
『ヴィニャーレス、棄権を決めるまでの舞台裏:エルヴェー・ポンシャラル』
★10月3〜5日、インドネシアGPが行われ、モトGPクラスのマーヴェリック・ヴィニャーレス(KTMテック3)が予選20位、スプリント棄権、決勝も棄権。現在、総合16位(−473ポイント)。
★予選後、チーム側と同意の上、当GP棄権を公表した。左肩の治癒に専念する。
今シーズン中に復帰できるかどうかは未定だが、11月18日(火)のヴァレンシアテストには参加する模様。
なお、今シーズン残り4GPについては、ポル・エスパルガロ(テストライダー)が代役参戦する予定。
★先日、KTMテック3のエルヴェー・ポンシャラル(68才、チームマネージャー)が、ビニャーレス棄権について次のように説明した。
【インドネシアGP予選後、ヴィニャーレス選手が棄権を決めたが…】
「茂木の時点で、すぐにマーヴェリックがケガの後遺症を引きずってることに気づいたんです。
うちのコーチ(ミカ・カリオ)が走行を観察した後、『いつもの走りじゃないし、あれじゃ、KTM機は乗りこなせない』と言ってきたもんだから。
しかも、茂木のきついブレーキングのせいで右肩に強い痛みが出ると、本人が訴えてたんです。」
【インドネシアGPは最初から大苦戦し…】
「マーヴェリックのストレスがたまり、自信も失ってきて…インドネシアでは、『回復に向かうどころか、後退してる』と言い出したんです。
それで、土曜日に皆で話し合って、棄権することにしました…フィリップアイランドとセパンも欠場しようってね。」
【代役については?】
「予定からすると、ポル(エスパルガロ)が2回とも出るでしょうね。まぁ、今はKTM側の公式発表待ちなんですが。」
【バルセロナGPで復帰するのは早すぎたのでは?】
「それはないでしょう…復帰が早すぎたことだけが理由なら、ケガが悪化してるはずなんで。茂木の時点で痛みがあり、力が出ない様子だったんですが…とは言え、肩のケガに影響はなかったですよ。
完治までにはもっとかかると言われていて、まだ回復途中と言った状態だったが…それは本人も承知してました。普通の人間なら、半年は使い物にならないが…二輪レーサーは訳が違うから。
時にはスーパーマン扱いされるほどでしょう…ただ、靭帯ってのは時間がかかるんですよねぇ。しかも、軽い骨折もしてたんで…とにかく、酷いケガだったんですよ。まぁ、バルセロナで復帰させたことについては、うちは後悔はしてません。
(バルセロナGP中)いつでも代われるようにポルが待機してたんだが、マーヴェリックが肩の感じからして走れそうだと言ったんです。市販機テストをした結果、バルセロナ復帰を決めたんですから。
ただ、その後、本人が『予想以上に、回復に時間がかかっている』ことに気づき、しかも、ここ最近のパフォーマンスの低さのせいで気持ちが落ちこんでしまってね。
ドイツでケガをするまで、マーヴェリックはよくKTM勢トップになってたんだから。そう言うポジティブな感触を維持したいと思ったのでしょう。
医師陣も専任理学療法士も、今、欠場することが最善策だと賛成してくれました。」
【サーキットに依って、身体の負担も違うの?】
「それもありました…ケガの影響が(走りに)出てると思ったのは、バルセロナよりはミザノの方だったから。
茂木もきついブレーキングがあちこちにあるから、状況は好転してくれなかったんですよ。
まぁ、いつも言ってることだが、今更たらればを言ってもねぇ…言うだけなら簡単なんだから。」
(参照サイト:『Gpone』)
(Photo:Instagram)