いや〜なんだか、フィリップアイランドとは真逆の光景でしたねぇ…
見事な追い上げで優勝したペドロサ選手、そして、よもやの転倒に泣いたロレンソ選手…
それでは、スペインサイトからねっとりと2人のコメントを抜き出してみますか!!
モトGP『ペドロサ:今季、自分らの実力を証明した』
★ヴァレンシア最終戦モトGPクラスで1位のダニ・ペドロサがコメント
「スゴく嬉しい。スタート段階では不確定要素が多く、吉と出るか凶と出るか分からなかった。(ウォームアップで)コースに出てみたら乾いてはきていたが、まだスリック向けと言う状態ではなかったので、(そのまま)グリッドに向うことにした。そしたらホルヘがスリックを履いていて…あのコースの状態だと序盤は苦労するのは分かっていたが、グリッドでスタートを待っていた僅かな隙に、スリック向けのもの凄い細いラインがあるのを見つけた。このままポールポジションからスタートするか辞めるか迷った…自分には初めてのことだったから。ウォームアップの最中、今のタイヤではそう長くは持たないと思いつつ、一方で、雨が降り出すかもしれないとも…天に任せて決断しなければならなかった。
ピットに戻ることに決め…人がウヨウヨしていて、自分のマシンもメカニックもどこなんだか…あちこちオレンジ色を探しまわった!マシンを見つけて…エンジン停止もミスもなくスタートできた…そう言うことに左右されることもあるから。ピットレーン端に一番に辿り着いて…へイデンが隣で、反対側にバウティスタやピッロがいて…みんな並んで…全選手通り過ぎたのを見て、僕らもスタートした。一番やっかいな瞬間で、互いに衝突しそうな状態で…互いに目を配りながら…いや〜、もう!!!
全員スタートして、ドライゾーンでのレースを開始した。レインタイヤの選手に追いついて…スリック組はスピードが出ていなかったし、エドワーズやCRT集団を抜くのが少し厄介だった…衝突してしまうんじゃないかと恐かったし、後ろから突かれないようにもしないと。追い越すのが厄介で…ドライゾーンがあまりに狭くて、そこから外れると難しく、危険だった。
だんだん抜いて行って、時間を無駄にしたくなかったが慌てたくもなかった。最後、水平線上にホルヘを見つけ、彼が1〜2位なんだと分かり少し落着いて操縦に集中し、少しギャップを縮めた。ちょうど後ろについて走り始めた時、ミスってしまった…ニュートラルにしてしまいウエットゾーンに入って…2〜3秒ロスしてしまった。それで、また集中し始めたら、次の周回で(ホルヘが)転倒し…そこからは別ものレースとなった…後ろとのギャップは大きかったが、常にそれをチェックしつつ…周回遅れの中に入っていったので難しかった…フラッグが振られても気づいてくれなくって…少し苛々したが、かなり優位に立っていたから平常心でいられた。
終盤はリアタイヤがかなり酷い状態でかなりスリップしていたが、こんな風にレースを楽しみ勝つのは素晴らしい!
(ホルへの転倒は)タイトル争いを思えば、こう言うミスがもう少し早く起きてくれなければ…まぁ、良いけど。かつてないほどの勝ち星でね…これでチームやファンのみんなと喜べる。自分らに何ができるかを証明したのだから満足だ。
(マルケス選手のレースについて)凄いレースだった。第1ラップをあんな風に抜いて行くなら…ああ言う資質のライダーは上へ行ける可能性がどっさりある。あんなに固まってる集団を抜きつつ衝突は一切ないなんて…もう好き放題でしょ。あとは本人が心地良いかどうかだけで…スゴいレースをしたことは確かだ。でも、まぁ、僕も良いレースをしたから(笑)!」
(日本語翻訳:La Chirico / 西語記事:2012年11月11日 Motocuatro.com記事より抜粋)
なんか…こう言う一か八かの賭けに出るとこなんて…
ペドロサ選手、本当に変わったなぁって感じがしますねぇ。
んでは、今回は周回遅れに泣かされたロレンソ選手の方、行ってみますか!!
モトGP『ロレンソ:最多賞おめでとう、ペドロサ』
★ヴァレンシア最終戦で転倒リタイヤだったホルヘ・ロレンソのコメント
「多分、どこも折れてないと思うが、右足を上げると凄く痛い…じん帯と膝上の筋肉なんかが。
フィリップアイランドでタイトルを獲得しておいたのがねぇ…もし、あそこで取れてなくて、今日みたいになっていたら…喜んでなんていられなかっただろう。今回のレースには随分と期待していて…勝ちたかった…グリッドからスリックにして随分と危険を冒したのだが…。かなり集中したスタートを切り、レインタイヤの選手ら相手にミスを犯さないよう気をつけて、辛抱していた。ドライゾーンは50cmしかなく、抜こうとするにはウェットゾーンに出るしかなかった。少しずつ、気をつけながら抜いて行き首位に立った。すぐに後ろを引き離したが、その2周後には後ろにペドロサの姿が見えてきて、もの凄い強い走りで危険を冒しつつ追いついて来ていた…特に(周回遅れの)バルベラがブルーフラッグが出ているのに避けようとせず、その時、(ペドロサに)かなり差を縮められてしまった。
今日はあまり旗が振られるのを見なかったが、こう言うコンディションの時は超必須だ…ライン外から抜くにはかなり危険だったのだから。かなりの危険を冒して、やっとバルベラを抜き、4〜5人の集団に追いついたがはやり避けてくれず、辛抱しつつ危険を冒さねばならなかったが…その時、ダニがミスをして、また4秒ぐらい差が広がってくれた。その後、エリソンに追いついたが、やはり避けようとせず…第8コーナーを過ぎた時、振り返ってこちらを見たのにドライゾーンから避けてくれなかった。ダニが追いついて来たので、急いで(エリソンを)抜くことにしてドライゾーンから出たらマシンが跳ね出し、転倒してしまった。
カルメロ・エスペレータ(ドルナCEO)に話したら、周回遅れについての問題は解決しなければならないと言っていた。旗をもっと見やすいものにしなければならないと。
今日は、ほぼ勝ったと思えるレースだったのに周回遅れに遮られてしまった。レースでの経験から安全性を高めていかなければ…勝利を目指して戦っているのだから、周回遅れが障害になってはならない。
(マルケス選手のレースについて)驚異的だった…日本戦の後、またあれをやるなんて…皆を唖然とさせ、また繰り返すなんて…第1ラップであんなに軽々と抜いて行き…まるで他のマシンは止まってるみたいにね。その後は冷徹に持ち堪え、ライバル達を捕らえて行った。ジャスト・タイミングのオーバーテイクなんだろう。危険を回避しながらあれができていたのは確かだ。凄いレースを成し遂げた。
(ペドロサ選手のレースについて)かなり頭を使っていた。うちやブラドルの次に良い戦略だった。僕のことを目印にして追いついて来ていた。多分、周回遅れに少し助けられなければ今日の勝利はなかったのではないか…ただ、条件は皆同じだから。序盤はスゴい度胸で、アッと言う間に挽回していた。
(結局、ペドロサ選手が7勝でロレンソ選手より1勝多いが)まぁ、彼にとってはポジティブな統計だろう。最多勝選手と言うことでお祝いを言うよ…ただ、僕としてはタイトルの方が好みだけど。」
(日本語翻訳:La Chirico / 西語記事:2012年11月11日 Motocuatro.com記事より抜粋)
なんか…レースで何か起きる度にエスペレータ社長の所に忠言しに行くロレンソ選手って…
藤原らんかさん的な絵が頭に浮かびますねぇ(笑)
そう言えば、最近のロレンソ&ペドロサ選手のイラストなんかも、某イタリアサイトがこんなツイートを出しとりました。
《日本人と言うのは、誰よりも意地悪くなれるが、同時に誰よりも優しくなれるのだ》
I giapponesi sanno essere più cattivi e più dolci di tutti allo stesso tempo. fb.me/C32PzAhx
— Misterhelmet.comさん (@Misterhelmet) 11月 5, 2012
見所一杯で最終戦に相応しいレース!! それにしても、ダニの成長がこんなに著しいとは。今年以上に来年よい年となることを今から祈る思いです。他方のロレンソ選手も、ある意味一皮向けたというか随分政治的になったなぁ、と。王者だから許されるし求められることでもあると思うけど、一抹の寂しさ?が。でもこの点はマルケス選手が良い意味で掻き回してくれるように期待しつつ、自分なりのシーズン終了。
Chiricoさん、いつも楽しいレポートありがとうございました。2012シーズンは終わりますが、引き続きよろしくお願いします!!!