MotoGP

J.バージェス独占インタビュー【前編】:最初のテストは笑顔も浮かんでたんですが…

モトGP『100パーセントの状態でカタール戦を迎えられるかどうか…』




幾度となく繰り返される『おそらく』と言う単語ゆえに、彼らが立ち向かってきた挑戦が最難関を迎えているように思えるのか。
フロントからエンジンに至るまであまりにも異なるマシン…。
2月半ばに32才の誕生日を迎えたライダーが、20代半ばの若年選手らに挑んでいくこと…。
そのうえ、セパンでの第1回テストで明らかにされたように、フィジカル面での困難にも立ち向かわなければならない…。
チーフメカニック、オーストラリア人のジェレミー・バージェス氏が認めている点がこれなのだ。
絶好調となったヴァレンティーノ・ロッシがドゥカティ機を改良すべく、後押しできるようになるのを待ちながら。

ドゥカティ機のエンジンやその他のパーツを、初めてご覧になったのはいつですか?
なにか特別な印象がありましたか?それとも、ただ別のマシンに遭遇した…と言うような感じでしたか?

「このマシンを見たらね…フロントフォークはスイス製だしブレーキはイタリア製、車輪も同様で、これはヤマハでも有りだなぁとね(笑)。エンジンはヤマハのとは異なりますね。V4エンジンで、私が手がけてきたような並列4気筒ではない。ただ、ドゥカティ機について良く知られていること…一般的なシャーシと呼べるものではないと言う点を別にすれば、特に気にしなければならないようなことがあるとは思いませんが。
スタンダード要素が異なっているんですね。サスペンションやブレーキ、車輪など、それ以外の部分に関しては他と同じです。大きな問題にはならないでしょ。」

エンジニア、もしくはメカニックの視点からだと、ドゥカティ機とは異なる…アルミシャーシのマシンならば加工もしやすいわけですよね。最難関はそのあたりですか?
「まぁ、どうでしょうね。まだ、マシンについての作業は研究中なもんですから。もしフロント部分が完全にリア部分と別れていたら、もっと簡単だったでしょうね。違いますか(笑)?どうでしょうねぇ。まだ、最速タイムが出せるような段階じゃないもんですから。0.45〜0.5秒が大きな問題になってきたようですけどね。ただ、順番を言うなら、ヴァレンティーノの体調が一番ですけどね。それ故に、多くに手を付けられないわけですから。
セパンでの第1回テストではマシンとしっくりいったようでしたが。最後は笑顔まで浮かべてましたからね。休養期間に右肩の筋力回復のために良いリハビリができるかが重要でしょうね。肩の筋力回復に必要な、通常のプロセスを経てくれることを願ってます。」

イタリアのテクノロジーでもってガレージでの作業を進めるのはいかがですか?バージェスさんのチームは有能なことで知られていますが、組織的な作業について何か提案などされましたか?
「メカニックらがマシンの作業を始めた瞬間から、そう言ったことは全て終了しますよ。チーム全体において明らかなのは、専門化が上手くいけば最良の仕事ができると言うこと。もし時間内に、ライバル…もしくは同レベルのチームよりもマシンに改良を加えられたなら、もっと良い物にできる力が私達にはあります。そしてつまり、もっと楽に作業ができるようにもなりますね。
もし、後輪であれサスペンションであれ何であれ、修復し、改良しなければならない点が残っていたとしたら、明らかに他のチームにチャンスを与えてしまうことになるでしょう。私達が1時間で4ヶ所仕上げられるところ、5〜6ヶ所作業できるチャンスを与えてしまう。改善してゆくには、それが全てなんです…。」

つまり、それは…ガレージ内での作業工程を見て、“そことあそこを変えれば、もっと早くできるんだぞ”と言いたいのでは?
「そうですね。そして、もっと良い方法でできないかどうかを訊きますね。ひとつひとつの物事を、どんな風に見ているかと言うことです。なんとかしてでも手順を単純化させようと言うことになったら、作業効率を最大限にしますね。これまで所属してきた所では、大体いつも、そうしてきましたから。例えば、ある期間内にリア・サスペンションを変える回数が多いほど、様々なフォームを試してみる機会に恵まれんです。
テスト中、ライバルより1〜2周遅れをとったなら、より多くのチャンスを与えてしまいます。すべてのファクトリーでは大抵、作業時間を最重視しているものです。私達がより固執してる部分ではないでしょうかねぇ。特にメカニックはね。マシンに対し、直接的な作業を行っているスタッフだし、ひとつひとつ手間取るものだってことを知っていますから。オートバイのようにね、ひとつひとつのパーツを組立ててゆくような物なら、何の不思議もないですよ。マシンの組立て作業時間には少々時間がかかるもありますが、それを上手くスタンダード化してしまえば、作業時間を短縮できるでしょう。この点について上限はないです。新しいマシンで走るヴァレンティーノと共に、時間がこれほど重要だったことはなかったと言う意味で、私達が使う時間は最大限にしたいものですね。」

コミュニケーションに使われる言語としては、ロッシ選手はまずバージェス氏を第一に置き、それからイタリア語でエンジニアらに伝えると言う感じでしょう…。
「いや、いや、いや。皆、話してますが、ただ、言語が混線するってことはないですよ。そこに私が座っていて、どんな感触かってことを言ってくるので、自分の経験をもとにして、するべき作業を指示する。後は、ガレージの奥で作業が進められ、そこではヴァレンティーノはエンジニア達と話しをしていますよ。かつて、日本人スタッフらとやっていたのと同じですよ。それほど難しいことじゃない。ただ、ガレージ内で物事を最大限に活用するには、どんな方法が良いのか模索中ですがね。ひとつ、私が気づいたことと言えば、全スタッフがもの凄く沸き立っているってことです。これは他と比べて、今この瞬間、私達にとって有利な点になってるかもしれませんね。これは悪くはないですよ…。」

つまり、やらねばならない事があり、それをやる…もしくは、もっと高めていかねばならないことがあると言う意味でしょうか?
「今、この段階では、私達の作業システムは以前と同じです。フィリッポ(編集部注:プレツィオージ氏。ドゥカティ・コルセのゼネラルディレクター)の希望通りですね。現在、私達が作業を進めていることは、以前、すでにやってきたことです。つまり、タイヤやサスペンション、精密箇所についてね。電子制御やマシンのストラクチャー等、根本的にドゥカティが築きあげてきた性能箇所には触っていません。そう言う評価を…シャーシなんかの評価をするために、ヴァレンティーノと一緒にここにいるわけじゃありませんから。どのエリアであれ、彼が100%の状態にならない限りは頑張れないんですよ。その時が来たら、問題を…まぁ、あるにはあるんですが…もっと簡単に見つけ出すことができるでしょう。」

[ 後編に続く ]

(日本語翻訳:La Chirico / 西語記事:Solo moto 2011年02月25日



スペイン紙にしろイタリア紙にしろ
バージェスさんには「日本の方が良かった…」って
言わせたい気満々って思えるんです。

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