MotoGP

M.シモンチェッリ:早過ぎる死を悼むライダーたち

モトGP『セパンGP事故、シッチ死去』




マルコ・シモンチェッリ選手の悲惨な死が、オートバイレース業界を震撼している。
一番に心境を吐露したのは、ツィッターでホルヘ・ロレンソ選手だった。
《チクショー》
その後、次のようにコメントしている。
《言葉もない。ただただ寂しくなるだけだ。》
ケーシー・ストーナー選手は事故映像を見ながら、
「ヒドいものですね。ヘルメットが飛んで行くって言うのは悪い兆候なんですよ。」と。
その他、スピース、ヘイデン、メランドリ、ビアッジ選手らか弔いの言葉が届いている。

ロレンソ『チクショー』
ケガのためマレーシアGPには参戦せず、自宅療養していたロレンソ選手はマルコ・シモンチェッリ選手の訃報を知り、すぐにツイッターに《チクショー》と一言だけ書き込んだ。
その後、次のように書き足した。
《こう言う日には言葉もない。ただただ寂しくなるだけだ。マルコ、安らかに眠ってくれ》

ストーナー『ヘルメットがすっ飛んでゆくのは悪い兆候』
新チャンピオン、ケーシー・ストーナーはマルコ・シモンチェッリが犠牲となった事故について次のように語っている。
「事故の映像を見てすぐ、非常に嫌な感じがしました。ヘルメットがすっ飛んでゆくって言うのは、いつも悪い兆候なんです。」
また、ホンダ広報を通じて次のようなコメントを出している。
「マルコが亡くなり、ショックでがっくりきています。こう言うことが起きると命の大切さが身にしみ、とても悲しくなります。ご家族の皆さんの気持ちを思うと…。寄り添いたい気持ちで一杯です。この気持ちが届いてくれることうを願ってます。この悲しい出来事を乗り越えられるよう、ご家族がより添え合えればと願ってます。」

ペドロサ『お父さんの両肩を抱きしめました』
HRCのワークスライダーであるダニ・ペドロサ選手もまた、シモンチェッリ選手の家族のもとを弔っている。
「こう言う悲劇を前にして言葉もないです。ご家族の皆さんや、そばに寄り添っていた人達全員にお悔やみの言葉をかけたいです。お父さんに会ったんですが、両肩を抱きしめることしかできませんでした。今、この瞬間、それ以外のことは何もできませんから。悲惨な事故だったし、パドック全員がショックに陥ってます。僕らはよく、自分達のやってるスポーツがどれほど危険なものかってことを忘れているんですが、選手がこうして亡くなった時には、まったく何の意味もないですよね。もちろん、僕らは大好きなことをやってはいるんですが、今日ような状況では意味がないですよね。」

ドヴィツィオーゾ『シッチは不死身に見えてたのに』
「こう言う状況を前にして、気の利いた言葉なんてありませんよ。マルコのご家族や、身近な人達、特にご両親のことを思うと…。」
今シーズンのモトGPでシモンチェッリにとって重要なライバルの1人であったアンドレア・ドヴィツィオーゾ選手が、こうコメントしている。
「僕にも娘がいて、父親であるわけなんですが、今日起きたことと言うのは一番キツいことだと思います。転倒映像は見ましたが、気持ちがぐらぐらしました。レースでプッシュした時には、背後に悲劇が待っているんだと肝に銘じます。マルコが亡くなって本当にがっくりきてます。強いライダーで、いつだってプッシュしてきていた。子供の時から一緒にレースに出てたんです。いつだって限界ギリギリのところで走っていたし、転倒したって無傷でいる姿を何度も見てきました。もう不死身と言っていいぐらいだったんです。今日のような事故に出くわすなんて、呆然としてます。あり得ないと言っていいぐらいです。」

スピース『スーパー・シッチ、やすらかに眠れ』
ヤマハのベン・スピース選手がツィッターにて、深い弔いの思いをわずかな言葉で綴っている。
《スーパー・シッチ、やすらかに眠れ》

ヘイデン『立て直すのに苦労していたよう』
ドゥカティでロッシ選手とチームメイトであるニッキー・ヘイデン選手が次のように説明している。
「最悪な一日だった。転倒したところも見たし、マシンがイン側へ寄ってゆくのも見ました。そうしたら後続マシンらがやって来たんで、とても衝突は避けられませんでした。」
また、事故の流れははっきりとしたものだったと。
「リアタイヤのコントロールを失ってしまい、なんとかバランスを立て直そうとしてましたが、マシンがコース中央へと向かって行ってしまって。ミスをカバーしたかったんでしょうね。僕としては電子制御システムの問題ではないと思いますが。」
また、シモンチェッリ選手の家族に対しては、
「僕ら全員にとって、とても悲しい日となりました。胸が強く痛みます。競争相手だとは言っても、僕らはいつだって1つの家族でもあるわけですから。寂しくなります。才能あるライダーで、未来も大きく開けていたのだから。コースの上でも外でも素晴らしい青年でした。今はご家族とチームの皆さんのことを思うと…。強くならなければ。マルコが安からに眠れるよう祈ってます。」

ビアッジ『現実にあり得ないようなこと』
TV番組『Domenica Cinque』の電話インタビューで、マックス・ビアッジ選手が次のように語っている。
「この訃報に皆がうちひしがれてます。スポーツ界だけでなく…ね。こう言う時、適当な言葉なんかありませんよ。沈黙でいたいです。本当に彼のことばかり思い出してしまうんですが。」
かつてイモラサーキットで行なわれたスーパーバイク世界選手権で、シモンチェッリ選手はビアッジ選手と共にアプリリアチームから参戦したことがあるのだ。
「1回だけチームメイトになったことがあるんですが、今日は全てが嘘のように思えます。ご家族のことを思っています。この思いが届くように。マルコに本当によろしくって。」

メランドリ『シッチ、気をつけて旅立ってくれ』
スーパーバイクで来季BMWを駆るマルコ・メランドリ選手がツィッターにこう綴っている。
「マルコ、気をつけて旅立ってくれ。この辛い気持ちは言葉では表せないね。」

パジーニ『魂の一部がもぎ取られたみたいだ』
マルコ・シモンチェッリ選手の訃報を悼む声がソーシャルネットワークに次々と書き込まれているが、ファンやスタッフらのそうしたメッセージの中でマッティア・パジーニ選手のものが目を引く。現在、モト2ライダーであるパジーニ選手はミニモトから世界選手権まで、ライダー人生のほとんどをシモンチェッリ選手と共に歩んできているのだ。
「この瞬間を言い表すことなんかできない。僕の中の一部が君と共に行ってしまった。人生の一部、魂の一部が。僕らが果たしてきたたくさんの冒険、子供時代から繰り広げてきた戦い。あの夢を持った子供時代。あぁ、今日は一人で考えてしまうよ。それにまだ価値があるんだろうかって。」

アゴスティーニ『オートバイレース改革をストップさせようではないか』
今回の訃報を受け、元世界チャンピオンでイタリアの英雄、ジャコモ・アゴスティーニ氏が時宣を得たコメントを出している。
「こう言う時に発言するのは厳しいもので、まったく言葉もありません。危険だって分かっているスポーツを愛し、それで命を失った若者のことを思うと自分の殻に閉じこもってしまいそうになるものだね。転倒だって?スリップして転び、後ろから走って来た選手が避けられなかったんですよね。
シッチは気持ちのいい若者だった。冬になったら彼女を連れてベルガモまで遊びに来てくれるって約束してたんですよ。」
そして、アゴスティーニ氏はタイヤ問題について触れてきた。
「今こそタイヤが原因になっていると言うべき時でもありますね。ただ、忘れてならないのは、ある種のタイヤを求めているのはまさに我々ライダー自身だってことなんですが。レースをきちんと完走するためにね。昔はこうではなかった。タイヤが減ってきたら、マシンのコントロールが容易くなったものですよ。多分、あらゆる面の改革をストップさせる必要があるんじゃないでしょうかね。」

グアレスキ『信じがたい偶然が重なった』
ドゥカティのチームマネージャー、ヴィットリアーノ・グアレスキ氏のコメント。
「不幸な偶然が重なってしまった。シッチのマシンがグリップを失い、それを取り戻した際に正しいラインに乗れないままカーブを切ってしまった。そのためインからオーバーテイクを仕掛けてきた選手の前に出てしまったんですね。電子制御システムの問題ではなく、悲惨な偶然が重なってしまったんでしょう。」

ブリヴィオ諦めず
ヴァレンティーノ・ロッシ選手のスタッフであるダヴィデ・ブリヴィオ氏がツィッターでコメントを出している。
《こんな不公平な…しかし、一体どうやって…どうして?言葉もない。危険のあるスポーツではあるが、今回は偶然が重なってしまったのだ。》

富沢選手、そして加藤選手の事故
あの富沢祥也選手の訃報から(ミザノGPモト2クラスのレース中、わずか19才で早逝)13ヶ月後にマルコ・シモンチェッリ選手が亡くなった。オートバイレース界を震撼させた悲劇と言えば、あの加藤大治郎選手を死に追いやった事故(やはりグレジーニチーム所属。2003年4月19日、13日間昏睡後、27才で逝去)だ。鈴鹿サーキットでホンダ機を駆り、時速200km以上で走行中、シケインのバリアに衝突したのだ。



(日本語翻訳:La Chirico / 伊語記事:Sport MEDIASET 2011年10月23日





マルコ・シモンチェッリ選手のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

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