モトGP『ロッシ、今は力を取り戻さないと』
次回のセパン・オフィシャルテストは楽観しているヴァレンティーノ・ロッシ選手
前回のオフィシャルテスト3日間では、多くの改良に成功し、
「すべてを差し引きしたら、文句なくプラスで終わりましたね。肩についても、マシンについても。あそこまで出来るとは思いませんでしたよ。」とまで言っているのだ。
まず、フィジカル面について教えてください。
「リミット最上限ってところです。タイム的にまだ遅れをとるようなら、特に、肩のせいですね。」
セパンでは随分と走り込まれてましたね。予想外だったのでは?
「1日20周が関の山かなぁ〜と思ってたんですが、常にそれ以上走ってましたね。肩の調子が一定して良かったんですよ。走れば走るほど、動きが良くなって。モトGP機の運転に耐えうるってことが分かったし、それに、また凄く良いラィディングポジションも見つかったんですよ。ハードブレーキングでも直線でもOKってのがね。」
ホッと一安心と言う感じがしますが。
「そうですね。後は力を取り戻せば良いだけって分かりましたから。肩が持ちこたえられるって分かった時、できるだけ何周も走り込まなければいけないって思ったんですよ。このマシンとのフィーリングを見つけ出さなければならないんでね。コントロール・システムとかセッティング方法、ライディング方法等を理解しなければならないわけですから。」
どう言う方向に動いているのですか?
「このマシンでの、コーナーの走り方を変えなければならないんです。フロントの件がいまだ最優先ですけどね。
セッティングとブレーキングポイントに関して、どっさり作業しなければなりませんね。
ハードブレーキングに関してはフィーリングは良いです。コーナーに差し込む時みたいにね。ブレーキを放した時が問題で、マシンがカーブ中央に寄って行ってしまうんです。ほんの一瞬、止まったようにならなければならない瞬間があってね。そうしないと、マシンが外側に膨らんで行ってしまうんで。」
どうするんですか?
「まずは、ライディングスタイルを変えないとね。つまり、ちょっと500ccみたいな感じにね。
とにかく、色々なカーブを試してみて、以前の丸くて緩いラインを忘れなくっちゃ。このマシンはヤマハのとは正反対ですから。すぐにマシンの姿勢を正して、アクセルを開き、あまり長いこと傾いていないようにね。別のラインで走らなければならないんですよ。」
技術面には、どのように手を入れられますか?
「サスペンションと重量配分を作業しながらですね。テスト1、2日目にあったチャタリングの問題はすぐに解決できたし、今は、アイデアも色々と出てきましたから。
ヤマハを模倣しなきゃって思ったら、もうスタート時点で負けでしたね。だって、構造面での哲学にしろマシン自体の特性にしろ全然別個のマシンの話ですから。僕達はドゥカティの長所を利用して、短所の方をできるだけ少なくしていかなければならない。まぁ、このマシンは日本製のようには出来てないんだからって思ってね。」
それでは、もっと『簡単に乗れる』マシンに変えることは可能だと?
「いえ。とにかく、それが目標なんですけど。コーナーでもっと良い動きができるようにしないとね。」
ロッシ選手もホンダには驚きましたか?
「凄いことをしようとしてるのは間違いないですね。凄いチームも一つあるわけだし。ただ、僕の狙いはあくまでもヤマハです。マシンに非常に多様性があって、良いものですしね。それに、ロレンソ選手にしろスピース選手にしろ、非常に速い選手だ。好タイムを軽々たたき出している。だから僕としては、今でもM1は最高のマシンのままです。」
ヤマハに移った2004年冬と、今回ではどんな違いがありますか?
「2004年の時は、フィジカル面では完璧な状態でしたね。今は、好調とは言えない。それに、肩が痛いとか、疲れやすいことを別にしても、筋肉が落ちてしまってるので元に戻さないと。そのせいで、一日こなすと左肩と背中が痛くなってたんです。穴を埋めるのに、随分と苦労してたんですよ。」
3日間、デスモセディチ機に乗って作業してみて、最終的にどんな考えをお持ちですか?
「トップグループとの差が1秒…ソフトタイアでも、レース用のを履いてみてもね。それが、現在の我々のレベルだってことですよ。ただ問題解決にはどの道を行けば良いかも分かっているし、現時点としては悪くはない地点に辿り着いていると思いますよ。肩の調子が完璧じゃないってことも考慮してね。実のところ、次回のテストについては楽観してるんですよ。」
(日本語翻訳:La Chirico / 伊語記事:MotoSprint 2011年02月15日)
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今日、2月16日がお誕生日のロッシ選手
だんだんと余裕が見えてきましたねぇ…
普通に考えて毎周1秒遅れるってのは絶望的なタイム差なんだけど、それでも前向きに考えてる姿勢は凄いと思う。 運次第ではチャンピオン争いに後半関われるかもしれないので、前半戦は4位狙いって事に成りそうですね。
machcatさん、ウソでも何でも、言ってるうちに本当になる…なんてことあるじゃないですか。脳がだまされて。
意外に、そう言う心理効果を利用してたりするんでしょうかねぇ。
自分のことを自分でポジティブに騙してゆく…みたいな。