MotoGP

元KTMエンジニアによるアプリリア機の感想:ファビアーノ・ステラッキーニ

『ステラッキーニ:元KTMエンジニアによるアプリリア機の感想』

★11月19日、バルセロナサーキットでモトGP公式テストが行われた。

★同テストでのアプリリア選手のリザルトは以下のとおりである。

5位ラウル・フェルナンデス(アプリリアTrackhouse)
11位ホルヘ・マルティン(アプリリアファクトリー、2024年はドゥカティ機)
13位マルコ・ベッツェッキは(アプリリアファクトリー、2024年はドゥカティ機)
21位アイ・オグラは(アプリリアTrackhouse、ルーキー)
24位ロレンツォ・サヴァドーリ(テストライダー、最下位)

★同テストには、新規加入のエンジニアであるファビアーノ・ステラッキーニもピットボックス入りした。
同氏は2021年末にドゥカティからKTMに移籍したが、2025年よりロマーノ・アルベジアーノ後任としてアプリリアのテクニカルディレクターを務める。
(※アルベジアーノ氏はホンダへ移籍。)

★テスト後、ステラッキーニ氏が次のように話した。

【今回のテストについては?】
「ファーストコンタクトだったわけですが…なかなかポジティブでした。よく『始めが肝心』と言うが、選手らの感触がかなり良さそうでしたね。
もちろん、選手らのも含め、今回の結果はすべて別の機会で再検討する必要がありますけどね。別のトラックレイアウト、別のアスファルト等でね。バルセロナと言うのは、そうした点において少々特殊ですから。
とにかく、相応に満足はしているが、前に目を向けていかないと。」

【ポジティブ/ネガティブそれぞれの点について、説明してもらえる?】
「TV映像からも明らかな点がいくつかあり…例えば、コーナー立ち上がりでマシンが少し暴れてましたよね。
両選手もその点を指摘していたので、『安定性』に手を入れていく必要があるでしょう。
ポジティブ面については、マルティンがかなりの短時間でこれまで通りのバンク角を再現させたと言うことですね。つまり、アプリリア初乗りで好フィーリングを掴んだと言うことでしょ。」

【以前からバルセロナはアプリリア向きのトラックと言われているが…】
「今年のリザルトを見る限り、どちらかと言うと、『以前はアプリリア向きと言われていた』と言った方がいいのかもしれませんね。
2023年にアプリリア両選手が一緒に表彰台に上がっていた時とは(※1位エスパルガロ、2位ヴィニャーレス)、明らかに異なるので…。
どんな状況下においても、当然、良い点/悪い点はあるわけですが…今回のテストは重要な機会と捉えてます。エスパルガロのパフォーマンスが、良い参考になってくれましたからね。」

【新しいスタッフやエンジニアが必要?】
「その必要はまったくないでしょう。私がアプリリアに入った理由の1つは、人材クオリティと言う点において驚異的なポテンシャルを感じたからなんです。
(リクルートの必要は)まったくないでしょう。現在のメンバーで進めるべきですよ。」

【ドゥカティのレベルに迫るには、どの辺に手を入れる必要があるの?】
「ドゥカティは総合首位となり、しかも、首位から4位までを独占してますからね(※マルティン、バニャイア、兄マルケス、バスティアニーニ)。
当然、参考にすべきNo.1機なわけですが…現時点で(アプリリア機が)どれぐらい離されてるかは、なんとも言えませんね。
比較はもっと時間をかけて行うべきでしょ。そして、本格的に比較すべきであり…通常は不可能ですよね。
モータースポーツにおいて、手を入れるべき点と言うのは1つだけではないですから。非情なほど全てに手を入れる必要があるんです。
馬力を上げ、マシンを曲げやすくし、安定性も必要なわけで…ドゥカティは完璧を追求し、こうしたプロセスを何年もかけてこなしてきたのですから。
うちも彼らより速くなるために継続していかなければ…こちらは追う立場なんですから。」

【ドゥカティ選手2名が加入し、これまで一人は最新機に、もう一人は2023年機に乗っていたわけだが…】
「今も言った通り、両選手ともポジティブな感触を抱いてましたよ。皆さんも、あの2人のジェスチャー等が目に入ってたでしょ。『期待以上のマシンだった』と言うのは一目瞭然じゃないですか。
どんなプロジェクトでも、期待以上の点もあれば以下の点もあるもので…つまり、バランスと言うことですよ。
2人とも長所をいくつか挙げつつ、手を入れるべき点も指摘してました…2人とも、何年もドゥカティ機にしか乗ってないと言うのにね。
つまり、以前のメーカーにおいてはセッティングや改良の作業プロセスを経て、自分好みのマシンに仕上げていったのだし…我々は、まだ始めたばかりですからね。」

(参照サイト:『Moto.it』)
(Photo:Twitter

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