モトGP『ペトルッチ:ドゥカティで4次元体験』
垂涎もののチャンス…ダニーロ・ペトルッチは逃しはしなかった。
ドゥカティからの連絡を受け、ペトルッチ選手はムジェッロ・サーキットで2日間、フランコ・バッタイーニテストライダーと共にGP12機にテスト試乗したのだ。ドゥカティ側から高評価を受けたと言う証でもあり、ペトルッチ本人はテスト終了時に次のように話している。
「まず第一に、今回のチャンスを与えてくれたフィリッポ・プレツィオージ氏に感謝したいです…がっかりさせていなければ良いんですが。それから、許可してくれたジャンピエロ・サッキマネージャーにも感謝します。」
なお、タイム等のテスト結果に関しては極秘と言うことで、ペトルッチ選手は無邪気に、
「何も言っちゃいけないって言われてるんで。でも、本当に何キロも何キロも走ったんです…750ぐらいかなぁ。残念ながら背中の方が絶好調ってわけじゃなくて…この間の転倒で強く打ってしまって、予定していたレース・シュミレーションはできませんでした。でも、上手くいきましたよ。」と。
当然のことながらCRT機との違いについては、
「僕が初めて乗ったモトGP機になるんですが…僕のマシンはスーパーバイクの方に似てるんで…興奮度は驚異的でした。デスモセディチで直線コースを走ると、まるで4次元に入ったみたいなんですよ…『San Donato』コーナーに時速340kmで差しかかった時なんか前輪が浮いちゃって…凄かったですよ。」
ペトルッチ選手はこれらの印象をツイッターで、ジェームズ・エリソン選手に面白可笑しく語っている。
エリソン《楽しそうだね。これじゃ確実にラグーナセーカで自分のマシンに乗ったら、故障してるみたいな感じがするんじゃない》
ペトルッチ《2月からね…僕のマシンは故障してるって思ってるもんだから》
また、CRTとモトGPの違いを説明すべく具体的な数字や統計なども上げている。そして今回、ペトルッチ選手はライディング・スタイルを変える必要もあったのだと。
ペトルッチ《CRTに乗ってる時のことは参考にならないんだよ。走行ラインも変えなきゃならないし。パワーがもの凄くって、コーナー出口ですぐにマシンを立て直さなきゃならないんだ…すぐにアクセルを開けるためにね。それに、電子制御システムがものスゴッくサポートしてくれるんだよ。僕のライディングポジションも合わないってことが分かったよ。馬力が少ないから、出口あたりではカウルの中に身体をすっぽり入れちゃうのに慣れてるんだけど…でも、ドゥカティ機でそれをやるとウイリーが凄くって。最初のうちは技術スタッフが少しパワーを抑えてくれたんだけど、最終日には身体の位置をずらせば問題は解決するって学習したんだ。》
先週のレースに話を戻すと、あのストーナー選手と走行ラインでかち合わせとなり怒らせてしまったことについては、
「今になってみれば、実際のところ彼の考えも良く分かります。」とストーナー選手の身になって話し、
「重要なのは、互いにすっきりさせたってことと、僕がこれからもストーナー選手の大ファンを続けるってことです。」とも。
今回のテストが最初で最後となるのか、その後もまだ続くのかは今のところ未定なのだと。
「当初の予定では、まだこれからもあるってことだったけど、今のところ何も確定していません。重要なのは、プレツィオージエンジニアや技術スタッフの皆さんが僕の仕事振りに満足してくれたようだってことかな。かなりポジティブな感じでした。他の選手達がデスモセディチ機に乗って抱いた印象の裏付けもできたし、具体的に教えられなくても、どんな改良を加えたのかもすぐに理解できました。」
今回のペトルッチ選手への小テストは満点で終わったと言うわけだ。
(日本語翻訳:La Chirico / 伊語記事:Gpone 2012年07月20日)
あら、つまり、あのバルベラ選手でさえ乗ったことのないGP12機に乗ったと言うことなんですねぇ…