マルク・マルケス『冷静に考えると、3回転倒して7位では割に合わない…』2023 ドイツGP

『マルケス：冷静に考えると、3回転倒して7位では割に合わない…』

★6月17日（土）、ドイツGPの土曜セッションでマルク・マルケス（ホンダファクトリー）が、予選7位、スプリント11位だった。

★予選1〜2の30分間で3回転倒した。

★スプリント終了後、マルケス選手が次のように話した。

【今日のスプリントは、あまりリスクを負わないことにしたの？】
「だから、11位だったんですよ。午前の予選ではプッシュしまくったけど…熱くなってる時は余計に頑張るものでしょ。ここは大好きなトラックなんだし。」

【その後は…】
「（予選後）自分のオフィスに戻り、冷静になった時に『3回転倒して7位なんて…リスクを負う価値はないな』って思えてきて。
それで、きちんと考えてみて…『レースをきちんと完走しよう』と思ったんです。明日は、また違う流れになるかもしれないし。」

【『リスクを負わないようにする』と言う姿勢を取るのは、今回が初めてではない…】
「そうですね。ムジェッロの後、『ちょっと歩みを遅らせよう』と言ってましたから。別にだらだらやるわけじゃなく、できないことは無理をしないって意味です。
ただ、ザクセンリンクは大好きなトラックなんで、『（無理をしないのは）オランダGPからにしよう』って考え直したんです。
でも、予選での様子からすると、今回からスローダウンした方が良いって思ったんですよ。でなければ、オランダGPに出られなくなってしまうでしょ。」

【ホンダ機の感触は？】
「昨日はリアのグリップで苦戦してたけど、今日のスプリントもそんな感じで…マシンが上手く曲がらないんですよ。ここでそうなってしまうと最悪なんですよね。
明日のウォームアップでは一歩後退させてみなければ…オレンジだって、いくら絞っても果汁が出ないなら絞るだけ無駄でしょ。」

【昨日のザルコ選手とのクラッシュについて、レースディレクションから何か言われた？】
「レースディレクションから選手全員に通達が来たんですが…ヴィニャーレスとうちの弟の間でも、似たようなことが起きてたらしいんですよね。
（※ヴィニャーレス選手が弟マルケス選手をぎりぎりで避けて、転倒した）
通達文には、『転倒が起きやすくなっているため、ピットレーンから出てきた選手が注意し、危険を回避しなければならない』と書かれてました。
確か、『今後、このような危険な状況を引き起こした選手は、処罰の対象となる』とも書かれていたはずです。」

【まだ土曜日だと言うのに、やけにバタバタしていて…】
「そうですね…今朝、目覚めた時は、『いつも通りの操縦でプッシュして、前に出ていこう』って気持ちだったんですけどねぇ。
ところが、路面が乾いてきたんで最大プッシュをしたら、予選で3回転倒してしまい…僕の自然な行動としては、ああ言う場合は『プッシュする、（転倒したら）ピットボックスへ戻る、セカンドマシンで再スタートする』ですからねぇ。
でも、オフィスで冷静に状況を考えてみたら、『これじゃあ、差し引きマイナスだな』って気持ちになって…。
苦労しまくって、3回転倒して…7位のために限界ギリギリのプッシュをするなんてねぇ。これじゃあ、割に合わないでしょ。」

【スプリントについては？】
「いつも通り、気持ちに迷いなしでスタートしたものの、第1ラップから既に危険な状況に遭遇し…その後、膨らんでしまい、感触もイマイチだったんです。
けっこうなリスクを負って頑張れば、8位ぐらいにはなれたかもしれません。でも、8位と11位なんて、それほど大きな違いはないでしょ。それでアクセルを閉じ、確実に完走することにしたんです。」

【100％以上の走りをしないなんて、人生初では…？】
「いいえ、2021〜2022年はほとんどそんな感じでしたよ。あの頃は、身体の方が100％じゃなかったんで。あの頃は、常に8〜12位ゴールだったじゃないですか。」

【しかし、2021年には3勝しているが…】
「そうですね…でも、今は無理なんですよ。」

【得意のザクセンリンクで、この状況は余計に辛い？】
「どこのトラックでも辛いです。確かにザクセンリンクでは、いつもよりエキサイトするから…期待が大きい時のショックって、余計に辛いものでしょ。
とにかく、今は作業を続けるのみですから。今回で7GP目でしょ…選手が音を上げたら、チームが保ちませんからね。
だから、先頭を切って前に進むのは僕だし、とにかく、頑張り続けるぞって思ってるのも僕ですから。」

【今日の3回転倒の中で、一番キツかったのは？】
「最後の…直線コース終盤での転倒ですね。昨日と一緒で…完全に昨日のと同じだったんで、けっこう奇妙だと思うんですよね。とは言え、テレメータからは何も分からないんですよ。
最初の2回はウェットだったし、区間最高を出してる時の転倒なんですよ。まぁ、雨の中でスリックを履けば、起こり得ることなんですよね。
でも、最後の転倒に関しては…『もう転倒したくない』って思ってたのに、してしまったんです。
やはり、そうなると信頼感は落ちてしまいますよね。ラインから外れての転倒ではなく、なんの前触れもなしに転倒してしまうとねぇ。
ジョアン・ミールなんてヘレスGPの時、14〜16位争いの最中に4回も転倒してたじゃないですか…。そう言うところなんですよね…チームと共に手を休めず、頑張っていかなければならないのは。」

（参照サイト：『Moto.it』）
（Photo：Twitter）

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