MotoGP

J.ロレンソ『CRT機があのままならライダーが気をつけて』インタビュー後編

モトGP『2011年はやり過ぎだった』

[ 前編はこちら ]

最近、時速350kmまで出るのは危険だと口が酸っぱくなるほど繰り返しているようですが、今でも同意見なのでしょうか?
「ええ。時速20km以上は全て同じだと世間では思ってるみたいですが、僕としては制限を設けるべきだと思います。マシンが改良され、パワーが高くなり、スピードが上がってきたから最速スピードもだんだん上がると言うのなら、あと何年かしたら時速370kmに達してしまうでしょう。
このスピードで…それか、時速320kmでだって転倒したら、もうどうしようもない。どこか安全性を越えてしまってますよ。時速300kmでの転倒は、それ以下でのとは変わらない。違いは大してないってことは分かってるんですけど、でも制限は設けなければ。スピードに関してだけでなく、マシンの重量についても大きいですよね。より惰性がつくわけで、マシンは上やら左右やらヘ吹っ飛んでいってしまう。毎回ブレーキをかけていかなければ、もっと危険になるでしょうね。」

いや、しかし、安全な面だってあるでしょう。
「タイヤはそうですね。本当に良くなりました。変わった点で良い面があるし、温度が上がるのも早くなった。ただ、スピード面に関しては僕は反対ですから。」

加齢と共に恐怖もつのってきますよね。
「いや、恐怖って言うよりは色々な事を意識するようになってきたってことで。経験も増えてきたら、マズいことがあったら気がつくじゃないですか。」

転倒と言うのは大きな傷跡として残ってしまうものでは?
「いいえ、ヤマハM1機で走ってる時は全く恐怖感はないですよ。“うわぁ、あのコーナーに入って、ちゃんと抜けられるかなぁ”なんて思いませんよ。単純にマシンにまたがって、ヒューと流れるように、ぐるぐると、できる限り速く走って。でも、もちろん安全面をもっと良くすることはできるんだし…僕らのためだけじゃなく、次の世代の選手達ができるだけ安全に競ってゆけるようにね。」

昨年は総合2位だったとは言え、ロレンソ選手にとってベスト・イヤーだったのではないかと言う者もいますが、ご自身でもかつてないほどに戦い、そして苦しんだと思われますか?
「転倒なしに1年を過ごすと言うのは非常に複雑なことなんですが、常に危険に身をさらして限界を超えようとしていたら、ほとんど不可能ですね。去年のようなレースができたことに関しては、転倒もわずか、ミスもわずかで胸を張れる気分です。だって、実際のところ、奇跡を起こそうと思ってやり過ぎてしまったレースがたくさんありましたから。」

例えば、フィリップアイランドとかですね。
「例えばね。そことシルバーストーンが、僕のミスでした…全面的にね。でも、奇跡を起こそうと思ったら持てる以上の力を出さなければならないし、だからこそミスなしで行くなんてのは不可能なんですよ。ストレスがあったわりに、ミスはあまりなかったですね。」

では、学ばれたわけだし、今年はもっと少ないのでは?
「そうだと良いんですが。ただ、ストーナー選手相手に走るのは複雑なんですよ。レベルがものスゴく高いですからね。ただ、僕は彼と同じレベルにいると思ってますから。全員、より互角になってきてるんで、もしヤマハ機が上手く走ってくれたら…いや〜2010年みたいなシーズンにできるんじゃないかなぁ。」

現段階では、どんな結果を宣言されますか?
「世界タイトルを取った者ならば、宣言するとしたら再び世界チャンピオンになるってことだけでしょ。ただ、状況やマシン、運不運にもよりますけどね。でも僕は、チャンピオンになるってことだけを宣言しておきます。」

CRT機がコースで走っているところはご覧になりましたよね。ご感想は?
「CRT機の改革がまさにこれから見られるわけで、良くなっても…そのままでも、多分、問題にはなるんじゃないですか。もし、あの状態なんだとしたら、ライダーの方で注意して規則を守るようにしてくれると良いんですけどね。」

最後に、例のスポーツ選手の人形パロディー[訳者注:下の方に簡単な説明があります]についてですが、面白いと思われますか?
「節度がある中でなら。ああ言うことは辞めるべきだと思います。早急に、徹底的にね。恥知らずも良いところだ。時々、世間では後先考えず…スポーツ選手のイメージを損なうかもしれないとは考えもしないでふざけた事をしますよね。スポーツファンの多くがあの番組を攻撃してくれると良いんですが。」

妬みと言うのは非常に悪いものですか?
「ええ。ただ、一概にくくってしまうべきではありませんが。フランス人の大半があんな風だとは思いません。僕らがチャンピオンなのは、懸命に励んだからであって。ただ、あの手の番組は世間の意見を左右しますからね。だからこそ許しちゃいけないし、二度と起きてはいけないことなんです。」

[ 完 ]


(日本語翻訳:La Chirico / 西語記事 Marca 2012年02月18日


最後の人形パロディーの質問…なにかと思いきや、
どうやらフランスの某TV番組で下の映像を流してたらしいんですが…
まぁ、スペイン人スポーツ選手が強いのは雄牛の血を飲んでるから…みたいな歌詞のようです。
おっと、忘れるところだった…全国のホルヘファンの皆様、ぜひアンケートに応募してM1ラジコン機をゲットしてくださいね!!



今年は四天王で競り合ってくれるとウレシいぞ!クリックPrego

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