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2025年選手契約交渉:イタリア衛星放送『SKY』最新考察

『2025年選手契約交渉:イタリア衛星放送『SKY』最新考察』

★2025年のモトGPシーズンに向け、既にフランチェスコ・バニャイア(ドゥカティファクトリー)やファビオ・クアルタラロー(ヤマハファクトリー)が契約更改を済ませているが、その他の選手については6月初めのイタリアGPで何かしらの動きがあるだろう言われている。

★5月初め、イタリア衛星放送『Sky』のベテランレポーター、サンドロ・ドナート・グロッソ氏が今後の予想を次のように書いた。

・アプリリアファクトリー/アプリリアTRACKHOUSE

現在はアレイシ・エスパルガロ(34才)の決定を待っている状況で、契約更改するか、引退してテストライダーとなり、年間4〜5回のワイルドカード参戦をするかがイタリアGP中に公表される予定だ。
マッシモ・リヴォラ氏(アプリリアレーシングCEO)としては、同選手の功績に感謝しつつ、本人が決定するのを待つ姿勢である。
ただし、その一方で、当然のことながら、バスティアニーニ/ベッツェッキ/マルティン選手らとの交渉も進めている。

マルティン選手に関しては、ドゥカティファクトリー昇格が叶わなかった場合は他メーカーへの移籍を表明しているので、アプリリアファクトリーのオファーは魅力的だろう。
ドゥカティ側もイタリアGP中に何かしらの発表をする予定なので、タイミング的にも合う(※多分、偶然ではないだろう)。
ちなみに、マルティン選手のマネージャーであるアルベルト・ヴァレーラ氏は兄エスパルガロ/アコスタ選手などを担当しているやり手だが、バスティアニーニ選手にも超ベテランマネージャーことカルロ・ペルナット氏が付いているので、交渉において引けは取らない。

リヴォラCEOとしては、タイトル獲得も夢ではない最強スペイン人選手を取るか、高速イタリア人選手のどちらかを選ぶか…大いに悩むところだろう。

『TRACKHOUSE』チームについては、現在、ジョー・ロバーツ(26才、アメリカ出身)がモト2クラスで総合首位に立っているので、アメリカチームである『TRACKHOUSE』にとっては喉から手が出るほど欲しい選手だろう。
なお、チームマネージャーであるダヴィデ・ブリヴィオ氏はロバーツ昇格の可能性を検証しつつ、アレックス・リンス&ジョアン・ミール獲得の可能性も調査している(※ミール選手の方も、現在、移籍先を模索している)。
ブリヴィオマネージャーはスズキ時代にリンス&ミール選手の指揮を取ったことがあり、両選手のマシン開発に対する作業姿勢なども熟知している。
いずれにせよ、『TRACKHOUSE』チームとしては、アプリリア側の動向を待つこととなる。

・KTMファクトリー/GASGASテック3

KTMはペドロ・アコスタを『GASGASテック3』からファクトリーチームへ昇格させ、ブラッド・ビンダーと組ませる意向だが、まず、その前にジャック・ミラーの動向を伺っている模様…『GASGASテック3』へ降格するのか、もしくはホンダファクトリーへ移籍するのか。
アウグスト・フェルナンデスはモト2クラスへ降格する可能性が大きい。

なお、エネア・バスティアニーニがドゥカティファクトリー継続もアプリリアファクトリー移籍も叶わなかった場合は、『GASGASテック3』へ加入する可能性もあるだろう。
また、契約交渉における『Red Bull』の権力を思えば、アコスタ&マルク・マルケスのドリームチーム誕生か!と言う声も上がってはいるが、今のところ、具体的な動きはない。
ただし、ステファン・ピエラ氏(KTMのCEO)の独断で話が決まる可能性もあるだろう。

・ホンダファクトリー/ホンダLCR

マリーニ&ザルコ両選手は、ホンダ復活を目指して腰を据えている。
ジョアン・ミールは離脱の意向だが、現在の苦戦ぶりとマシン開発の困難さから後任を希望する選手は多くない。そうなると、ミラー選手は良い選択肢の1人だろう。

ホンダLCRチームの方は、タカアキ・ナカガミがスポンサー(出光)のおかげで長年シートを固持してきたが、そろそろ物事の流れが変わりそうな気配を感じる。
ただ、アイ・オグラ(現在、モト2で総合5位)にとって、今がモトGP昇格にふさわしいタイミングなのか…?

・ヤマハファクトリー

優先順位の第1位は、とにかく、プライベートチーム確保の方である。
なお、『プラマック』チーム(現在、ドゥカティのプライベーター)との契約が実現したならば、ヤマハは3選手を確保しなければならない(※ファクトリー選手1名も含む)。
その場合、アレックス・リンス継続か、アンドレア・イアンノーネに走行テストをさせてみると言う可能性もある(※パドック内の噂に過ぎないが、真剣に考えている者もいる)。

とにかく、『プラマック』チームを取り逃してしまった場合においても、リンス選手を継続させるか、他のトップ選手を確保するかを検討しなければならない。
また、リン・ジャーヴィス氏(マネージングディレクター)が今年末に退任するため、後任者は早々に『グレジーニ』チーム(2025年末までドゥカティとプライベーター契約済)との契約交渉を始めなければならないだろう。

・ドゥカティファクトリー/プラマック/グレジーニ/VR46

ジジ・ダッリーニャ氏(ゼネラルディレクター)が、2025年以降のファクトリー選手選びについて「考えただけでも足が震える」と言っていたが…
とにかく、候補に挙がっている3選手(バスティアニーニ/マルティン/マルケス)のいずれかが、ドゥカティを離脱することとなる。
3選手はすべて優秀なライダーなので、残念な気持ちはよく分かる。5月末のバルセロナGP中、幹部陣による重大会議が開かれるだろう。

マルク・マルケスがファクトリー選手に選ばれた場合、フランチェスコ・バニャイアと共に『夢のチャンピオンライダーコンビ』となる。
ただし、メインスポンサーがドゥカティは『Monster』で、マルケス選手は『Red Bull』なため、そこが障害になる可能性はある。

現在のポテンシャルからすると、ホルヘ・マルティンが選ばれるのが妥当だろう。
だが、その場合、エネア・バスティアニーニが離脱する可能性が高い。今シーズンは好調なため、失うには惜しい選手である。
また、マルク・マルケス離脱の可能性も高いだろう。

予算が許すのであれば、マルケス選手を『プラマック』チームに移し、最新ファクトリー機を提供すると言う可能性もある。なお、その場合のチームメイトはフェルミン・アルデゲルとなる。
なお、『プラマック』チームはドゥカティと2年の契約更改オプションを有しているが、その一方で、ヤマハへの移籍も検討しているため、同オプションの確定日である7月末日まで決定を引き伸ばす意向である。
ちなみに、ヤマハはかなりの魅力的な内容のオファーを出している。
また、『プラマック』とドゥカティは長期に渡ってコラボ関係を続けてきたが、おそらく、2027年より各メーカーが有するプライベーターは2チームまでと規制されるはずなので、今後、ドゥカティは『VR46』チームとの絆を深めていこうとするだろう。

『プラマック』チームがヤマハへ移籍した場合、アルデゲル選手は『VR46』チームに配属されるため、ベッツェッキ&ディ・ジャンナントニオ選手のどちらか一方が放出されることとなる。

『グレジーニ』チームはアレックス・マルケス継続の意向なので、もう1選手についてはドゥカティ側の動向を待つこととなる。

(参照サイト:『Sky』)
(Photo:Instagram

POSTED COMMENT

  1. fuji より:

    モルビデリが話題にも上がらない

  2. たかあき(本名) より:

    LCRホンダは、ホンダ機に慣れてる中上選手を2025年ももう一年契約して、ホンダが何とかしてあと一年半で戦えるマシンに仕上がってから小椋選手をステップアップさせた方が良いのでは?
    現状見てると、素人目で見ても今年一年でホンダ機が何とかなると思ないので・・
    せっかくの小椋選手の才能を無駄にしない為にも・・

  3. nanasi より:

    話題が盛り沢山で目が回りそう!

  4. maxtu より:

    2027年より各メーカーが有するプライベーターは2チームまで

    KTM「はぁぁ?」
    1チームじゃないところに闇を感じるわ…DUCATI優遇なのにねぇ
    YAMAHAはプラマックにフラれた場合は26年以降でグレジーニ?
    もはやチキンレースの模様

    全てはマルケス次第で他が決まる感じ
    マルケスがDUCATIに残ればバスティアは他メーカー、まぁレッドブルの関係で赤服はないからマルティンが昇格

    あとは簡単に言えばアルデゲル、ジョーの昇格で、2人はシートを失う
    候補はアレイシ、フランキー、Wフェルナンデスのうち2人が必然的に残るのは去年のディッジャをみれば明らか

  5. ごん より:

    管理人様 いつも最新情報ありがとうございます。

  6. テック21 より:

    小椋選手は、ホンダでもヤマハでもなく、何とか欧州メーカーのプライベートチームに滑り込めないかな。 オファーが来れば最終的な選択権は本人にあるはずなので、何とか今少し活躍してほしい。

  7. NSR50 より:

    小椋君は今もホンダがサポートしてるからなぁ。それにしても今のホンダの状態で昇格しても才能潰すだけだし悩むところだね。
    Moto2でチャンプ取りたいんだろうけど、今年はちょっと無理っぽいからLCRは来年も中上君でいいのでは。
    他にもMoto2に新人が豊富だし、来年のシート争いは混沌としてるね。

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