モトGP『バージェス:ロッシの肩は7割、ポルトガルまでには9割』
ヴァレンティーノ・ロッシのチーフメカニック、オーストラリア人のジェレミー・バージェス氏が当番組『Paddock GP』の独占インタビューに答えてくれた。
オートバイ業界で働いて30年以上、ホンダからヤマハへと渡り歩き、ロッシ選手がこの2つのチームで優勝する姿を見つめ続けてきた。
バージェス氏はロッシ選手の右腕であり、御しがたきドゥカティへと移った現在、二人はこれまでのキャリアでの最難関に挑んでいる。ベテランのバージェス氏は、今後、やるべき仕事がどっさり控えていることや、もやは開幕した今シーズン、結果がどんどん目に見えてゆくと言うことも熟知している。
「できるだけ早く良い結果が出始めてくれると良いんですがねぇ。それをポルトガル戦で期待するのは非常に楽観的ですよね。でも、シーズン中盤には私達がやってきた事への成果が出てくるでしょう。特に、シーズン終盤にはね。」
しかし、ロッシ&バージェスコンビがドゥカティで抱える難問と言うのは、マシンの特性だけではなく、ロッシ選手の肩まで含まれているのだ。バージェス氏も、それをあげている。
「シーズン序盤が大変だってことは分かっていましたが、マシンのせいだけではなくヴァレンティーノのケガもありますからね。フィジカル面での問題がなかったのなら、もっと早くマシンを改良できたはずですから。」
ロッシ選手の完治が、GP11機の進化においても重要なポイントとなるのだろう。ただ、バージェス氏としては、ポルトガル戦が終わるまではロッシ選手は100%の状態にはならないだろう…と。
「ヴァレンティーノの肩は現在、70%ってところですね。ポルトガルでは90%にまでなるでしょう。
ドゥカティ機には変えなければならない特性がありますね。今はまだ、私達がこの子に慣れ親しんでいかなければね。ポルトガル戦の後、けっこうテキパキと改良してゆく予定ですよ。」
バージェス氏の目標
ドゥカティにおけるバージェス氏の目標は、マシンの威力を最大限に引き出すことと、選手達が各自の潜在能力の全てを発揮できるようにすることである。
「ライダー全員が各人のレベルでマシンを操縦できるようにしなければなりません。それは私がホンダでずっとやろうとしてきたことだし、ヤマハで画策したことなんです。マシンの調子が良いと、どんなライダーでも上手く操縦できるように思えます。今後、若い選手達をモトGPに引き入れるつもりなら、簡単に操縦できるマシンを作らなくてはね。で、もちろん、もっと速い選手らは、もっと速く操縦しなければならなくなりますがね。」
皆の頭の中に、来シーズンについて、800ccから1000ccへの移行について考えがある故、全チームとも目標が2重に増えている。一方で2012年用のマシン開発を先行せねばならず、もう一方では今シーズン用のマシンをもっとコンペティティブにすべく改良しなければならない。
「今年は私達にとってちょっと難しい年になりますね。来年、目標は完全に新しいエンジンに置かれるわけだし、現在の800ccは今年が最後で、それも出来る限り最良のものにしなければならない。でも、来年のことも考えなければならないわけでね。」
「みんな、結果を期待しているわけですが、まぁ、実際のところ、現在、私達は進行中ってところで、1ヶ月か1ヶ月半後ぐらいに結果が出るだろうと期待してるんですけどね。」
ジェレミー・バージェス氏は、敵が誰なのか、そして、GP11機との初年度である今年の目標についてもはっきりと認識している。
「レースにとって基本的な敵と言うのは、いつだって時間ですよ。充分にあった試しがありませんね。今シーズンの最後に、ドゥカティの選手全員からこう言われたいもんですねぇ。“マシンがすっかり変わったよ、本当にありがとう”ってね。」
インタビューを終える前に、レースのベテランであり世界中のサーキットを熟知しているバージェス氏が、笑顔で不思議な言葉を投げかけながら、このインタビューがスペイン語に翻訳されるのかどうかを聞いてきた。
「もし、これをスペイン語に翻訳するなら、あまり修正しないでくださいね。」と言いながら笑い出し、ヴァレンティーノ・ロッシの右腕は『Paddock GP』のカメラに向かって手を振るのだった。
(日本語翻訳:La Chirico / 西語記事: RTVE 2011年04月20日)
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ドゥカティ選手全員がバージェスさんに
「ありがとう」って言ったら
ドゥカティのチーフエンジニアのプレツィオージ氏は
ちょっとムカついたりするんでしょうかねぇ…
ちゃんと「ありがとう」って言われますように!
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