モトGP『ロッシ:デル・トルキオ社長、オファーに参上』
ヴァレンティーノ・ロッシがここラグーナセーカで、2つの大洋の間を行きつ戻りつしている…コースに出れば己のドゥカティ機と言う暗礁に乗り上げ、パドックへ戻ればヤマハの人魚達を上手く交わしながらも、アウディから吹き上げる風がボルゴ・パニガーレ湾へと追い立てたくるのだ。
過去・現在・未来が巡り合うレースウイークエンドと言ったところか。『過去』はヤマハへの復帰を呼びかけ、『現在』はまたもや失意のグリッド10位を突きつけてくる…そして、『未来』は今朝のラグーナセーカに立ち込めた霧のように全てを覆い隠しているのだ。
「ムジェッロの時と同じでしたね。同じ問題です。」と、イル・ドットーレことロッシ選手が予選終了後に診断を下す。
昨日はもっとポジティブな感じでしたが。
「最後はいつも、次のレースはもっと良くなるだろうって願うわけじゃないですか…でも、うちの問題が解決されない限り、たいした違いはないのは仕方がないでしょうね。」
今回のタイムは昨年より0.3秒下回ってましたが、どうしてですか?
「今、使ってるセッティングは…全レースで安定している唯一のものなんだけど、これだとソフトタイヤを上手く活用させられないんですよ。タイヤを持たせるのにかなりリア側に体重をかけなければならず、1ラップをプッシュして走ろうにもフロント部に充分な信頼がおけないんですよ。他の選手らは…ヘイデンも含めてソフトにしろ新タイヤにしろゼロコンマ何秒か削れてるって言うのに、僕はできない。そのうえ、気に入ってる方のマシンにチャタリングも出てしまって、終盤はそれで走られなかったんです。」
イタリア戦ではグリッド4列目スタートでも良い走りをしてましたよね。
「ここでもそうなってくれると良いんだけど…実際のところペースは悪くないし、ヘイデン・ブラドル・バウティスタ選手らはかなり近接してるし。体力的にもかなりキツいレースになるでしょうね…32ラップは長いですよ。」
予選でもっと上げていけないものでしょうか?
「2台のマシンを、それぞれ別のセッティングで使おうと思ってたんですよ…1台は1周飛ばすだけ、もう1台はレース用にね。ただ、そう簡単は話ではなくって。それに僕はPP争いとかをしてるわけじゃないし…いつもより3〜4ポジション前からスタートしたってそれほど大差ないですよ。」
ここアメリカでもファンの皆さんが応援し続けていますが。
「ウレシいですね…厳しい時にも、力強い応援をしてくれてね。」
ドゥカティのガブリエーレ・デル・トルキオ社長も来ているようですが。もう話されましたか?
「これからですね…来年に向けてのディテールを、もう少しはっきりさせてくれるはずです。」
ディテールのみですか?
「それだけじゃないですけど…オファーの内容を伝えてくれるはずってところかな。」
(日本語翻訳:La Chirico / 伊語記事:Gpone 2012年07月29日)
ジャーナリストでケニー選手の父デニス・ノエス氏の恒例つぶやきです。
Dennis Noyes @DennisNoyes 2012年07月29日朝5時頃(イタリア時間)
Del Torchio ha venido a Laguna para hacerle a Vale la “oferta que no se puede rechazar.” Y, de paso, ha renovado a Nicky
《デル・トルキオがラグーナセーカに来て、ヴァレに『断れないオファー』をしようとしている。で、ついでにニッキーの契約更改もしていた。》
Dennis Noyes @DennisNoyes 2012年07月29日朝5時頃
“la oferta que no se puede rechazar” viene de “El Padrino”…Rossi puede rechazar lo que no le convence, por supuesto.
《『断れないオファー』と言うのは『ゴッド・ファーザー』に出てきてたんだが…当然、ロッシは納得できないものは断れるわけで。》