モトGPの安全責任者フランコ・ウンチーニが、最新の2輪レース安全対策の状況について答えていました。
『モトGP:FIMセーフティーオフィサー、フランコ・ウンチーニへインタビュー』
★フランコ・ウンチーニ(FIMセーフティーオフィサー/モトGPの安全責任者。右はロリス・カピロッシ)
1982年世界選手権500ccクラスのチャンピオン。1983年、アッセンサーキットで起きた悲惨な事故の犠牲者でもある([下記ビデオ]スリップ転倒した直後にコースから出ようといていたところ、後続のワイン・ガードナーのマシンにヘルメットを直撃され意識不明となる。その後、回復)。1993年からモトGPの安全責任者を務めている。
★フランコ・ウンチーニ・インタビュー
【先のWSSモスクワ戦レース中にアンドレア・アントネッリ選手が亡くなった件について…】
「多くを語る事は出来ません…私がその場に居合わせなかったのでね。サーキット内の各画像…HDのね…それは見れず、インターネットで映像を幾つか見つけられただけです。映像が2本あって…両方見ましたが、判断が正反対に分かれるようなものですね。つまり、同件ではコメントできるようなレベルにありません。」
【全体的な安全については?】
「全体的に、ほとんどのサーキットのスタンダードな安全性は非常に高いと思います。当然、やるべき事はまだ沢山ある。安全性と言うのは、詳細に分析したり向上させるのが難しい分野なんです。最高のレベルに達したと思っても、必ず他にやらねばならないステップがあるんですよ。幸い、細かい部分まで到達はしています。当然、予測できないファクターもありますが。
モスクワのアンドレア・アントネッリの事故は…マルコ・シモンチェッリやショーヤ・トミザワらの事故と同様に、抗う事など出来ないエネルギーについての話になります。38トンと言う数字が取り沙汰されているが…私が正確に挙げられる数字はクラッシュテストで使用されているものです。知っている人は少ないでしょうが、各サーキット内全てに様々なプロテクションがあり、何年も前から安全面の一部を担ってます…15種類はあるでしょうか…このプロテクションは全てホモロゲーション認定がされてます。つまり、ラボラトリー・テストが為されているのです。一般基準では重量80kgを時速100kmで放ちます。これは3.2トンのエネルギーを持つと言う事なんですよ! つまり、ツナギとヘルメットを装着した生身の体が100km/hの生み出すエネルギーが何が意味するかを想像してみて下さい。この力に抗うなんて出来ないんです。」
【首のプロテクションについて議論された事があったが、そのデータからすると不可能…】
「当然、時速100kmではなく時速15kmで移動しているなら、もっと出来る事はあるでしょう。興味深いデータを挙げましょう。静止しいる障害物に向って身体が時速60kmで放たれたなら、0.02秒の減速で確実に死に至るのか?これですよ…我々が何を相手に戦っているのかが、これで分かりますね。ライダー達が装備しているプロテクション…特にヘルメットは減速時間をを引き延ばしはするが、最良の解決法はエスケープゾーンを広げる事なんですよ。
この点については、ほぼ全サーキットを完璧にしましたが、改良が困難なのは…今、言ったように、ライダーがマシンに衝突し…前述のエネルギーが放たれるようなケースです。」
【ホルヘ・ロレンソとダニ・ペドロサが負傷した身でラグーナ・セカに参戦していたが…】
「彼らにはね、リザルトが物を言うんですよ。モトGPでは、体調が悪ければ5位や6位の結果は出せませんよ。当然、100%ではなかったが、モトGPでラグーナ・セカを走り、あのリザルトを持ち帰ったって事は、走れてたってことですよ。完全に走れる状態だったかどうかはコークスクリューを走れてたって事で充分わかるでしょう…健康な状態でも難所なんですからね。」
(Source:2013年07月25日 Motograndprix 記事より抜粋)
いつも楽しみにしています!
ウンチーニ氏が500ccのチャンピオンを取ったのは82年です。
85年はスペンサー氏のダブルチャンプの年です。(ヤマハファンとしては腹ワタ煮えくりかえりましたが・・・(笑))
ウンチーニは1982年のチャンピオン。
1985年は、スペンサー(2度目)で、250ccとのダブルタイトル。
上記アクシデントは、1983年で、確かガードナーの500cc初レースだった。
blueiderさん、にゃんこたぁ提督さん、イタたわGPをいつも拝見いただき、ありがとうございます。
皆様のご指摘の通り、記述が間違っていましたので訂正いたしました。
今後とも宜しくお願いいたします。