モトGP『ロッシ:うちが遅いって?珍しくもない』
またもや地獄巡りのウイークエンド…なんと言い表して良いものやら言葉が見つからない。ダンテ『神曲』地獄篇の環がムジェッロの丘に姿を変え…何年か前は天国のようだった丘…その門の鍵はヴァレンティーノ・ロッシが持っていたのだ。
「こう言うパフォーマンスをするには、此処じゃいつもよりがっくりきますよ。」と、予選10位のロッシ選手が言う。
「うちが遅いってのは珍しいことじゃない…速かったって言うならともかく。」
何も上手くいかない…ソフトタイヤを…ショートランではとびっきりのゼロコンマ何秒かを授けてくれるあのタイヤを履いても駄目なのだ。
「ハードで出したタイムを上げることさえできなかった。チャタリングが酷くって…ただ、原因が分からないんですよ。」
別のドゥカティ機はソフトコンパウンドで上手く走ってるのだ。バルベラ選手は予選3位、ヘイデン選手も4位を獲得している。こらえながらロッシ選手は、
「データ分析をして、それから、どうするかですね。問題はそれだけと言うわけじゃない…ハードタイヤでもコース終盤では遅過ぎて…『Biondetti』から『Bucine』までだけで0.4秒失速してしまうんです。」と。なんとか説明しようと…冗談ごとにしてしまおうとする。
「エクトルとニッキーは引っ張ってくれそうな誰かに行き当たるのに、僕は絶対そう言うことがない。ロレンソ選手はどうかなって僕も試してみたんだけど、開通させてはもらえませんでしたね。」
追いかけられる方から追いかける方へ…ロッシ選手にとっては劇的は変化だ。
ただし変わらないこともある。相変わらずバルベラ選手があの手この手で神経を逆なでしてくるのだ。
「ニッキーの後ろに付いて…最後のソフトタイヤで走ってた時なんだけど、最終コーナー中盤でエクトルに出くわしたんですよ。ライン真ん中をゆっくり走行中でね。なにもポールポジションが取れたとは言わないけど、それでもゼロコンマ何秒かは削れたはずなんです。でも結局ね…エクトルがどうしたとかこうしたとか話すことと自体、時間の無駄なんですけどね。」
明日は決勝レースとなり、(だいたい)いつもロッシ選手がチーム内ではトップなわけだが、明日もその可能性はあると言う。
「1ラップだけよりも、走行ペースの方が良かったんで。本番前は常に着実な作業をしてるんでね。ただ、4列目スタートって言うのは、相変わらず問題ではあるけれど。」
ドゥカティが不可解な状態に陥っているわけだが、ロッシ選手はそれらの点をはっきりさせようとする。
「バルベラ選手が古いシャーシだからタイムを出せたとは思いません。ヘイデン選手だって並んでるわけだし、僕と同じのを使ってますから。」としながら、
「僕らはずいぶん前に、この車体に集中していこうって決めたんだし、問題は解決していかなければ。」
望んでいるのは改革であって、革命ではないのだ。
「新マシンで白紙から始めるか?
解決になるとは思えません。ゼロからスタートして、全てを一発で的中させるなんて難しいでしょ。」
もう一絞り必要なのだ。
ジャンニ・モランディ風ヘルメットに書かれた『restare uniti(一致団結のままで)』のように。
「僕と一緒に働いてくれているスタッフ、そしてファンの皆さんへのダイレクトメッセージです。」と強調するロッシ選手。
「苦境の際は重要ですから。」と。
(日本語翻訳:La Chirico / 伊語記事: Gpone 2012年07月14日)
と言うわけで、こちらがその『ジャンニ・モランディ風』の新ヘルメットです。
restare uniti(一致団結のままで)…クリックPrego