モトGP『ホンダ、市販モトGP機を思案中』
モトGPの今シーズン序盤で注目を集めているのは、現在よりも…つまり、ロレンソvsストーナーによるタイトル争いよりも、未来の方なのだ。その一方がライダー市場の行方であり、もう一方が今後モトGPクラスに関わって来るだろう新レギュレーションだ。目的は明らかで、要は『コストを減らして、見ごたえ増やそう』と言うことと、そして、参戦メーカーを増やせるかどうかだ。
1週間後のアッセン戦ではグランプリのコミッションらがまた集結し、おもな決定が下されることになるだろう…ただし、それまで暢気に待っていられない者もいるようだが。ホンダが決定に先んじて将来に向け動き出しているのだ。
アイデアとしては決して新しいものではないが、けっこう上手くいくかもしれない。『低価格モトGP機』を実現しようと言うものなのだが、つまり、『プライベートチーム』用にリーズナブルな価格で市販プロトタイプ機を製造しようと言うわけで…ワークス機用のパーツは使用されないものの、チームにもライダーにも競争力の高さを保証するような…言うなればCRTとモトGPの中間ぐらいで、スズキRG機(70〜80年代のライダー世代を育て上げたあのマシン)の概念に通ずるようなマシンなのだ。
ホンダHRCのマーケティング・ディレクター、リヴィオ・スッポが6月16日付『Corriere dello Sport』紙で次のように話している。
《確かに、その件については検討中です。市販プロトタイプ機の小規模製造と言うのが、このスポーツに降りかかった現在の危機を乗り越える策としては適切じゃないでしょうかね。ただ、既にある策だとは思いませんが。もちろん、現在、行なわれている策のことを指してるんでしょうけど…モトGP機vsCRT機と言う策…つまり、純正プロトタイプvs使い物にならない市販エンジン搭載マシンと言うね。パフォーマンスの差が大きすぎですよ。》
この手のマシンを創造していく苦労と言うのは、資金的に言っても世界最大メーカー向きなわけで、早々に2014年にはデビューさせられるかもしれない。これまでもホンダではCRT機に注意を払ってきており、現在もファウスト・グレジーニのチームがCBR1000ccエンジン&FTRシャーシのマシンで参戦中だ。つまり、本家が直接動かず、同カテゴリーがどんな風に発展していくかの実験台にしているのだ。
この『市販モトGP機』と言うのは一案のレベルは越えているものの、実現化に向けては次のステップを必要としている…それが、新レギュレーションなのだ。現在、各メーカーが必要としているのは安定したレギュレーション…わずかなシーズン毎に変更されないような確固としたものだ。あれほど議論が交わされた電子制御のワンメイク化は、おそらくかなりの確実で承認されるだろう…細部をどうするかに関してはまだまだ議論を要するが、まさに『スーパーCRT機』と言う方向に向かうだろう。エンジン最大回転数への規制はプロトタイプ機と市販機のパフォーマンス差を近づけるべく、有無を言わさぬ効果を持つだろうから。
あのスズキもまたテクニカル・レギュレーションの決定を待ちつつ、日本国内でマシン開発を進めている。また、ヨーロッパ勢も興味深く様子を窺っている。アプリリアはART印でもってモトGPに復帰しており、BMWもまた近い将来には参戦する可能性を否定してはいないのだ。
常のごとく、まずはホンダが駒を動かした。あとは、どれだけ多くがそれに追随するかだ。
(日本語翻訳:La Chirico / 伊語記事:Gpone 2012年06月21日)
現在、グレジーニのピッロ選手は、いつインタビューされても暗いんです…早く、なんとかしてあげて…
こんにちは
レブリミットのレギュレーションですか。もし採用になったらmotoGPのエンジンって凄いって思えなくなりますね。お金が掛からずもっといい方法ってないんですかね。キャブレターに戻すとか。
moto2、moto3はよくても、motoGPが技術を制限するようなことすると、一体何の為のトップカテゴリーなのか分からなくなります。moto1というクラスにしてCBR1000RRのワンメイクでいいんじゃないですか、いっそのこと。SBKのほうが見がいのあるレースですね。バイクファンは自分の乗っているバイクメーカーが精一杯の技術で頑張る姿を見たいわけですから。このままではmotoGPのファン離れは避けられない気がします。