『ヤマハ:ドゥカティから移籍したエンジニアが現状を説明』
★5月10〜12日、フランスGP(ル・マン)が行われている。
★マッシモ・バルトリーニ氏は、長年、ドゥカティで働き、『ジジ・ダッリーニャの右腕』として高く評価されていたが、2023年末にヤマハに移籍し、テクニカルディレクターに就任した。
★10日(金)、バルトリーニ氏がイタリア衛星放送『SKY』のインタビューで、次のように話した。
【ヤマハに移籍して、どんな感じ?】
「大変満足してます…まぁ、ドゥカティに20年いたので、慣れるのにちょっと時間はかかるでしょう。でも、皆さんから歓迎してもらってるんでね。
当然、雰囲気は違いますよ…日本企業で働くのは初めてですから。
まぁ、良い感じですけどね…作業が山積みなのも、時間がかかることも覚悟してるし、やるべきことは既に見えてますから。
改善すべきエリアは特定済みなんで…とは言え、0.7〜0.8秒のギャップを埋めるには時間もかかるし、全エリアが少しづつ影響してくるでしょうね。
現在、作業を進め、マテリアルを製作している最中です。
ヨーロッパ企業で培った私の経験と日本の皆さんの経験をまとめ上げ、それなりの期間内にギャップを埋めたいと思ってます。」
【ヤマハは遅れを取ってしまったの?】
「遅れを取ったと言うよりは、ヨーロッパ勢が進化させた分野の影響の大きさを過小評価していたと言った感じですね。
既に、その点は理解されており、現在、ギャップを埋めるべく投資が行われています。
当然のことながら、1年以上の遅れがあるならば、(追いつくには)時間が必要でしょうけどね。」
【エアロダイナミクスは、それほどに重要なものなの?】
「マシンにプラスアルファの力を付加し、限界を引き上げてくれますからね。
現在のモトGP機は限界ギリギリの状態なため、効率的なエアロダイナミクスを搭載すれば、ゼロコンマ何秒かの差を付けることができるんです…正確に何秒かは数値化できませんけどね。
同様の負荷なり、エアロダイナミクス的な効果なりを上手くかけることができなければ、エアロダイナミクスが生み出すギャップを他のエリアでカバーするのは難しいんですよ。」
【2027年から新レギュレーションが施行されるため、現在と未来に向けて作業しなければならない…】
「2027年のことも見据えて、開発予算を組んでいくことになりますね。
いずれにせよ、新レギュレーションは変化があるとは言え、現状と大差ないわけだし。下降デバイスのように禁止される物については、妥当な投資をしていくこととなるでしょう。
一方、エアロダイナミクスやエンジン、フレームに関しては、きちんと理解して投資することが重要でしょう…2027年にも引き継いでいけるような物にね。」
【現在、ヤマハはプライベートチーム確保に奔走しているが…】
「過酷な選手権ですからね…コンセッション(優遇措置)が使えるとは言え、選手らを何周回も走らせるわけにはいかないのだから。
生身の人間なのだから休養させないとね。しかも、テスト自体、容易に開催できるものではないし。
プライベートチームの有無は重要ですよ…多くのライダーで多くの物を試していくことができるのだから。改善に向け、比較検証もできますからね。」
【ヤマハ機について、今はどんな作業をしているの?】
「どのように機能しているかを把握し、長所を活かせるようにしてるところです…はた目には分からなくても、いくつか長所はあるんですよ。
どんな作業をすべきか模索してます…エンジン構造がドゥカティとは異なるため、マシンは根本的に別物なんですよ。
ドゥカティで使用されているコンセプトの多くは適用が難しいんですが、いくつか汎用できそうな物もあります。」
(参照サイト:『Corse di moto』)
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これは大変面白い記事ですね。裏方さんの話が大好物なので。
物事を分析して明確に伝えられる人ですね
なるほど、ジジの右腕と言われるのも納得
欧州勢の進化を過小評価してた日本勢とは正にその通りかも
アプローチの方法で差が付いた事を認めないと開くばかりで、HONDAの問題点はまさにここでしょう
コンセッションもテストの負担面も考慮しないとデメリットになり得る事案
バイクに限らず、何十年経っても日本は空力分野が弱い。少し昔まではエンジン!エンジン!と気にしていて、もうそんなに変わり様が無いくらい開発されて、行き詰まったところでデバイスや空力で差をつけられたって感じかな。
ドカもフェラーリやランボが生まれたイタリアだしね。ここらで早めに新しい技術の吸収しないとですね。
2年前に撤退した日本のメーカーは、車体で走らせ、ディバイスはあくまでも補正するパーツとみなした車体作りをし、有終の美を飾ってGPから去りました。ヤマハの良さはフレームの素性を活かしたコーナーリングのアベレージに有り、ホンダの良さはフレームの剛性を活かしたブレーキングと後輪ステア?でしょうか?(昔は無敵のトップスピードw)昨年のチャンピョンマシンもバニャイアいわく曲がらないでしょ?って発言させるマシン。それを文句を公には言わず曲げたいたのはライダーとメカニック。基盤の車体の作り込みしっかして、ディバイスはディバイスとして機能させるマシン作りが出来ないと27年にまた、振り出しに戻りそう。
>ゼロコンマ何秒かの差を付けることができるんです…
>ドゥカティで使用されているコンセプトの多くは適用が難しいんですが、
その通りで、ヤマハはある程度その通りの道を行っていそうだけど、
ホンダはエアロを過大評価してるのかな?
ドカのフロント、アプのサイドでKTMのリア。あんなエアロで上手くいくはずはないと思うんだけど。まとまれば良いとこ取り!?
全て失敗してから始めるという手もあるけど、さすがにやり過ぎな気がしますね。
過小評価もいけないし、過大評価もいけない。
適正に評価しなくてはいけませんよね。
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日本の空力と言えば、パッとIHIが浮かんで来たけど、ヤマハとは仲よさそうだし、何かしら協力できないのかなー
バルトリーニさん、明快ですね。開発拠点をヨーロッパに移し、人材を揃え、資金を投入する。ヤマハは現状を認めできることをきちんとやり始めたんですね。2019年のモーターショーではヤマハブースにはまるでレーシングに対する意気込みが感じられなかったし、当時ロッシも優秀なテストライダーの必要性をずっと訴えていました。あの時点で終わった感が凄かったのでもっと早く上層部が決断してればと、決断力のない日本企業の情けなさを痛感してました。
一方ホンダは未だに日本国内開発で、上層部は速いライダー優秀を探せ、とマシンと体制の問題から逃げているそうで、はっきり言ってホンダは以前からの聞く耳を持たない企業体質が諸悪の根源にあるのだと思います。
過小評価と言うよりは、
エアロやライドハイトなど進んで行ってはならない道に進まなかったのが日本企業だと思ってます。
2輪はエアロやライドハイトなどの技術を市販車に持ち込まない方が良いと言うのが私の私見と希望なだけですけどね。
これは面白い記事
側面カウルのダクトの仕事がすごく気になるんですよね
バンク中は内側と外側で気圧差が発生すると思うんですが、フロントタイヤすぐ後ろのダクトがあるドカとかはエアフローがうまく抜けていて
特にホンダと昔のヤマハは閉塞して抵抗になってる感じがします
ドカはカウル側面にエアの流路が少なくとも2つあるし
グリップが抜けるってのはダウンフォースの強さというよりバンク内側にいるエアのせいなんじゃないかと
高速になればなるほどその差はでかいとか
ホンダが社内体制逃げてるんじゃなくてヤマハは自力で復活無理って言ってるから安易に外様利用しただけ
体制はホンダもガラッと変わってるっつうの
全然うまくいってないが
あと勘違いしてる馬鹿いるけどトップスピードなんかドカ参戦当時から負けてるぞ
それでも当時は周回遅れにする位の差はあったが
今や逆転してるけどね