バルトリーニ説明：ドゥカティ機の強み、ヤマハ機の強みと弱点について

『バルトリーニ説明：ドゥカティ機の強み、ヤマハ機の強みと弱点について』

★11月19日、バルセロナサーキットでモトGP公式テストが行われ、ヤマハ選手陣のリザルトは以下のとおりである。

2位ファビオ・クアルタラロー（ヤマハファクトリー）
8位アレックス・リンス（ヤマハファクトリー）
17位ミゲル・オリヴェイラ（ヤマハプラマック、2024年はアプリリア機）
22位ジャック・ミラー（ヤマハプラマック、2024年はKTM機）

★ヤマハは2024年より、イタリア人であるマッシモ・バルトリーニをテクニカルディレクターに任命した。ヤマハが、外国人を同職に就けるのは初めてである。
バルトリーニ氏は2023年末にドゥカティからヤマハに移って作業を始めたが、状況を把握し、マシン開発の方向性を変更するのに1年かかったとのこと。
ただ、コンセッション（優遇措置）のお陰もあり、2024年シーズン末にはアプリリア＆KTM機と同格のパフォーマンスを発揮できた。

★なお、バルトリーニ氏は、ヤマハが並列4気筒エンジンからV4エンジンに変更する予定であることも公言している。

★バルトリーニ氏が英国人マット・オクスレイ記者のインタビューで、次のように話した。

【ヤマハ機の開発については？】
「（モトGPに）4台参戦できるなら、1年でマシンを進化させられるだろうが…2台ならば、2年かかるでしょうね。
とにかく、日本人スタッフが以前より頻繁にミラノに来るようになったし（※ヤマハ欧州支部がジェルノ・ディ・レズモにあるため）、こちらも以前より日本へ行く機会が増えました…まぁ、レース部門が2つあるわけですから（※日本とイタリア）。
ジジ・ダッリーニャがドゥカティに加入した時は、少なくとも2平方km以内で全てが済んだだろうけど、こっちは1万kmも離れてるんですから。時間もかかるでしょ…まぁ、目標に近づいて行ってますけどね。」

【作業分担などは…？】
「今のところ、フレーム製造は日本で続けられてます…製造技術の構築には時間がかなりかかり、多額の投資も必要ですからね。既に日本で行われているのだから、施設を増やす必要はないでしょ。
こちらではタイヤについての作業を少し進めているので、新たな…まぁ、新たに部門を作るとまではいかないが、新たな拠点ぐらいは作った方が良いでしょうね。
ドゥカティの強みの1つは、『タイヤへの理解』にあると思うんですよ。初めて本格的なタイヤ分析を始めたメーカーであり、同部門に関しては他メーカーの中で群を抜いてますから。
理由は分からないんですが、ミシュランが超ハイパフォーマンスのタイヤを作ってしまい…そのコントロールが非常に難しいんです。
おそらく、このタイヤの実力を引き出すことができるのは『最もバランスの取れているマシン』であり、現時点でそれは明らかにドゥカティ機なんだと思います。」

【ヤマハ機は…？】
「ヤマハはいまだに古いセットアップ方法を使ってるんで、タイヤに関し、もう少しエンジニアリング的なアプローチをすべきでしょう…今、その作業を進めているところなんですよ。
ポジティブ面としては、ヤマハ機にはいくつか強みがあると言うことですね…例えば、フロントの感触は最高なんですよ。この点は大きな強みになりますよ。
その一方、グリップや馬力が不足しているので…今あるものを有効活用できるような方法を見つけなければなりません。この点がうちの最大の弱点ですからね。
全体的なパッケージは悪くないし、けっこう良いものなんで…あとは、とにかくレベルを上げていくことだけなんです。」

（参照サイト：『Mowmag.com』）