『ロッシ:2006年は、なぜヘイデンに負けてしまったのか?』
★9月初めにヴァレンティーノ・ロッシ(45才、二輪レース最高峰7回タイトル獲得)が、愛弟子アンドレア・ミーニョ(28才)のポッドキャスト『MIG babol』で約1時間のインタビューを受けた。
★9月11日に公開されたインタビュー後半は以下のとおり。なお、前半はこちらからどうぞ。
[ 第1章はこちら ]
【2006年はニッキー・ヘイデンとタイトル争いをしていたが、最終戦の1つ前のポルトガルでトニ・エリアスに敗れ…】
「0.005秒の差で2位になってしまって…あの辺りから、嫌な予感がしてたんだよね。
あの糞エリアス野郎…上手い選手なんだよねぇ…まぁ、モト2ではチャンピオンになってたけど、多分、モトGPでの優勝ってあれだけじゃないの(笑)。
2006年シーズンについては、山ほど後悔してるよ…今だから言えることだけど、2005年まで5年連続でタイトルを取ったもんだから、あの年は一瞬気が緩んでしまったんだよねぇ。
プラスアルファの力を出せそうな気はしてたんだけど、生理的にギラギラ感と言うか…スタミナが足りなかったんだ。
エリアスには、ヘレスの第1コーナーでも転倒させられてしまったし…その後のラグーナセカはエンジンが故障し、ル・マンでは終盤にバルブが壊れ…あの時なんか、もうちょっとで優勝だったのにねぇ。
あの時は、『チキショー、最終戦になったら、この失点のことを思い出してしまうんだろうなぁ〜』って思ったもんだよ。」
【結局、最終戦でニッキー・ヘイデンがタイトルを獲得し…】
「ニッキーは本当に良い奴だったよ…立派な人でね。
とにかく、ポルトガルではペドロサがニッキーを転倒させてたんで、ヴァレンシア最終戦はこっちのタイトル獲得がほぼ決まってたんだ…こっちの方が10ポイントぐらい上だったから。
ただ、ニッキーはアメリカのオーバルレース出身だから、左回りが得意で…ヴァレンシアでは最強だったんだよね。
まぁ、こっちだって脅威的な走りはしてたけどね。普段は予選最強ってタイプじゃなかったけど、その時はPPを獲得し…土曜日の段階では、チャンピオン確定って感じだったんだから。
おそらく、技術的な理由もあったんだろうけど…まぁ、今となっては口にするのも嫌だけどね。ポイントを取りそこねてしまったんだから。
とにかく、日曜午前のウォームアップではボロボロになってしまって…なんと11位だったんだよ。
レース本番では、恒例、スタートで失敗してしまい…ゆっくり走っていたにも関わらず、あちこちでフロントが切れ込みまくってねぇ。最後は第2コーナーで転倒してしまったんだ。
あの辺りで、明らかに場面が変わったって感じになったんだよね…それまでは無双状態で、全勝こそしなかったけど重要なレースはすべて優勝できてたんだから。
ところが、あの瞬間からキャリアの第2幕が始まったって感じで…まぁ、とにかく、あの瞬間はがっくりきたよ。
あの後、10日間ぐらい家に引きこもってしまったんだから…一歩も外に出ないで、1日中、ベッドでぐだぐだしてたんだよ。」
【人生で一番がっくりきた感じ…】
「とは言え、2006年と2015年じゃ、比べ物にならないけどね。2006年は僕がミスをしたわけで…自分がヘマをし、ニッキーが勝ったわけだから。
それだけの話なんだよ…それでお終い。スポーツってのはそう言うもんだから。でも、2015年は話が違う…この話をしだすと3日はかかるから、サクッとまとめるよ。
2013年の終わりに、僕はチーフメカニックを替えただろ…2000年から一緒にやってきたジェレミー・バージェスを辞めさせてね。
気持ち的にはキツかったけど…ただ、もうジェレミーには、何が何でも勝ちたいって気持ちがなかったんだよ。
それでシルヴァーノ・ガルブゼラと交代させて…2014年には、なかなかの結果を出せたんだよね(※総合2位)。
あのシーズンはマルケスがレース10連勝を記録し…こっちは終盤でロレンソから総合2位を奪取し、あのヴァレンシアでマルケス相手に戦ったんだからねぇ(※ヴァレンシアはロッシ元選手の得意トラックではない)。
あの時、『ちょっと待てよ…もしかして、来年は悪くないんじゃない!』って思ったんだよ。2015年にタイトル争いをするなら、最大の敵はマルケスとロレンソになるはずだからね。」
[ 第3章に続く ]
Lembrando a conquista do título de Nicky Hayden em 2006!
O título de Hayden veio após a queda de Valentino Rossi na corrida final em Valência, quebrando a hegemonia de títulos do Doutor desde 2001.pic.twitter.com/YQaXLGzy6U
— Central MotoGP 🏍️ (@centralmotogp) May 22, 2024
(参照サイト:『Mowmag.com』)
(Photo:Site)
この次の話は来年の為の、自分のファンを巻き込んでのいわゆる”心理戦”の一つという位置付けですかね…? あの時あいつはワザとやった的な….
ヘイデンはロッシが敵扱いできないほどに良い人だったために、気持ちが盛り上がらずに負けたと見てました。ある意味、敵対心がないとダメな人なのかもしれない?
さぁ、次はいよいよ面白いパートに来るかな。
ニッキーを悪く言う人は居なかったな・・ 皆ナイスガイという珍しいタイプだったのかもしれない。ロッシがチームメイトで一番良くなった奴かもね。