モトGP『エスペレータ:メーカーが何を言っても同じこと』
[ 前編はこちら ]
これはメーカーへの宣戦布告ですね。何と言ってくるでしょう?
「何を言ってきても同じこと。私は宣戦布告などはしていない。こういう風にきちんと説明されなければならない事だし、私だってメーカーが金に余裕があるとは思ってませんよ。責任の行使なんだ。人生のあらゆる局面で果すべきことなんじゃないでしょうか。ヴァカンスはどこに行こうかなんて考えてないで、皆がきちんと賄ってやってゆくにはどうすべきかを腰を据えて考えるべきなんじゃないかね。議論などはない。私は別に戦うつもりはありませんよ。」
CRTだと1台の値段は、いくらぐらいになるのでしょう?
「1年走らせるのに大体100万ユーロ(約1億円)ぐらいです。マシンはチームの物になると言うメリット付きでね。現在、ワークス機1台が300万ユーロ(約3億1千万円)で、最終的に返却しなければならないんです。その後、別のマシンを寄越しはするが、それほど良いものじゃない…300万ユーロ払った割りにはね。それじゃあペテンなわけで、それはなくなりましたよ。皆、頑張って頑張って、もうこれでお終いってところまで頑張ってね。来シーズンに向けての一連の約束事があって、それは果すつもりではいるんですが。ただ、それ以降は、現在、私の方から出してる予算全てはCRTを走らせるチームにつぎ込もうと思ってますが。皆にとって有益な話だろうし、今より面白いレースが見られるでしょう。メーカーのことは説得しますよ。無理なものの後押しはできませんからね。」
250ccクラスでのアプリリアの件でしょうか?金の卵を産む雌鳥を散々しぼり上げ、結局、モト2になってしまいましたね。
「まさにそれですよ。アスパーの方でドゥカティ2台体制を辞めたわけじゃない。だって、やりたがってるんですから。金の問題ですよ。だからこそ、CRT2台に喜ぶわけでね。来シーズンはワークス10台、CRTが9〜10台。CRTの方は今後、もっと増えてゆきますよ。」
もう参戦チームは決まっているのですか?
「大体ね。BQRから2台で、エンジンはカワサキかInmotec、シャーシはFTR。アスパーがスッターのシャーシで、エンジンはアプリリアかBMWを検討中。Sacchiは別にするようだし、フォワード・レーシングはエドワーズ選手を起用してスッター・BMWだね。それからPaul Birdも参加してくるでしょう。イギリスのチームなんだけど、イギリス人選手を使ってね。Laglisseも新たに入ってくるね。そして、グレジーニがホンダのを1台出すでしょう。」
来シーズン、CRTマシンはムービングシケイン(周回遅れなど、遅過ぎるマシン)になってしまうのでは?
「どういうレベルになるかは問題ではない。競り合えるようになってもらいたいんであって。モトGPワークス機のレベルじゃないことは明らかだが、現在のサテライトだってそのレベルではないわけだしね。」
現在のワークス機とサテライト機と同じぐらいの違いになるのか、それとも、差はもっと広がるのでしょうか?
「もう少し広がるかもしれませんが、ただ、その違いと言うのは400万ユーロと100万ユーロの違いと言うことだろうし(笑)。1秒の違いに300万ユーロ多く出す…1秒だろうが2秒だろうが私にしてみたら同じことですがね。」
クラスが2通りになると言うことでしょうか?
「CRTの中で一番のマシンは同様に表彰しますよ。」
なぜCRT(Claiming Rules Teams)と言う名前に?
「名前は変えるでしょうね。当初、そう呼んでたんだが。募集はしませんがね、変わるでしょう。この2年間、グリッドがそのマシンで一杯になるのを熱望してきたんだからね。」
CRTマシンの基本ラインを定義していただけますか?
「CRTと言うのはオートバイメーカー製造のマシンではなく、市販エンジンを使用してチームが造り上げたマシンのことです。市販エンジンブロック共々、マシンはチームが所有することとなり、各マシンに使用するシャーシは自由に選ぶことができる。また、燃料は21リットルではなく24リットル使用でき、エンジンも6基ではなく12基使用。これらのエンジンは、他のチームからの要望があれば2万ユーロ(約200万円)で売却せねばならないが、買いたがる者などいないでしょう。」
[ 後編に続く ]
(日本語翻訳:La Chirico / 西語記事:Solomoto 2011年12月05日)
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来年は表彰台が2つになるんでしょうかねぇ…