モトGP『ロッシ:常に全力を尽くします』
9位。チームメイトのニッキー・へイデンとのタイム差は0.066秒。しかし、トップとの差は27”576。
予選から見れば、ヴァレンティーノ・ロッシは良い一歩を前に進めたと言えるだろう。0.5秒は落とせたのだから。しかし、これで満足してはいけないことなど明白で、もちろん、ロッシ選手も満足などしていない。
ロッシ選手はこう分析している。
「ウォームアップでやったモディファイのおかげで、ちょっとは良くなりました。やっとマシンの手応えがちょっと感じられてきましたね。あの悲惨な予選から見たら、ちょっと速くはなったけど、やっぱり最終列からのスタートって言うのは厳しいものでね。
バウティスタ選手とヘイデン選手がくっついてるのがすぐに見えて、そこなら追いつけそうだったんですよ。ところが二人よりゼロコンマなにがし速く行ったはずなんだけど、ギア2〜3速の調子が悪くって、加速の際にかなり損してしまってね。マシンがウィリーしてしまってね。特に最終コーナーからの出口でひどくって。ストレートの後、ヘイデン選手に食いつこうとしたんだけど、その問題があったから上手く行かなくって。結局、バウティスタ選手にもやられてしまいましたよ。
ヘイデン選手と並走してた時、GP11機(編集部注:へイデン選手が使用)とGP11.1機(ロッシ選手が使用)の走りが似たようなもんだったんですよ。良い兆候ではないですよ。もっとコンペティティブだって思ってたんですから。これからラグーナセーカ戦でどうするか決めるつもりです。GP11.1機2台で続けるか、それとも、GP11機と1台ずつにするか。」
決勝レースに向け、どの点が改良されたのですか?
「重量バランスを動かしました。止まるのに苦労してたもんですから。リアの方を重くしたんです。残念ながら、このマシンのことは良く分かってなくて、適当なセッティングを見つけ出すまでに時間がかかるんですよ。土曜の夜は、ラグーナセーカでは絶対にGP11機に乗ろうって思ってたんですが、今はまた揺れてきてますね。」
とにかく今日は良く戦ったわけで。少なくとも、いまだ降参はしていないと言う意味でしょ。
「こう言うコンディションだと、現実な目標を掲げるべきですよね。オーバーテイクもしたし、そこそこ楽しみもしました。僕は常に全力を尽くすつもりだし、100%プロフェッショナルでいようと思ってます。」
タイトル争いはストーナー・ロレンソ両選手の間で繰り広げられてますが、どちらが勝つでしょうね?どちらを応援してるんですか?
「今日のレースは素晴らしかった…って聞きました。参加してなくて残念です。ロレンソ選手が凄いオーバーテイクをしたんでしょ。どちらが有利か、どちらの方が良いかお言うのは難しいですね。」
まぁまぁのセッティングになるのは常に最後の最後ですが、パターンは2つありますよね。何らかの理由により、ロッシ選手が予選で最大限プッシュしない場合と、作業方法を間違えてしまった場合。
「試してみなければならないものですから。ヘイデン選手の方が常に万全な状態で、僕らの方は混乱気味ですね。ただ、僕らの目標は6位になることではない。たとえ混乱を招いたとしても、試してみなければならないんです。僕はGP11機では好成績は出せなかった。ただ、もっとトップ陣寄りにはいましたけどね。だけど11.1機の方では苦労しすぎですね。混乱しても、プレッシャーを受けながら試していかなければ。」
昨年、骨折から復帰して4位になってましたが、今年はどんな風になると思っていましたか?
「2010年、まだ松葉杖で歩いていた時にマシンを走らせて1’22”出してるんですよ。今回はシーズン最悪リザルトで、かなり苦労しましたね。ただ、最終的な総合順位って言うのは他の選手の成績にもよりますから。例えば、アッセン戦では不調だったけど4位になってますから。」
常にストーナー選手と比較されますが。ストーナー選手と言えば、ドゥカティ時代はチームメイトとの差が非常に大きかったのに、なぜホンダだとそうでもないのでしょう?
「このマシンだとストーナー選手も抜きん出た力を見せていられたんですが、まさか…強い走りができたのはイカレてたからだとか、僕よりも危険を冒していたからだと言うわけじゃないでしょ。ただ、ストーナー選手は5年前からドゥカティ機に乗ってたわけだし、特に、2006年にチェッキネーロマネージャーのチームからホンダに乗ってデビューした時以外は、モトGPクラスではドゥカティで育っていった選手なわけだしね。ちょっと適応しやすい立場だったでしょ。ところが僕の方は、何年も全然違うタイプのマシンに乗り続けて、今、ここに辿り着いてるわけですから。」
この先、どんなことを変えていかなければならないと?
「これまで果たしてきた『良いレース』を繰り返すようにしなければね。戦っていかなければ。今日みたいな…第2陣との…ドヴィツィオーゾ選手やスピース選手、シモンチェッリ選手らとのグループで競り合っていくようにしなければね。僕はフロントをトラブっていて、そこを何とかするには何か決め手になる物が必要なんです。それが何かは考え出すのはドゥカティの仕事ですね。もちろん、完全に新しいマシンと言うのは手を入れるのが難しいものだし、ドゥカティ伝来のシャーシが適当なのかどうか僕にも分かりません。僕はライダーで、エンジニアじゃありませんから。」
ちなみに来週のラグーナセーカ戦では、どのマシンに乗る予定ですか?
「まだ未定です。GP11機とGP11.1機を1台ずつ持って行くのも有りだろうけど、それも賛否両論あって。本当にGP11.1機については、もう少し期待してたんですが。しつこいようですけど、あのシャーシでゆけば良いのか、それとも別の何かを採用すべきなのか僕には分からないんですよ。」
2004年にヤマハで成し遂げた大変革が、なぜ今はできないのですか?
「僕がマレーシアで初めてヤマハをテストした時は、シャーシは2〜3つ、エンジンは3基の中から選べたんですよ。それに特に、M1機と言うのはスピードは出ないけど良く曲がるマシンだったし、ドゥカティ機の方は馬力はあるんだけど、僕は乗りこなせないんですよ。」
(日本語翻訳:La Chirico / 伊語記事 Moto.it 2011年07月17日)
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あぁぁ、ロッシの弱音も
だんだん具体的になってきましたねぇ…
ロッシ選手、一日も早くトップ争いに参加できるようになりますように…
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