モトGP『ロッシ:ここはヘイデンの方が僕より上』
ヴァレンティーノ・ロッシとシルバーストーンはどうもウマが合わないようだ。
2010年、世界選手権が同サーキットで再開された年、ロッシ選手はムジェッロGPで負ったケガのため棄権となった。2011年はドゥカティ機を駆っての最悪レースとなり、本日の予選では10位…モトGP機の最後尾と言うわけだ。しかもそれだけではない…このシルバーストーンが今シーズン初の転倒の舞台にまでなったのだから。そして、そのコーナーの名前が『ヴァレ』と言うのも、これまたふざけた話ではないか。
「ここのコースは好きなんですけどねぇ。」と言うロッシ選手だが、緑豊かなコースでデスモセディチを上手く御しきれないでいるのだ。
「ここで強い走りをするのは一苦労でね。コーナーに辿り着いた時には膨らみ過ぎてて、ベストなラインに乗れないんですよ。問題は明白で…フロントののグリップが足りないんです。」
ただし一朝一夕で解決と言うわけにもいかず、ボックスがどれほど励めど事態は好転しない。
「アラゴンで試したセッティングを使っていて、フロントに荷重が最大限かかるようなセッティングなんですが、それだけじゃ不十分でね。僕が前の方に体重をかけて、かなりのもんなんですが、あまり好転しないんですよ。根本的な原因が他にあるんですよね。」
コーナー進入に苦労するせいでロッシ選手のパフォーマンスにも限界が出てくるわけだ。
「他の速い選手らが無理強いできてるなか、ブレーキを引いたままコーナーに入っていきながら…うちは苦労してるんですよ。」と、かいつまんで説明するロッシ選手。
グリッドの4列目スタートと言うのが有利でないことは確かだ。
「転倒のせいで時間をロスしてしまって、しかも、ツイてもいなかったんでね。最速タイムはハードタイヤで出したんだけど、まだソフトが2本残っていたのに雨が降り出したもんだから使えなかったんですよ。少なくとも0.5秒は削れたのに。」
しかし、あの転倒は身体面にもメンタル面にも、なんら影響はなかったと言う。
「エアーバッグが100%機能してくれてね。両肩が“アリガトウ”って言ってますよ。」とジョークを飛ばしつつ、
「記憶に残る転倒って言うのは、ケガした時のやつだけでね。」とも。
「ギリギリまでプッシュしてたわけじゃないし、ペース確認のために既に4周走ってもいたしね。あのポイントでは初めてってわけじゃない…午前中も危なかったわけだし、去年はウォームアップで転倒してるんですよ。」
まさにブレーキングポイントで、アスファルトがわずかに隆起しているのだと言う。
「まずフロントタイヤが圧縮して急激にそれが戻る…で、フロントが切れ込んでしまうんです。フロントのグリップが足りないことも影響してるはずですね。
ただ、マシン自体のせいではないでしょ。どちらかと言うと、アルミニウム製シャーシを使うようになってからかなり確実で分かり易くなってきてるんでね。すっ飛んで行ってしまう前に分かりますから。」
これまでの6戦でスリップはただ1度だけと言うのも、ロッシ選手の言葉を裏付けしているだろう。また、新フロントタイヤも原因ではないと言う。
「古い方が酷かったんでね。」と。
あとは腕まくりして頑張るだけで、
「明日の朝は何か違うことを試してみますよ…他のドゥカティ機のレベルに追いつくようゼロコンマ何秒かをどうにかするのにね。」
特にヘイデン選手との差を縮めなければ…転倒さえしていなければ、おそらくファーストローを狙えていたはずなのだから。
「ここは彼の操縦の方が僕より上ですね。コーナーにもっと速く進入していけてね…ただ、レースペースではそれほど離されていなんでね。」
あとは、いつもの雨乞いか…その点、イギリスの天候はなかなか友好的と言える。
「そうなったら良いレースができるでしょうね。」と、ロッシ選手も太鼓判を押す。
(日本語翻訳:La Chirico / 伊語記事:Gpone 2012年06月16日)
一難去って、また一難…
全くアップデイト(H.Yに近づく)していないDUCATIに涙
これではH遺跡に半歩前進???したくなる