MotoGP

小椋藍:なぜ開幕戦の絶好調から失速してしまったのか?

『小椋藍:なぜ開幕戦の絶好調から失速してしまったのか?』

★10月24〜26日、マレーシアGPが行われ、モトGPクラスのアイ・オグラ(アプリリアTrackhouse)が予選17位、スプリント12位、決勝10位だった。現在、総合16位(−466ポイント)。

★10月29日、イタリアのディアナ・タマンティーニ記者がオグラ選手について次のように書いた。

《アイ・オグラのモトGPルーキー年は、予想外に複雑なものとなっている。
アプリリアTrackhouseの才能あるルーキー選手、オグラのリザルトになぜムラが生じているのか…分析してみよう。
まず、デビュー戦は最高に盛り上がったのだ…前年のモト2チャンピオンであるオグラは、初っ端から好リザルトを獲得し(決勝5位、スプリント4位)、間違いなく今年のルーキー・オブ・ザ・イヤー最有力候補と言った様子だった。
その後、同じくルーキーのフェルミン・アルデゲルが伸びてきたため、ベストルーキーを賭けた白熱の一騎打ちになるものと思われていたのだが…ある理由により、状況は一変してしまった。
いったい何が起きてしまったのか…。

まず、ケガである。オグラの現状を語るには、まさに、この点が大きいのだ。
時系列で見ると、(5月末の)ブリティッシュGPの前までは好リザルトを連発し、日曜決勝では常にポイントを確保していた。
ところが、ブリティッシュGPのFP1で負傷し、早々に棄権となってしまったのだ(右膝骨折)。しかも、早期回復のため手術を受けることとなり、その次のアラゴンGPでチャレンジはしたが出走許可は降りず、結局、(6月末の)イタリアGPで復帰した。
しかし、まだ万全の体調ではなく、アプリリア機のフィーリングを掴むには調整が必要だったのだが…往々にして、この2つの点は軽視されがちなのだ。

そして、(9月中旬の)ミザノテスト不参加も痛かった。
(回復に)多少時間がかかったものの、(9月初めの)バルセロナGPでは回復も明らかで、スプリント9位/決勝6位の好成績を収めたのだが…その次のサンマリノGP決勝で、今度は右手を負傷してしまった。
大きなケガではなかったものの、月曜公式テストに参加できる状態ではなかった。
このテスト不参加が大きかったのだ…この1日で多くの選手らがこれまで試せずにいた物を試しまくり、大きく前進できたのだから!
ルーキー選手ならばなおさら、同テストは特に大きな助けになってくれたことだろう…。

そのうえ、ホームレースで走る喜びまで失ってしまい…
(9月末の)日本GPは、モトGPクラスでの走りを地元ファンに披露すべく、意を決して参戦したのだが…手首の痛みを抱えつつ、土曜スプリント終了までは持ち堪えたものの…その直後、棄権となってしまった。
痛みが悪化し、オグラ本人にとっても日本人ファンにとっても残念な結末となってしまったのだ。しかも、その次のインドネシアGPも欠場となり…
復帰が叶った(10月中旬の)オーストラリアGPでは決勝13位、今回のマレーシアGP決勝も決勝10位と言う好結果だったが、土曜スプリントはポイント獲得とならず…
アルデゲル選手が107ポイント差で、ルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得してしまった。

最終的に今年のアプリリアでトラブルも中断もなく、順調にマシンを乗りこなせて行ったのはマルコ・ベッツェッキとラウル・フェルナンデスだけだった。
それと対照的だったのは、次々とケガに見舞われたホルヘ・マルティンであり、また、オグラも運に恵まれていたとは言えないだろう。
オグラのこれまでのキャリアを見る限り、爆発的な才能の選手と言うよりは、マシンのフィーリングを掴むのに時間はかかるが、掴んでからは最強の走りを見せてくれるタイプだろう。
今年は、そうした成長プロセスが何度も中断されてしまい…モト2時代もちょっとそんな感じだったのだ。
ただ、重要なのは残りの2GPで有終の美を飾りつつ、2026年に復調していけるようなベースを築いていくことだろう。》

(参照サイト:『Corse di moto』)
(Photo:Instagram

POSTED COMMENT

  1. 鯖通り より:

    アプリリアの本拠地のイタリアメディアからこういう冷静な評価記事が出てくるのは有難い事ですね。

    小椋選手に関してはモト2の頃に本人も言っていたと思いますが転倒が即負傷に結びついて欠場してしまうケースが多いのが気になります。
    ライディングスタイルによるのか、フィジカル面の課題なのか、受け身の取り方で低減できるのかは判りませんが。

  2. ジョアミルミル より:

    復調の兆しも見え始めてるし来季に期待大だよ

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