MotoGP

『ロッシのザルコ批判は間違っている』ランディ・マモラ

『マモラ:ザルコについてロッシは間違っている』

motogp-dutch-tt-2017-valentino-rossi-yamaha-factory-racing-and-zarco-monster-yamaha-tech-3.jpg


ランディ・マモラ氏(※1980年代に世界選手権で活躍したライダー。ジャックナイフ等、派手なパフォーマンスで人気を博した)がヨハン・ザルコ(ヤマハテック3)がアグレッシブ過ぎて批判されている件について、次のように綴った。

《ヨハン・ザルコのセンセーショナルなモトGP登場以来、そのアグレッシブすぎる走りが幾分批判されるようになった。そして、最も熱く批判しているのがヴァレンティーノ・ロッシなのだ。

ある意味、ザルコはツイていなかったと言える。最も限界ぎりぎりの操縦を放ってしまった相手が、9回タイトル獲得のチャンピオンライダーだったのだから。そして、2回ともロッシは敏感に反応した。

1回目はオースティン戦だった。第3コーナーで大胆に抜きに出たザルコに接触されたロッシは、第4コーナーをショートカットしてしまった。
その後、ロッシはザルコを咎め、「ここはモト2クラスじゃないんだから…」と警告した。

2回目はもっと最近…先月のアッセンで、ゴール後のロッシのライダースーツには接触による汚れがくっきりとついていた。この汚れはザルコのフロントタイヤの跡で、第3〜4の右折コーナーで並走してしまった時についたのだ。
この接触の後、ロッシはこう言った。
「ザルコはオーバーテイクの際、アグレッシブすぎると言うよりは他のマシンとの距離感が測れてないんですよ。」

他の選手も…例えば、マーヴェリック・ヴィニャーレスも同見解には賛成している。チームメイトであるロッシほど辛辣ではないが、ヴィニャーレスも、
「ザルコはレース序盤でリスクを負いすぎる」と言っているのだ。

正直なところ、私は両選手に賛同できない。ザルコには自由に、好きなように走らせるべきではないかと思うのだ。ザルコにはそうして然るべきなのだと。

ここに至るまで、ザルコは誰のこともリタイヤさせていないではないか。今シーズン、それをやってしまった選手もいると言うのに。ザルコはFPの間、それほどミスも犯していなければ、限界以上のプッシュもしていないのだ。

こう言う例は過去にもあっただろう。近々の例としては、おそらく、マルク・マルケスがそうだ。

マルケスが2013年にモトGPデビューした際、そのアグレッシブな走りに対し大勢が不満を口にし、「恐いもの知らずだ」とまで言っていた。そして、そう言った諸々を経て、ルーキー年にチャンピオンとなったのだ。

マルケスは常に限界ギリギリの走りをするものの、実際、決して限界を超えないと言うことを今や皆が認識している。この手のことを私情を挟まずに判断できるのは、唯一、コミッションだけなのだ。

ザルコが批判の的となるのは常に上位にいるからであり、ロッシや他の選手らはその状況に慣れねばならない。
表彰台ではなく、もし10位争いをしていたならば、当然のことながら、現在のように注目はされないのだから。

後方では色々と起きているものの、気づかれないことさえある。例えば、ダニーロ・ペトルッチなどが良い例だろう。昨年、ペトルッチは他の選手のレースをだいなしにすることで名を馳せていた。アラゴンではチームメイトのスコット・レディングにまでやったのだ。

今シーズン、ペトルッチはどんどん前に出てきているが、トップ選手らは彼が上位争いをする際にどんな対応をしてくるのか予測がつかないことだろう。

ザルコに関して言うならば、トップ選手らは慣れるべきなのだ。ザルコはモト2タイトルを2回獲得した選手なのだから、たとえマシンが大きく変わろうとも己がしていることは自覚できている。

つまり、ザルコがモトGP機に慣れる方が、ライバル陣がザルコに慣れるよりも迅速かつ自然だったと言うことだ。こんなに早々に素晴らしいパフォーマンスを見せてくるとは思ってもいなかったライバル陣よりもね。》

(2017年07月11日『Motorsport.com』記事参照)


『note』最新号のモトGP枕話、無料で閲覧できます!
今回は、来季のモトGPシートについての現況まとめ!!

ザクセンリンクでテック3のフォルガー選手がヤマハ勢トップとなり、またまた「2016年版マシンの方が強いのでは?」と話題になっていました。
もちろん、ロッシ選手はしっかり反論しております。
詳しくはこちらでどうぞ。

【2017 ザクセンリンクGPまとめ ヤマハ&ドゥカティ】[2017年07月11日 発行 Vol. 149

●ヤマハ:ヴィニャーレスはレースで笑い、ロッシはフレーム開発で笑う?
・ヴィニャーレス「ロッシを抜いた時は愉快だった」
・ヴィニャーレス「アッセンの転倒で学んだ」
・ヴィニャーレスは結局、新フレームを使っているのか?
・ヴィニャーレス、電制システムも問題
・ヴィニャーレス「タイトル争いは厄介な状況…」
・ロッシ、困難に平然と立ち向かう
・ロッシ「新フレームがなかったらワーテルローの戦いだった」
・ロッシ「会計士モードで走ってたわけじゃない」
・2016年版マシン優勢、ロッシ「でも、戦闘力は僕らのほうが上…」

Vol.149』だけ読みたい人は、『note』で100円(外税)購読がオススメ。プリペイドカードも利用可能。

7月分ぜんぶを、オトクな料金で読みたい人は『まぐまぐ』が300円(外税)!

7月分ぜんぶ無料で読みたい人は『まぐまぐ』を登録して…内緒でこっそり7月31日までに解約しちゃって。

[amazonjs asin=”B0015XN26K” locale=”JP” title=”滝沢更科 十割そば 200g×3個”]

なかなかヨーロッパの人達からは出てこない類の意見ですよねぇ…
[threecol_one]いいね!Prego[/threecol_one][threecol_two_last]

[/threecol_two_last]

POSTED COMMENT

  1. 修羅朱種酒 より:

    さすが大御所は言うことが違う

  2. TKM より:

    キリコさんに質問です!
    ヴァレンティーノのザルコ批判って「んも~危ないな~」くらいの話だと思ってメルマガを読ませていただいていたのですが
    結構痛烈批判なニュアンスだったんでしょうか?

    • La Chirico より:

      冗談めかして、目は笑ってないって感じでした。
      特に、2回目の「ライダースーツの汚れが落ちなかったら、ザルコに請求書を回す」って言った時なんかは。

      • TKM より:

        ご教授ありがとうございます。
        決して笑い話では無かったんですね。
        ヴァレンティーノが絶対に退かないスタイルだったからいいものの
        もしこれで不利益が生じていたらと思うとゾッとしますね・・・。

  3. 半世紀 より:

    圧倒的なタイヤの進化やアウト側の視界があるハングオフでブレーキング、パーシャル、リヤステア、パワースライドが主流だった彼らの時代とアウトの視界が皆無のリーンインでフロントタイヤによる進入時点からの旋回からすぐパワースライドに移行する現在のコーナーリングスピードを同じ次元で語っているように感じます。
    昔はパワーバンドをキープしながらひたすらインを奪いあって2サイクル固有の爆発的な加速力を操ることがライダーの技術でした。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

 

ITATWAGP | イタたわGP