先日はヤマハ・レーシングの公式フェイスブックのカバー写真が『おっかえりロッシ』になってましたが…
今度は『おかえり映像』ができたみたいですね!
さて…帰るライダーもいれば、去るライダーもいる…
そう…あの人が、心中を洗いざらい語ってくれたようです…
よっぽど溜まっていたのか……長いっすよ〜
モトGP『ベン・スピース:CYCLEWORLD記事の翻訳』
★ベン・スピースが『CYCLEWORLD』に語る。
「ムジェッロでは食中毒にかかってしまった。ひどい食中毒でね。本当ならレースにも出られないはずだった。ヘルメットの中でも具合が悪くて、もう吐くものもなく震えでどうしようもなかった。
翌日、ヤマハはテストのためにサーキットに留まっていたが、自分は走らなかった。走れなかったんだ。動くことも…何もできなかった。ヤマハのお偉いさんが(これ以上は詳しく言えない)やって来て、“君には多額の投資をしている。100%の状態ではないならラグーナセーカには顔も出さなくて良い。”と言われたんですよ。そして、“我々はこれ以上、君を信頼しない。”ともね。
シーズン半ばで、アメリカ2戦の直前…この瞬間に決めました…2013年はヤマハでは走らないって。ヤマハには良い友人もどっさりいるが、こう言う言われ方をされたら敬意の気持ちも失せるものでしょ。
これまでを振り返っても、自分は全戦100%の力を出してきた…しかし、皆さんご存知のように奇妙なメカニカルアクシデントがシーズンずっと続いてしまった…タイヤ表面の剥離とかリアサスペンションの故障、クラッチ焼き付き、ブレーキのオーバーヒート…何かが100%の状態ではなかったんです。
誰かが故意に仕組んだわけじゃないことは確かです。通常、こんなことはライダー1人につき1年に1回起きれば良いようなことで…うちはわずか1年で全部起きたと言うわけ。チームにとっては散々だが、彼らには無関係な話であって。ただ単純に不運が重なっただけ。
正直、ピットの反対側では全て完璧…と言うを見るのはストレスでしたね。チームメイトのホルヘ・ロレンソは各レースに優勝し、そしてタイトルを獲得。彼が使ってるエンジンやブレーキ、クラッチ、タイヤ等が自分のと同じだってことは分かってますよ。他人の不幸を待ち望んだりはしないものだが、それでもキツいですよね…ライダーだけの話じゃなくチームにとっても…あっち側は万事順調なのに、こっちは何をしてもダメなんてね。
冬期テストの間、ケーシー・ストーナーやダニ・ペドロサのホンダ・ワークス勢の方が、うちにとっては懸念材料でした。彼らに追いつくにはヤマハの弱点のいくつかを改善せねばならなかった。M1800機は良いパッケージだったが、パワーとグリップが若干足りず、よくウイリーしてたんです。
その辺りの問題点に手を入れ、モトGP最良パッケージでシーズンを始めました。M1000機にはこれと言った強味もなかっただろうけど、加速やブレーキングの良さ、トップスピードが必要な所ではどこでも良い働きをしていました。コースによってはまだV4ホンダ機の方がかなり有利だったが、ヤマハの方はバランスがベスト・マシンでした。
カタール開幕戦11位と言うのはキツかった…マシンは良いし、チームも良い働きをしてくれてたんでね。予選では4位だったが、セッション最後に些細な事故を起こしてしまって。シート下の、サブフレームとしても機能する構造体が壊れてしまったんです。その時点では壊れてることに気づかず、それのせいでレース中にひどいチャタリングが起きるなんて分からなかった。
日曜午前、古いタイヤだとチャタリングが起きていて…タイヤのせいなのか、別の原因なのかは分からなかった。しかしウォームアップ・ラップですぐにその問題に気づき、しかも新タイヤでグリップが最大限になっていたせいで悪化してました。始まる前から僕のレースは終わってしまった。この手のトラブルはキツいですよ…どうしてこうなったのかは分かっている…ただ、自分しか分かってないんですから。そのうえ防ぎようもない。これが不運で塗り固められたシーズンの始まりだったわけです。
ヤマハ機と言うのは凄いマシンだが、コーナー旋回時にかなりのスピードを要するんです。もし動いたら…タイヤがラインから外れてしまったりしたら、調子が狂うんですよ。例えば、ブレーキングでリアホイールが浮いて、左右にぶれ、アスファルトにきちんと接地していない状態になると、マシンが暴れ出す!こうなると、もう同じ強さでフロントブレーキをかけ続けてはいられなくなりますね。ホンダもドゥカティも、もう少しワイルドな乗り方ができるように見えますが。
最新モトGP機で強い走りをしようと思ったら、タイヤに常に荷重をかけラインから外さないようにしなければならない。スピードが出すぎてるかなってぐらいでコーナーに進入し、フロント側に荷重がかかるようにして曲がっていく。ブリヂストンはグリップが非常に強いが堅すぎて、ダンロップやピレッリの時のような手応えは得られません。ライダーらが『より安全』な…すぐに温度が上がるようなタイヤを要求したわけで…現在のブリヂストンタイヤは、そう言う面では非常に改善されました。ただし、耐久性やハンドリングに関してはまだまだ若干問題がありますが。
ホルヘは速そうには見えない。彼のデータと自分のを照合してみると、彼の方が早くブレーキをかけるのに、僕より速くコーナーを抜けるんですよ。その結果、次の直線コース終わりでは0.1秒の差がついていると言うわけ。
ケーシー・ストーナーは速そうに見えてました。いつもマシンをスライディングさせ、リアタイヤをスピンさせてね。
ホルへの身体の動きを見てると…マシンにどんな風に乗ってるのか、動きすぎず、どんな風にコーナーに進入し、バンク角はどれぐらいかを見てると…マシンのバランスを取り、タイヤに荷重をかけるのが本当に上手いんですよ。速く走る為にすべきこと…もちろん、言うは易し行うは難しってところですが。
しばらくの間、自分もホルへのように乗ってみようとしてたんですが、互いのスタイルが100%違うんです。僕の自然なスタイルは最高になめらかでも、最大スピードでコーナー旋回をするタイプでもない。強くブレーキをかけてマシンを曲がらせ、コーナー外側から発射させるような…スーパーバイク流が好みなんです。
自分のライディングスタイルを根本から変えるなんて難しいですよね。マシンのセットアップもかなり変わってくるし。僕のに比べホルへのスプリングやダンパーがどれだけ柔らかいか…びっくりしますよ。特に、彼があんなに速く走れるとあってはね。でも、乗り方は非常にスムーズなんですよ。あんな風にできたらね…よりグリップを引き出せるわけだから。
2010年にヴァレンシアで、ヴァレンティーノ・ロッシのM1機に乗ってみたことがあるんです。5〜6周走って…ただ、強い走りができる風ではなかった。あまりにもソフトすぎたんですよ。もっと僕に合ったセットアップにするようにしたら、ヴァレンティーノがその週末のレースで同じマシンを走らせてた時よりも速かった。すべてはフィーリングでね。ライダーが乗り心地いいなら、限界まで走らせることができる。同じことが走行ラインにも言える…つまり、完璧なやり方なんてないってことですよ。
ドンピシャのセッティングで優勝や表彰台争いをすることもあれば、週末の間ずっと不利な状態で、日曜朝のウォームアップまで上手いコンビネーションが見つからないこともある。だからこそ、良いベースセッティングと言うのが重要なんです。
インディアナポリス戦でエンジンが故障した時、僕は2位を走っていて…もうモトGPは辞めてしまおうかって思いました。スーパーバイクの方に気持ちがいき始めてね。あの選手権は僕には素晴らしかった…2009年に参戦していた時ね。パオロ・チャバッティ元ディレクターも良い友人だし…僕に戻って来て欲しかったんでしょうね。いつか戻るかもしれない。
まずドゥカティ(SBK)が僕に対して興味を持ってくれて…ただアウディに買収されたばかりで、どんなオファーができるか分からなかったんですよ。その後、BMWから良いチームでの好オファーが来た。BMWもSBKで確実に強いし、S1000RR機でしっかりとやって来ていましたしね。
ドゥカティはまだ1199パニガーレをSBKで走らせたことがなかったから…そこが少し疑問点ではありました。ただ、スーパーストックではやれていたし、ドゥカティがスーパーバイクで不調だったのなんて…いつの話だ?って思ってね。正直、ドゥカティに行ってパニガーレに乗りたかった。ただ、彼らとしてはまずモトGPの方をなんとかしなければならず…その気持ちは分かりました。
その時点で色々と考えてみて、結局、モトGPではまだ実力を出し切っていないって結論に至ってね。実力がどれぐらいかは分かりませんが。たくさんレースに勝つとかタイトルを取るなんて言うつもりはないが、でも、このまま去って、5年後に“あれもできたはず、これもできたはず”なんて言いたくはなかった。
ドゥカティから今年マシンに乗るよう乞われ、チーム・サンカルロ・グレジーニからも熱心に誘われた。ファウスト・グレジーニや中本修平、リヴィオ・スッポ氏らとはブルノで話し合いを持ちました。グレジーニに僕の希望を言って…僕がホンダ機に乗るには何が必要かとか。でも、ドゥカティがそれを実現させはしなかった。彼らは準備OKだったけど、ホンダはそうじゃなかった。
最終的にはSBKでBMWに乗るか、モトGPでドゥカティに乗るかのどちらかになりました。
ドゥカティが用意してくれたパッケージが、僕にはおあつらえ向きの舞台だった。アンドレア・イアンノーネがチームメイトになると言うもので、ドゥカティ・コルセと同じカラーリングながら、スポンサーは異なると言う。マシンから何から、すべてワークスなんです。
トム・ハウスワースが僕のチーフメカニックになる予定です。そして、マックス・バルトリーニがエンジニアでね。以前の彼の仕事振りや現在のドゥカティでのGPプログラムでやっていることを見て、その後、色々な人達と話してみて…それでマックスが欲しかった。ドゥカティに、なにがなんでもマックスが欲しいと言いました。良い意味で驚かれましたよ。僕がリサーチしてたってことを知ってね。
ドゥカティはできる限り全力を尽くすでしょう。自分達が何をしているのかは承知してますからね。この2年間、自分らにとって最良とはならない道を進んでいたわけで…アウディがドゥカティのために多くを為すだろうから。ただ、一朝一夕でどうこうってことはないでしょうが。
ライダーは、自分はエンジニアではないと言うことを肝に銘じておくべきじゃないかなぁ。ベストを尽くして強い走りをして、エンジニアが調整できるようにフィードバックを提供しなければならない。
僕は自分の選択に…来年手がけるだろうことに満足してます。」
(日本語翻訳:La Chirico / 伊語記事:2013年01月02日 SPIES公式ファンクラブ記事より)
おっ、早速、アンドレア・イアンノーネ選手と仲良しツイートしてますな!!
《(イアンノーネ)一緒に良い1年になれば良いな!アクセル全開!》
《(スピース)僕はいつだってイタリア人には最高の思い出があるんだよ!来年は楽しくなるんじゃないかなぁ!特に、君が @rhysgedwards
に会ったらね。》
@andreaiannone29 I’ve always had great memories with Italians! I think next year will be a blast! Especially when u meet @rhysgedwards
— Ben Spiesさん (@BenSpies11) 1月 3, 2013
さて続きまして、変えるロレンソ…
ご本人もツイッターを出しとりましたから、ご存知の方も多いでしょうが。
しかし、意外なメーカーできましたねぇ〜
モトGP『ロレンソ:2013年はHJC』
★現チャンピオンであるホルヘ・ロレンソが『ノーラン』から『HJC』に変更し、2013年から韓国製ヘルメットを着用することとなった。昨年までチームメイトだったベン・スピースも使用しており、また、フリアン・シモンおよびリッキー・カルドゥスも使用する予定。
★HJCアメリカ代表George Hong氏のコメント。
「2013年に向け、ホルヘ・ロレンソおよびその他らの各クラス選手らと契約を結べ、大変名誉に思ってます。」
★ロレンソ選手は、これまでHJCが製作したことのない最新モデル『R-PHA 10 PLUS』を着用する予定。ハイパー技術を駆使した最高安全レベルのヘルメットで、PIMシェルにより通常よりも遥かに軽量で、わずか1,250グラム。現段階では、デザイン最終稿はトップシークレットの1つ。
(日本語翻訳:La Chirico / 西語記事:2013年01月03日 Motocuatro.it記事より抜粋)
この件については、ロレンソ選手のフェイスブックにも情報が出てましたんで、どうぞ!
《こんにちは。今日はニュースがあります。今現在から僕はHJCを使うことになりました。世界でも有数のヘルメット製造で、来週には韓国ソウルにある工場を見学する予定。ヘルメットの写真を紹介するからね!愛を込めて。》
良い1年になりますように…クリックPrego