MotoGP

ロッシ語り尽す(後半)『2008年ラグーナセカ、ストーナー対決の詳細』

『ロッシ:2008年ラグーナセカ、ストーナー対決の詳細』

★9月初めにヴァレンティーノ・ロッシ(45才、二輪レース最高峰7回タイトル獲得)が、愛弟子アンドレア・ミーニョ(28才)のポッドキャスト『MIG babol』で約1時間のインタビューを受けた。

★9月11日に公開されたインタビュー後半は以下のとおり。なお、前半はこちらからどうぞ。

[ 第4章はこちら ]

【じゃあ、話を戻して…2008年のラグーナセカ戦については?】
「(ちょっと皮肉っぽい感じで)きちんと話そうと思ったら、2007年から始めなきゃね…あの年、ストーナーにしてやられちゃったんだから。
あの年、こっちはスランプで…税金問題でイタリア国税庁とドンパチやって、ほんとんどヘロヘロ状態だったんでね。
タイトルを7回取ったものの、2年のブランクができてしまって…もうちょっとで30才だったから、既に『オワコン』って感じに見えてたしね。
それで2008年にフルサワと話して、『ヤマハ継続が希望なんだけど、マシンの動きがクソなんで何とかしてもらわないと…』って言ったんだよ。
そうしたら良い感じのマシンに仕上げてくれて…ドンデン返しあり、何回かの優勝ありの末、ラグーナセカでのストーナー対決となったわけなんだ。
あの時、むこうはレース3連勝して、ポイントを稼ぎまくり…ラグーナセカでも超速っぷりを見せていた。こっちも悪くはなく、2位に就いてたんだけど…ストーナーは別次元だったんだよ。
それで、あのラグーナセカはちょっと雪辱戦みたいな感じになってたわけ。金曜セッションではストーナーと1秒差、0.6秒差ってとこで、その後、ちょっと挽回しつつ…日曜ウォームアップでは、むこうが1’21”5を出し、こっちは1’22”2だったんだ。
あの日の朝のことは良く覚えてるよ…サーキットに行く途中、ウッチョから『さて、今日はどうする?』って訊かれ、『今日は全力走行で、第一目標は(ストーナーを)優勝させないこと。双方転倒でも、こっちが優勝できなくても、結局は同じことだから』って答えたんだよね。
むこうは有利な立場なんだから、よもやこっちがそう言う動きをしてくるとは思ってもなかったんだろうね。」

【それで…?】
「こっちは第1ラップから攻撃を始め、『Cavatappi』コーナーで抜いてやったんだ。一方、むこうはどっしり構えて、まだタイヤの熱入れなんかしていてねぇ…多分、『なんで早々に抜けるの?』なんて思っただろうね。
そこから、こっちは死物狂いのダッシュを始めて…7〜8回のオーバーテイク合戦になってね。いまや伝説となった2回目の『Cavatappi』抜きは、第5ラップだったんだよ。
ただ、ラグーナセカって短距離コースだから、全30周もあるんだよね。2回目に『Cavatappi』で抜いた時点で、『残り24周』ってのを見たら…もう終わったって感じになってしまって。
とは言え、下り地点でストーナーを前に出すわけにはいかないんだから…最終セクターのストーナーは脅威だからね。それで、こっちは息を吹き返して頑張って…こっちが前に出れば、むこうを抑えることができるんだから。
むこうは相変わらず抜こうとしてきて…でも、苛ついてたもんだから、結局、ミスってしまったんだよ。
ストーナーって言うのは、他に類を見ないほどの才能で…マシンに乗ったら、信じられないような走りををするんだよね…特に強風とか、混合コンディションでは凄まじいんだ。
ただ、頭の方がねぇ…傷つきやすいと言うか。だから、そこを狙ってみたんだよね(笑)。」

[ 第6章に続く ]

(参照サイト:『Mowmag.com』)
(Photo:Twitter

POSTED COMMENT

  1. 74 より:

    ストーナーも素晴らしい才能の持ち主。
    この頃のドゥカティでタイトル争いとか驚異的。
    もう数シーズン見たかったです。

  2. きゃめる より:

    ストーナーが最強でしょうね。
    ただ汚い事が嫌いで、メンタルも普通過ぎて、GPに長くはいませんでしたが。

  3. こっび より:

    ドカのテストライダーしてるときも、タイムるがでないロレンソが落ち込んでるとき、びゅーっと走って「普通に速く走るじゃん」
    とか言ってロレンソ「???」とかなってたよな

  4. NSR50 より:

    近代GPにおいて、くれぐれもストーナーとマルクの対決が見られなかったのが残念でしかたがない。
    稀代の天才同士、どちらが速いのか見てみたかったなぁ~。

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