モトGP『100パーセントの状態でカタール戦を迎えられるかどうか…』
バージェスさんのような方…つまり、テクノロジーに関しそれなりのレベルの喜びを保たれてきた方にとって、デスモドロミック・エンジンはどのように映られるですか?
「なにか特定の見方などはしないですよ。基本的にはヤマハと同じです。特定のラインに沿ったエンジンを使っていて、メーカーの方針・政策でね…最良か、そうでないかは問題ではなく…とてもとても良く機能してますからね。現段階では、レースでもスポーツとしても、そのコンセプトを変える必要なないですね。ドゥカティの90度Vエンジンとデスモドロミック…良い物ですよ。性能と言う観点では、変える必要はありません。もちろん、日本の皆さんは、あのタイヤシステムに大満足でしょけどね。例えば、デスモドロミックのオプションがF1で採用されたこともあるんです。エンジン設計技師ならば、デスモドロミック・エンジンに入れ込んでしまうかも…って思わないような人はいないでしょ。
基本的には、ドゥカティの本質を成していて、それは周知のことですよ。あの赤色と同様にね。」
ドゥカティでは、このエンジンに肩入れするにあたって、常に燃費関連の理由をポイントとしてきましたね。
「エンジンの専門家でなくとも、この800ccの体積効率と言うのは非常に複雑なものなんですよ。興味深いものでもありますけどね。こちらの方向へ進むエンジニアもいれば、あちらへ向かうのもいると言うわけですから。
ヤマハは並列4気筒で行くことにしましたね。2003年には並列4気筒では絶対勝てないと私に言ってきましたが。
はっきりしているのは、私達が勝ってきたのはエンジンのお陰でもなかったと言うこと。並列4気筒のパワーは変わりませんから。セッティングの何かによるところが大きかったのではないかと言うことですね。
オートバイのエンジンと言うのは幅の広い分野のもので、つまり、もっと流線的なセットを作ろうとするエンジニアチームがいるもんなんですよ。特に、フロント面に関してね。もし、あるエンジニアチームを雇って、空気力学的にもっと優れたコンディションのエンジンを作るように言ったなら、おそらく5人中4人はV型エンジンを選ぶでしょうね。バンク角が90度、70度、60度はさておいてね。
もし、何のためにエンジンが要るのかを言ったなら、全員が並列4気筒を選ぶでしょうね(笑)。
ヴァレンティーノからエンジンに関して、否定的なコメントが返ってきたことは一度もないんですよ。」
去年の終盤戦ではケーシー・ストーナー選手が上位で競り合ってましたが、成功するためのヒントになりますか?
「ええ、なりますね。カタール戦までに100%の状態に持って行けるかどうか分からないんですが。その後のレースもですけどね。ただ、開幕戦でそれなりのポイントを稼いでおくのは、優勝争いに加わるのに重要ですから。
ヴァレンティーノのようなライダー…つまり、シーズン中のある時点で4〜5レースは勝てるような選手と組んでいると、重要になりますね。もし、そう言う状況に…自信がつくまでシーズンの序盤戦を上手く利用するような状況になったらね。
当然のことながら、私達はできることをやってゆきますよ。応援され、ファンもいて、全てが揃ってますから。足りないのはフィジカル面だけですよ。今のところね。」
チームスタッフらは『期待』と言うことについて何か言ったりしてますか?2004年のアフリカ開幕戦で1位になった時のような。
「あのですね、私達は去年の最終戦で1位にならなかったんですよ。ですから、そう言う意味においては大してプレッシャーはないでしょう。
とにかく、そう言うことに時間をかけてはいませんね。むしろ、私達がカタールでどんなパフォーマンスができるかに興味があります。勝つために、そのパフォーマンスが充分なものかどうかにね。
個人的な感触としては、その際に、私達が80%の力しか出していない可能性があるんじゃないかと。去年の、体力が尽きていた終盤戦のようにね。肩の調子はね、今、やっと良い方向に向かっているんですがね。
それで、80%の力で走るヴァレンティーノと言うのが、非常に良い走りができると私は確信してるんですよ。」
ライディングスタイルでいけば、唯一、ストーナー選手だけが、このマシンを限界まで乗りこなせていましたが。この点からすると、上手く行くかどうかはロッシ選手がマシンに適合できるかどうかにかかっていると思いますか?ストーナー選手のスタイルを取り入れるつもりでしょうか?
「いいえ。むしろ、私達がヴァレンティーノ好みのライディングができるマシンを作れるかどうかにかかっていると思います。それが、私達のやっていることですから。
セパン・テストでは、かつてケーシーと共に生まれたマシンから始めて、結局、セッティングには大満足で終えたんです。
私達はかつて敷かれた道を辿りながら作業しているわけではありません。ここ何年かは、このタイヤとサスペンションで作業してきましたし、この辺りに関しては、ケーシーの好みであって、ヴァレンティーノのではないようですがね。
ヤマハで私達は大きな変更も成さなければなりませんでした。マシンの機能のためではなく、ヴァレンティーノがしっくり行くようポジションを変更しなければならなかったんです。90mコーナーとかね。コーナーで、ある種のスタイルでマシンをプッシュするのに特殊なブレーキング方法を好むんですよ。ある特殊なフォームで加速するようなね…。危険な賭けに出る必要なく、基本的に速いんです。
私達は、超高速で、安全性について信頼でき、危険は最小限と言うマシンを用意してあげなければならないのです。」
[ 完 ]
(日本語翻訳:La Chirico / 西語記事:Solo moto 2011年02月25日)
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バージェスさんのインタビューを訳す度に思うですが
この人、けっこう『タヌキ』だと思うんですよ。
のらりくらりと本題をかわしているような…
三味線ロッシも高く評価しているに違いない
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長文訳お疲れさまです。m(_ _)m
ケーシーとロッシは乗り方が全然違うんでしょうね。 まぁメランドリが全然走れてなかったのを見たら分かる気がします。
バージェスとしてはロッシの体調が戻ってくれないと本当のベストセッティングが見つけられないのだと思います。
machcatさん、労いの言葉、ありがとうございます〜!
実を言えば、個人的には英語をスペイン語に翻訳した記事を読むのが一番やっかいなんですよ。特にバージェスさんは、婉曲な話し方なんで…。
以前、ケーシーとヘイデンの乗り方が似てるって聞いたことがあるんですけど、でも、ヘイデンはロッシが来て、かなり喜んでる風ですよねぇ。
バルベラなんかは「ロッシの乗り方はノーマルで、自分と似てるから、ドゥカティに来てくれて嬉しい」って言ってましたが。
バージェスさん、顔色変えない婉曲な喋りだけど、ハラハラしてるんでしょうねぇ。