世界中にお住まいのヴァレンティーノ・ロッシファンの皆様、お待たせいたしました。
ロッシが2010年のレースを前にして、モチベーション、引退、政治、F1転向、好きなTV番組…とすべてを語っております。
でも、このインタビュー記事、実は4月11日のカタール戦前にイタリア紙に掲載されたものなんですよ。
少々、遅れましたが、じっくり読んで、週末のヘレス戦を2倍楽しみましょう!
ロザイル『ボルト選手のように優秀、いまだに勝つのは普通になったから』
超一流選手と言うものは、ある特定の思考を身につけているものだ。
ヴァレンティーノ・ロッシで言えば、それはバイクにまたがり、なみいるライダー達をなぎ倒し1着でゴールすること。シンプルかつパーフェクトな思考であり、年を追うごとに強くなってきている。
世界選手権10制覇(500cc&モトGPでは8制覇)を目指す『il Dottore(イル・ドットーレ:教授)』ことロッシ選手。
冬期テストでは6日間中5日を制し、明日、砂漠で開催の2010年ロードレース世界選手権ナイターでは、最前列からスタートすると言うのも偶然ではないのだ。
ヴァレンティーノ選手、いつも通りの最高のテスト走行ですね?
「まぁ、そう言うところですね。2ヶ所のサーキットで走っただけなんで、まだまだやらなくちゃいけないことがあるんですけど、でも速かったですよ。冬期テストが6日間だけだったって言うのが、ホントに良かったです…。」
シモンチェッリ選手など、モトGPに新人が入ってきましたが…。
「あぁ、でも、彼らもついてないですよね。10年前なら良かったのに。」
31才にして、なお心身共に絶好調ですね。モチベーションを維持するのに一役買っている人でもいるんですか?
「単純なことですよ。ワクワクする気持ちやライバル達が強くなったってことです。今年はベン・スピーズ選手もいたりして、モトGPのレベルもキラ星のごとくって感じですよね。これだけで、もう充分ですよ。」
メンタル面はOK、それではフィジカル面は?
「確かに最近は、鍛錬する必要がでてきましたね。それに、より規則的な生活をすること。今じゃ僕が、一番に起きて一番に寝てますよ。年々、トレーニングも増やしていってます。ジムで鍛えるほかに、バイクに良く乗るようになりましたね。以前は2週間に1回ぐらいだったけど、今は1週間に2回。モトクロスやダートトラックをね。シモンチェッリやデ・ローザ、パジーニ、時々、ドヴィツィオーゾなんかも来ますよ。」
誰が勝つんですか?
「ドヴィツィオーゾが一番ですね。僕とパジーニ、シモンチェッリは同じぐらい。でも、何が良いって、アマチュアとして楽しめるのが良いですね。州大会とかね。トラックで朝出発して、チェーンにグリスを塗ったりしてね。良いですよ〜。」
そろそろ引退…って話題が盛り上がってますが、どうしてでしょう?
「さぁ、わかりませんね。そう言ってるのは記者の皆さんの方じゃないですか。多分、2006〜07年以降、僕が下降線をたどり始めたって思うようになった人もいるからじゃないかな。疲れてるって思われてましたから。でも、この2年間は下降線なんかじゃなくて、ただ括弧でくくられてただけですから。」
カピロッシ選手やビアッジ選手など、40才を目前にしても走れるってことを示してるライダーもいますね。
「ええ。サーキットを走り、勝ってる姿を目にすると、やる気が湧いてきますね。カピロッシ選手は37才で、今回のレースで300戦目でしょう。子供の頃、レースに出てるのを観に行ったものですが、それが、まだ走っている。僕だって、もう10年は走れるってことですよね…。」
まったく。ビアッジ選手がロッシ選手のお手本となるわけで…。
「(笑)そうですか?そんなこと考えてもいなかったな…。」
1996年にデビューして以来、好きなこと、そうでもないことを教えてください。
「飽き飽きしてるのは空港やホテル、スポンサーとのプロモーション活動、インタビュー、写真撮影…ですね。でも、サーキットやチームとの作業、勝利を目指すことには全然飽きてません。だから結局のところは、文句はありませんよ。それに幸運なことに、僕のステータスとしては、余り好きじゃないことは、いつもちょっとしかやらなくて良いようにしてますから。」
2007年にはイタリアで最も話題にされましたね。脱税者、裏切り者と言われて…。そして1ヶ月前にはローマで外務大臣から『良く表彰されたスポーツ選手』として表彰されていた。たいした変わりようですが…。
「笑っちゃいますよね。大体、僕は1番のおたずね者だったわけじゃないし、今だって目指すべき人間像なんかじゃない。僕はいつだって僕自身であって。僕なりに長所も短所もあるしね。まぁ、イタリアってこう言う国だから…。」
お好きですか?
「この国って、しょげかえったり、なんでも不調って言いたがる風潮が少しありますよね。でも僕はイタリアに居るのが好きだし、生活水準は良いと思いますよ。」
ロッシ選手が閣僚のもとへ赴くなんて、宣伝活動に利用される危険が多分にありますが。どなたの発案で?
「まったくもってね。マダーマ宮ではナポリターノ大統領のセレモニーがあったんですけど、正直な話、あまり興味なかったんですよ。これには政治的な意味が出てこないように配慮したし、上手くいったと思ってますが。」
カピロッシ選手の方は、ベルルスコーニ首相に傾倒していることを表明してますが。
「カピロッシ選手ぐらいの年齢で、家族もある、経験も積んだとなれば、政治についてもはっきりとした考えを持つようになると思います。」
しかしロッシ選手も、もう少年と言うわけではないのですから…。
「そうですが、カピロッシ選手みたいにはっきりとした考えは持ってないんですよ。政治について知ろうと思うし、理解しようともしています。ニュース番組も見るようになったんですよ。以前はベルルスコーニ首相が右派なのか左派なのかも知りませんでしたから。僕にとって右とか左って、ガソリンとクラッチぐらいの違いしかなかったんです。今はそうじゃないですけどね。…で、どこを支持してるかを公表するにしても、特にないんだとしても、デリケートな問題ですから。」
ニュース以外ではどんなTV番組をご覧になりますか?
「アニメですね。シンプソン・ファミリー、アメリカン・ダッドとか。それから『Chiambretti(イタリアの深夜トーク番組)』も。この番組からは出演依頼が来てるんですが、どうなるでしょうね。それから、もちろんスポーツ番組と映画も観ます。」
10回目の世界選手権制覇に向けて、ライバル達について聞かせてください。まずはロレンツォ選手。チーム内の敵ですね。
「同じチームで走るようになってもう3年目ですから、その手の話はもう消化されてますね。」
そうですが、仲が良いわけではありませんよね。しかも今年は、パドック内を壁で仕切る以外に、テレメータの互いのデータも見られなくするとか。
「あぁ、ロレンツォ選手が、僕のライバルNo.1だと言ってるんです。僕のテレメータのデータを、どうして見せなきゃいけないんで?」
それからストナー選手もいますね。
「すごい速いですよ。今、僕同様に一番調子が良いですね。ただ、ロレンツォ選手は手を骨折してしまって、回復の必要があるってだけの話ですが。」
ホンダの方は苦戦してますね。
「問題があるみたいですね。だけどドヴィツィオーゾ選手は調子良いし、ぺドローザ選手も明日は、きっとね。」
お友達のマルコ・シモンチェッリ選手は下位にいますが。
「本当にマルコは大変そうですけど、慌てず、がむしゃらにやらないで、競争力のあるバイクに乗れるようになるまで待つことですね。」
最近、カピロッシ選手が、ケーシー・ストナー選手は己の才能に頼り過ぎていて精進することを知らないと言っていましたが。どう思われますか?
「本当にね。ケーシーはものすごい才能と天性のスピード感があって、そして、それだけに頼ってますね。」
スポーツでは、それだけではダメですか?
「ダメだと思います。すべてが順調な時にBIGでいるのは簡単だけど、調子が悪くなってきた時、大変ですよ。そうなった時、良い解決法を見つけようとして人間性とか取り組み方が、決定的に形作られてゆくんです。精神的に過去の経験から学んでね。」
打ち合わせ作業などは、どれぐらい重要ですか?
「基本ですよ。僕はついてるタイプだとは思うんですが、そう言う作業は好きですね。丸一日でもパドックに居れますよ。とにかく、たとえそうじゃないとしたって、勝つために必要だってことは確かだし、まぁ、好んでやった方が良いでしょう。」
サッカー・ナショナルチームについてですが、カッサーノ選手とバロテッリ選手のことを支持されてますよね。両選手とも、ロッシ選手が仰るような理想的なスポーツ選手には逆行してますよね。
「一応言っておきますが、両選手とも知り合いではないです。そうですね、逆行してるように見えますね。僕に言えることは、一生懸命やらないための理由なんていくらでも並べられるものだし、今ではライダーの力量はそう重視されなくなったし、もう僕は散々勝ってきたし。ただ、ここでやってゆくなら、規則は守るべきですよね。試合に出るには、その集団の中にいなきゃならない。それが嫌なら、出てゆけばいいんであって。」
[後編に続く]
(日本語翻訳:La Chirico / 伊語記事:Corriere della Sera 2010年4月10日)
あの…これで、まだ半分ちょっとなんです。
そして実は、当ブログなんですが、生意気に祭日なんかも休むことにしておりまして…で、続きは30日(金)と言うことで。
ロッシファンの皆さま、今しばらく、お待ちくださいませ。
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こんばんは。昔々スズカサーキットで見たモヤシみたいな少年やったロッシももう31ですか…年過ぎるのは早いですね。あぁ恐ろしい。
こんばんは。昔々スズカサーキットで見たモヤシみたいな少年やったロッシももう31ですか…年過ぎるのは早いですね。あぁ恐ろしい。
お久しぶりです、トラン様。
そうですか〜『モヤシ』みたいだったんですねぇ。
実は、私はヤマハに移籍した辺りから熱心に見始めてるもんですから、そんな頃も見たかったなぁ。
イタリアの新聞でも、「もはや少年とは言えない顔に笑顔を浮かべ…」なんて書かれてますよ。
お久しぶりです、トラン様。
そうですか〜『モヤシ』みたいだったんですねぇ。
実は、私はヤマハに移籍した辺りから熱心に見始めてるもんですから、そんな頃も見たかったなぁ。
イタリアの新聞でも、「もはや少年とは言えない顔に笑顔を浮かべ…」なんて書かれてますよ。
早く続きがよみたいですぅ~☆
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今、頑張ってますよ〜。
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