MotoGP

ヤマハテック3『ザルコにはミシュラン相手に意見を押し通す根性がある』エルヴェー・ポンシャラル

『ポンシャラル:ザルコ引き留め?ヤマハと続けるかさえも未定』

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★ヨハン・ザルコ(ヤマハテック3)は2017年にモトGP昇格し、表彰台3回とPP2回、レースでのファーステストラップ4回を獲得、総合6位でシーズンを終えた。

★ザルコ選手の活躍により、テック3チームはプライベートチームの最優秀賞を受賞した。

★ザルコ選手はモト2クラスで2連覇を果たしたにも関わらず、それほど高い評価は受けていなかった。スズキファクトリーは昨年、ザルコ選手と仮契約を結んだものの、最終的にアレックス・リンスを選んだ。

★エルヴェー・ポンシャラル氏(ヤマハテック3チームマネージャー、下記画像)のコメント。

【最終的にザルコ選手を獲得した貴方はモトGPの最高マネージャーと言える?それとも、ツイていただけ?】
「最高マネージャーかどうかなんて考える必要はないものでしょ。つまり、最高にツイてたってところでしょうかねぇ(笑)。」

【ザルコ選手と契約した時、こんなに活躍すると思っていた?】
「当然、私だって驚いてるんですよ。まぁ、好リザルトは期待してましたけどね。モト2での業績はたいしたものだし、アグレッシブかつ頭脳派ライダーってところを証明してたから。」

【しかし…】
「クラスが変わると、どうなるか分かりませんからね。ラバトみたいに慣れるのに時間がかかるタイプもいるし、マルケスみたいに速攻で乗れてしまうタイプもいるし。」

【ザルコ選手は後者…】
「最初のヴァレンシアテストの時から速かったですね。モトGP機に楽勝で馴染んでたし、賢かったですよ…このマシンを乗りこなすには何が必要か、すぐに突き止めてましたね。ただ、テストで1周タイムを出すのと、レースは全然別物だから。」

【その時点では確信はしていなかったと?】
「冬季テストでレースシミュレーションをやり、カタール開幕戦で転倒するまでの7周回で首位を維持してたでしょ。前に出られると言うことを証明した点は重要だったが、ただ、あそこは特殊なレースだから。トラックコンディションが常に厄介で、トップ選手は最大プッシュをしたがらないんですよ。安全にポイント獲得の方を選ぶんでね。」

【カタール開幕戦でザルコ選手がボックス帰還した際、何と言ってた?】
「見境なく走ってたわけじゃない…ただ、ちょっとミスをしてしまっただけだと。まぁ、こっちはあまり信じてなかったですけどね(笑)。
また前に出られるチャンスはあるだろうから残念がる必要はないって、確約してくれましたよ。」

【そして、その通りになった…】
「アルゼンチンでは5位だったし、ヴァレンティーノ(ロッシ)と競り合ったオースティンも5位でした。ヘレスでも前にいましたね(※4位)。
こりゃ〜特別な若者だって気づき始めましたよ。イカれてるわけでも、阿呆でもない。他の選手より柔らかめのタイヤを選んでた時なんかは、賭けに出てるって大勢から言われたが、実はそうじゃない。うちがそう言う選択をした時は、ちゃんと完走できるって分かっててやってましたから。ヨハンとガイ(クーロン、チーフメカニック)はFPでタイヤ作業を続けてたんです。ヨハンはミシュランのスタッフ相手に、自分の選択を押し通す根性がありましたね。」

【貴方のおかげでもある…】
「私は、ヨハンが自分の家にいるみたいな気分になれるよう努めてました。彼のことを信じている家族と一緒にいるようなね。重要でしょ。上手くいったし、ヨハンが全力を出せるようなポジションに置いてやれたことを誇りに思いますよ。時々、ライダーだって人間なんだってことを忘れてしまうものだから。ヴァレンティーノやマルケスレベルだって人間なんだってことをね。実際、マルケスなんか、チームがどれほど重要かってことをよく声高に主張してるじゃないですか。」

【グループ作業だから…】
「一緒に過ごしていれば、良く分かり合えてくるものでしょ。個人的な視点とか…また、それが仕事に反映してくるもんだし。ボックス内ではぐずぐずなんてしてられないし、FPはプレッシャーだらけ…でも、ヨハンとは速攻で分かり合えるんですよ。コミュニケーションってのは重要なものだが、ヨハンはマシンを降りると、すぐに改善点の指示を完璧に出すことができるんです。」

【まるで父親のような口ぶりで…】
「今も言った通り、皆が家族の一員のような気持ちになってくれたらと思ってるんでね。チームって言うのはチェーンみたいなもので、1つ1つのリンクが重要なんですよ。1つでも壊れたらバラバラになってしまうんですからね。」

【ザルコ選手はファクトリー機ではないのだと言うことを、よく忘れてしまうほどだったが…】
「ファクトリーチームにいたなら常にテスト用パーツが山積みで、多くの事柄に集中していなければならないものです。うちのヤマハM1機は最新型ではないから、タイヤやセッティングに集中できるんです。ある意味、作業は楽ですね。ファクトリーチームの場合、混乱してしまう可能性もあると言うわけですよ。」

【ある時点で、ザルコ選手がロッシ&ヴィニャーレス選手より速いのは、マシンが上だからだ等と言われていたが…】
「選手と緊密に作業をすすめていれば、その選手のことを本当に大切に思うものだし、私にはメディアや他の選手のヨハンに対するコメントで正しいと思えないこともあるんですよ。私はヴァレンティーノやマーヴェリック、そして、ヤマハには大いに敬意を払っているが、ただ、これは1つ言っておきたい…ヤマハのエンジニア陣は馬鹿じゃないとね。これまでどれだけレース優勝をし、どれだけタイトルを取ってきたかって言いたいですよ。」

【つまり、ヤマハM1機2016年版は2017年版より優れてはいないと?】
「もしそうなら、すぐにでも2016年版に戻していたはずですよ。誰が間違えたかなんてことは分からないが、しかし、ザルコが出したリザルトに対して失礼でしょ。うちのパッケージの方が上だって言われる度に、笑ってしまいましたね。うちのはファクトリー機じゃない…フレームだけの話じゃないですよ。エンジンもサスペンションもエアロダイナミクスだって違うんですから。
ヴァレンシア最選手戦でヤマハのファクトリー選手が2016年版フレームに戻して、あのリザルトだったわけね(※ロッシ5位、ヴィニャーレス12位)。2016年版マシンが上だって言うなら、2人ともヨハンより速くなけりゃ駄目でしょ。」

[ 後半に続く ]

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(2017年12月11日『Gpone』記事参照)


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POSTED COMMENT

  1. vtr1000f より:

    きっと スズキだけは乗らないんだろうな…

  2. maxtu より:

    ふむ。悲観的でもなく客観的に物事を受け止めてますね
    ジュニアチームとも違うスタンスながら長年参戦できる秘訣がここにありそう

    開幕直前は各ライダーの契約ネタで盛り上がりそうだけど、ヴァレのプライベートチーム参戦も具体的にでてくるかも知れんね

  3. 111 より:

    > フレームに関しては進化版の中から選んで良いが、マシンは2018年版は提供しないと言われました。
    > ザルコは、ホンダのクラッチローやドゥカティのペトルッチ並みの待遇は受けられないと言うことです。

    ヤマハせこいなぁ。あまりセコイことすると企業イメージを損ねるかもね。

    > ヤマハには6台のマシンは用意できませんからね。

    金持ちホンダやドカのようにはいかないのか。
    ホンダもドカも6台体制だけどね。

    社長に文句いえ

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