

★今回のフィリップアイランド決勝戦で、レース優勝はホンダのマルク・マルケスだったが、ヤマハが2015年のコンストラクターズ優勝を獲得した。
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★ヴァレンシア最終戦でニッキー・ヘイデンがモトGPの『レジェンド』として殿堂入りすることが、カルメロ・エスペレータ氏(ドルナ代表)より発表された。ヘイデン選手は来季よりSBKに移籍するため、ヴァレンシア最終戦は最後のモトGP参戦となる。ヘイデン選手はこの15年間のモトGPクラスにおいて、タイトルを獲得した唯一のアメリカ人ライダーである(※2006年)。なお、その前は2000年にケニー・ロバーツ・ジュニアが獲得している。

★10月17日(土)、チーム・アスパーが2016年、ドゥカティ機でモトGP参戦することを発表した。
同チームは既に2010/2011年にドゥカティ機で参戦したことがあり、その後、ARTアプリリア機に乗り換え、2014/2015年はホンダ・オープン機を使用していた。
来季、同チームからジョニー・エルナンデスとユージン・ラヴァティが参戦する。両選手ともGP14.2機を使用する。
ホルヘ・マルティネス氏(チーム・アスパー代表)のコメント。
「うちはドゥカティ、アプリリア、ホンダと一緒にやってきて、モトGP7年目の参戦はまたドゥカティに戻ることにしました。ドゥカティはジジ・ダッリーニャ(ゼネラルディレクター)移籍により大きな変化を遂げたので、戦闘力の高いマシンを期待してるんですよ。彼のことは20年前から知ってるんでね…全面的に信頼してるんですよ。ドゥカティともう一度一緒にやってみようと思った理由の1つですね。」

(2015年10月17日『Gpone』記事参照)
(2015年10月15日『Gpone』記事参照)
(2015年10月17日『Gpone』記事参照)
(2015年10月18日『Omnicorse.it』記事参照)
(2015年10月16日『Omnicorse.it』記事参照)


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【2015フィリップアイランドGP内輪話】

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POSTED COMMENT

  1. ぎん より:

    生命に関わる問題なので、ライダーの意見を採用して欲しい

    最高のパフォーマンスが発揮出来る最高のサーキットと呼ばれるようにして欲しい

  2. しいちゃん より:

    日本人は頭が固いのかな(苦笑)。
    もてぎのコースでレースが行われるのは motoGP だけじゃないのにね。
    ぜひぜひ、安全面の改善をお願いしたいです。
    まだまだ、もてぎでレースを楽しみたいですもんね。

    デ・アンジェリス選手、だいぶ落ち着いてきたようですね。
    早く母国に戻れるといいのですが。
    ていっても、飛行機に乗ってる時間だって長いし
    万全を期さないと帰れないですよね・・・。

    get well soon Alex!

  3. motobeatle より:

    日本人を説得するのは容易じゃない

    ロッシにこう言われたことを恥じなくては。
    日本のサーキットでこの事故が起きたのは紛れもない事実。
    まさか鈴鹿の惨事を忘れたわけではあるまいに。
    真摯に対応してほしいですね。

  4. りゅ より:

    実際問題として改善を実行するには、瑣末事から重要事項まで次から次へとありとあらゆる書類が山積みになって簡単ではないんでしょうね。
    しかしレースをする選手たちの安全を守るために、常にチェック機能を正作動させておかなければいけません。当然のことですが。
    デ・アンジェリス選手はあの事故のインパクトを考えれば、命に別状がなかったことは奇跡的といっても過言ではないでしょう。
    喉元過ぎれば・・・にならぬよう、現役ライダーたちの意見を積極的なイニシアティブとして採用しながらの善処を期待したいところです。

  5. Nanashi より:

    茂木の5コーナーのファーストアンダーブリッジ。あれ、結構危なくないっすかね。

    コーナーのエントリ失敗するとウォールが目の前なきがする。

    • suezo より:

      毎年のように死者が出ているのは、バックストレート後の90度コーナーです

  6. bbb800 より:

    「安全なコース」というのは当たり前のようで難しい問題ですね。
    せめて2輪のレースではアームコバリア剥き出しというのは避けて欲しい。かといってスポンジバリアのように衝撃を発散させるタイプですと、浅い角度で接触するとかえって重症化したり、飛散したバリアがコース上に散乱して後続に危険を及ぼしたりするケースもあります。
    この機会にFIMが主導して2輪レースにおける安全策についての議論が高まることを期待します。

  7. ふる より:

    安全対策はしっかり行うべき、これは間違っておらず、改善していくべきでしょう。
    一方で、私の不安はレースを肌で感じるおもしろさが薄れていくのではないかとも感じます。
    基本的にはランオフエリアを拡張するのが安全性が高まるのでしょうが、ライダーと近い程、五感に訴えるものが高く、刺激があります。
    遠ければ遠いほど感動は薄れます。バランスをどうとるか?
    安全性の言葉ばかり重要視すると刺激はなくなり、ファンが減るのではないかと思っています。
    鈴鹿は観るのも楽しい。筑波はもっと楽しい。安全性と楽しさは反比例かも。
    アクシデントを求めているのではなく、ライダーとの近さと迫力をできるだけ感じたいという意見です。

  8. 廃道愛好家 より:

    ダニだけが明後日の方向みてる(笑)
    視線の先に何があるのか気になる

    日本人を説得するのは情に訴えかけるのが一番でしょう。

    コンプライアンス的には安全第一を標榜するのが原則でしょうが
    現実には、ドルナもホンダも営利団体ですから、対策にかかる経費
    と、その対価を天秤にかけちゃうんでしょうね。
    重大な事故が起きてからでは遅いとはいえ、事故が起きなければ
    投資をした意味がないと言うのがホントのところでしょうね。

    そういった視点では、コースの改修よりもライダー自身の安全装備の
    充実の方が優先度が高いのかなと言う気がします。

    数十年後には、レースの類は全てシュミレーターに乗ってバーチャルな
    コースで競い合うようになっていたりして

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