
『ガバッリーニ語り尽くす:ストーナーがマシンが壊れてると言ったら…本当に壊れてる』
★クリスティアン・ガバッリーニはモトGP業界で20年以上働いており、ケーシー・ストーナーやホルヘ・ロレンソ、ジャック・ミラー等のチーフメカニックを務め、現在はフランチェスコ・バニャイアを担当している。
★8月末、ガバッリーニ氏が、アンドレア・ミーニョ(29才、元プロレーサー、現ロッシ陣営のモト3コーチ)のポッドキャスト『MIG babol』で次のように話した。
【やっぱり、2007年からドゥカティファクトリーで、ケーシー・ストーナーを担当してた話から始めないと…】
「あの年、No.1ライダーはローリス・カピロッシの方で、ケーシーは『まぁ、あまり散々なことにならないよう…何回か表彰台に上がってくれたら御の字だから。皆、分かってるだろ』と言う感じで加入させられたんだよ。
私としては、(2006年に)ホンダLCRから参戦していた様子を見る限り…まぁ、大勢の見立て通り、『モトGPクラス最下位にはならないだろう』ぐらいに思ってたかな。
そんな感じで始めて…ケーシーはミシュランタイヤとホンダ1000ccの組み合わせから、ブリヂストンとドゥカティ800ccに乗り換えたんだ。
当時のドゥカティファクトリーと言うのはモトGP参戦を始めて数年経っていて、経験豊富なスタッフが山のようにいたんだ。私は(ストーナー)チームのチーフメカニックだったが、新入りだったもんだから…早々に喝を入れられてねぇ。
2回目のテストの時、ケーシーが歩いてピットボックスに戻って来て、こう言うんだよ…『エンジンが壊れそうなんだ。完全に壊してしまいくたなかったんで、バリアに立てかけてきたよ』とね。
それで、マシンを回収して、データを確認してみたところ…エンジンに問題はないんだよ。エンジンを始動させ、もう一度データを確認してみても何でもないんだ。
だから、同じマシンでケーシーにもう2周走らせてみることにしたんだが…その時、経験豊富で超優秀なチーフメカニックのブルーノ・レオーニに、ロマーニャ訛りでこう言われてねぇ…『これは、すぐに焼き付く125ccエンジンとは別物なんだって、お友達に言ってやれよ』とね。
私はケーシーに、『このマシンを、まだ使わなければならないんだ』と説得し…そうしたらケーシーがこう言うんだよ…『あのね、別に走ってきても良いけど、でも、あのエンジンは壊れてるよ』って。
そして、トラックに出て行き…半周ほどでエンジンが壊れたんだ。ケーシーはまた歩いて戻って来て、いつものソフトな物腰で私のシャツを引っ張り…きちんと伝えなければならないと思ったのか、大きな声で一語一語区切って、こう言ったんだよ…『僕が、マシンが壊れそうだと言ったら、つまり、そう言う意味、なんだからね』って。
その日以降、ケーシーが『変な振動がある…多分、マフラーかな』なんて言ったら、マフラーから何から全部外してみることにしたよ(笑)。
それほどの繊細さ、敏感さなんだよねぇ…ケーシー・ストーナーと言うのは。」
[ 第2章に続く ]
Cristian Gabarrini explains why Pecco Bagnaia is “opposite” to Casey Stoner: https://t.co/WC8BS1OOdR
— Flyin18T Motorsports (@Flyin18T) June 3, 2025
(参照サイト:『Mowmag.com』)
(Photo:Instagram)
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すげえな。ケーシーストーナーは歴代最も好きなライダーでしたがより好きになりました。
これだけ繊細だからマシンと自分の感覚の間に介入してくる電制システムが嫌いなんでしょうね
凄いですよね。
ホンダでもリヤタイヤ交換したら「ホイール変えたでしょ。」と。後に同一スペックで発注した別会社のものだと判明。
私も歴代最も好きなライダーです。
同じくケーシーが1番好きなライダーだけど、より好きになりましたわ。
私はシュワンツと同じくらいストーナーが好きです。