モトGP『バレンシアGP成績表』
ぜひとも最初に断っておきたいのだが、同成績表は今回のレースのみを評価したものである。故に、今シーズンの年間成績や(こちらは後ほど、まとめる予定でいる)、キャリアにおける成績は(例えば、ローリス・カピロッシ選手など)一切かんがみていない。通常通り、今回の予選および決勝レースの内容のみで評価したものである。
マルコ・シモンチェッリ追悼式(評価10点満点+花丸)
父パオロさんからは1分間の大喧噪が希望されていたが、結局、それ以上のものとなり、マルコの58番ホンダ機を駆るケビン・シュワンツを先頭に85台のマシンによる大パレードが行なわれると言う、まさに特別な追悼式となったのだ。
全てが感動的で、正真正銘、本物の愛情と敬意の証となった。まさにスーパーシッチそのものを体現したようなセレモニーだった。
ケーシー・ストーナー(評価9点)
予選で見せつけた実力は困惑させられるほどで、決勝レース30ラップのうち25ラップでもそれを見せつけていた。
雨が本降りになると、普段ならば本領発揮するシチュエーションのはずが、今回は走りづらそうな様子。しかし、最終的には優勝。結局のところ、それが一番重要なわけだ。
ここ最近のレースでは、非常にコンペティティブなホンダ機(評価9点)でライバル達に差をつけており、この大差は、来シーズンのレースの醍醐味を思うと憂慮させられる。
ベン・スピース(評価9点)
決勝レース前日には棄権し、休養するよう言われていた。予選は転倒でスタートしたものの、もちこたえ、巻き返し、得意のコースで予選3位、決勝レースでは最終コーナーの出口で些細なミスを犯しゴール直前で抜かれての2位だった。
ホンダ機よりは直線での加速が弱いヤマハ機(評価9点)ではあるが、一見するとかなり互角に競り合っている。
アンドレア・ドビツィオーゾ(評価8点)
もし、総合3位争いをしていなかったら1位獲得も可能だったろうに、あえて甘んじ、HRCへの不義理を果した(ぶっちゃけた話、決して高評価はしてもらえず、一度も優遇してもらえなかったわけで)と言う感じがする。
総合3位となった故、HRCでは(契約に基づき)幾ばくかの報奨金を与えなければならないわけだ。
ペドロサ選手との一騎打ちに燃え、どれほど追い抜かれても大迫力でもって抜き返したのだ。
カル・クラッチロー(評価6点)
4位でゴールし、今シーズンの最高リザルト。しかし、ぶっちゃけた話、燃えはしなかった。
ダニ・ペドロサ(評価4点)
これまでバレンシアでは無敵の走りを見せつけてきたのだが、今回は予選でも決勝レースでも、ちょっとの雨で早々に沈み、大きな痛手を被ってしまった。
中須賀克行(評価6点)
職業テストライダーであり、レーサーではない。しかし、『ゆっくり、安全、遠くまで』を方針に、ライダーにとっては憧れの的…世界選手権の最高峰クラスで6位をチームにもたらしたのだ。
ジョシュ・へイズ(評価7点)
SBK AMAチャンピオンであるヘイズ選手は予選では最後尾(トップとの差は4秒181)、ウォームアップでは最速(不測のコンディションの中)、そして決勝レースでは7位でゴールした。
モトGPと言うのは全く別物なのだが、ある意味、それに適応できると言うことを示した。状況も有利なものではあったが、本人が力を証明して見せたのだ。
カレル・アブラハム(評価6点)
最終ラップでミスを犯し、驚き桃の木の4位の座を逸してしまった。間違えはしたものの、少なくともチャレンジはして見せた。
ローリス・カピロッシ(評価5点)
もう少し違った引き際を夢想していたのだが、しかし、9位止まりとなってしまい、精神的にもボロボロ。出走したライダーの中では最も、シモンチェッリ選手の事故を実感していた選手である。
トニ・エリアス(評価4点)
今シーズンは、忘れたいGP戦となった。チームとの信頼関係が築けない時、走るのは厳しいものだ。
エクトル・バルベラ(評価5点)
フィジカル面が、まだ万全ではない。
青山博一(評価4点)
超最悪。
ランディ・ド・プニエ(評価7点)
予選ではドゥカティ陣の最強(評価6.5点)だったが、第1コーナーで咎(とが)なく転倒。良いレースが出来てたはずなのに。
アルヴァロ・バウティスタ(評価4点)
スタートでのミスが常に背後にひそんでいる。残念ながら3台を巻き込んで転倒。予選ではスズキ機(評価6.5点)の力を良く引き出していたのに。
ヴァレンティーノ・ロッシ(評価6点)
予選6位で、好リザルトを賭けて戦える手応えを見せていたが、残念ながら、実証はできなかった。
ニッキー・ヘイデン(評価6点)
予選7位。ヘイデン選手もまた、悪い時に悪い所に居合わせた
(日本語翻訳:La Chirico / 伊語記事 Moto.it 2011年11月07日)
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中須賀選手の方針『ゆっくり、安全、遠くまで』って訳しましたが、
本当は日本語で何て言ってるんでしょう…もし、ご存知の方がいましたら、ご一報いただけると幸いです。
スムーズに乗るように心がけたが、全日本と違い距離が長く、耐久を走っているようだったけど、最後まで楽しめた。嬉しいし、この経験は何物にも代え難い。
が、中須賀選手のコメントです。
Chi va piano, va sano e va lontano.
「ゆっくり進む者が着実に遠くまで行く」というコトワザだそうです。
中須賀選手の状況の難しさを考えたら今回は素晴らしい成果が出ました。
しかし多少無理な解釈をしてもこの引用は当てはまらないと思います。
自分で自分に補足です。
この記者さんが勝手にそう言ってるんじゃないかな?と思えるんですが。
有り難うございます。
こう言う諺がイタリアにあると言う事を知りませんでした。
翻訳当初、てっきり中須賀選手の座右の銘か何かと勘違いしてしまいましたが、通りすがりさんの仰る通り、記者の方が勝手に言ってるのだと私も思います。