モトGP『ロレンソ:生まれて初めて神に祈った』
本日、ホルヘ・ロレンソ選手がヴァレンシア・サーキットに到着した。帽子を目深にかぶり、チームウェアーには『58』のバッヂを付けている。
フィリップアイランドでロレンソ選手にとってのシーズンが、3戦早くに終わってしまった。ウォームアップ中に転倒し、左薬指先端を切断してしまったのだ。事故を思い出しながら、ロレンソ選手は次のように言う。
「馬鹿な事故でした。オーストラリアで僕は、もう優勝争いには負けたのだと分かってました。でも、ストーナー選手のホームで負かしてやりたかったんです。それなのに僕はミスをして、意味もない所で危険を冒してしまった。」
フィリップアイランドでの事故
ラスト1つ手前のコーナーでのハイサイドで転倒した後、ロレンソ選手は無傷で済んだと思ったと言う。
「一人で立ち上がって、そうしたら指に強い痛みを感じたんです。ただの酷い擦り傷なだけだと思ってたんですが。」
グローブを外した瞬間、状況は一変した。
「傷口を目にする方が、痛みなんかよりも堪え難かった。」
その後の快復
傷跡は順調に快復しているが、完治までは長い道のりになる。
「日に日に痛みを感じなくなっているので、またコンペティティブな走りができるようになるのは確かでしょう。」
しかし、今すぐではないのだ。
10月8〜9日に行なわれる新1000ccマシンテストには参加しない予定でいる。
「テスト参加に関しては、まだ最終決定を出してないんです。日曜日に決めるつもりです。ただ、馬力も重量もあるマシンなんで100%の状態でなければね。もうスクーターには乗ってるんですが、モトGPマシンって言うのは別物ですから。」と、笑顔で言い添えている。
ロレンソ選手が参加しないとなったら、M1機2012バージョンへの開発指示を一番に出すのはベン・スピース、アンドレア・ドヴィツィオーゾ両選手となるのだが。
「アンドレアは今まで乗ってきたどのマシンでも常に速かったし、良い開発ライダーでもあるでしょ。とにかく、1月末のセパンテストまでには確実に完治しますから。」
マルコ・シモンチェッリ逝去
マルコ・シモンチェッリ選手の事故に大きな衝撃を受けたロレンソ選手は、先週、イタリアで行なわれた葬儀には最期の別れを告げようと足を運んだ。
「TV画面で観てたにしても、実際にサーキットにいたとしても、最悪な心境だったことに違いありません。マルコのヘルメットが転がって行ったのを見た時、心の底から“どうぞ無事でありますように”と願いました。」
ロレンソ選手がシッチへ送った最後のメッセージは、許しを乞うものだった。
「彼と言い合った時…特にエストリルGPで言い合った時、僕は感情のままに発言してしまった。もう取り返しはつかないことだけど、あんなことを言って残念に思ってます。僕は信心深い方ではないんですが、マルコの事故の映像を見た時、どうぞ無事でいてくれますようにと神に祈ったんです。」
(日本語翻訳:La Chirico / 伊語記事:Gpone 2011年11月05日)
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ロレンソ選手、今日の予選ではイタリアのピットレポーターからインタビューを受けてましたが
ちょっと元気なさそうな感じでしたねぇ…
ポルトガルの時は感情のままに発言してしまったのだと思いますが
心の奥では、かつて危険なライディングをしていた自分を重ねて
「自分の走りを見つめ直して成長して欲しい」という
思いがあったと思いたいし、そう信じています。
ロレンソにも危険な時期があったし、多くの批判を受けました。
でも、その時期をへて安定した走りを身に付け彼はチャンピオンを獲りました。
シッチには、これから更なる成長の可能性がありました。
それが成されぬまま亡くなってしまったのが残念な限りです。
ロレンソには養生して、来期また素晴らしい走りを見せて欲しいです。