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『ペルナット:ドゥカティ2024年版エンジン採用は後退ではなく、むしろ大前進だ』
★カルロ・ペルナットはカピロッシやシモンチェッリなど有名選手のマネージャーを長年勤めてきたが、高齢による持病のため昨年はトニー・アルボリーノの、そして、今年はエネア・バスティアニーニの担当から退いた。
★先日、ペルナット氏が伊サイト『Mowmag.com』のインタビューで次のように話した。
【体調の方は…?】
「どんな状態だったら良いんですかねぇ…まぁ、檻の中のライオンみたいなもんですよ。
(引退後)最初は辛いかもしれないって言われていたが、とにかく、モトGP開幕なのに家で引きこもってるなんてねぇ…そう思うだけで気が狂いそうですよ。」
【しかし、今は飛行機に乗るのも止められてるそうで…】
「まぁ、メスを入れるにしても限界があるからね。」
【モトGP開幕が近づいているから、やはり、落ち着かない?】
「今日は娘が孫と一緒に遊びに来てくれたから、あまり考えずに済んだが…今すぐにでもタイ行きの飛行機に飛び乗りたいもんだね。」
【今年のモトGPは、どの選手が活躍しそう??】
「私としては、やはり、エネア・バスティアニーニでしょう…最近まで担当していた選手なんだし、本人もやる気満々なんだから。
ただ、今のところは厳しいだろうね…けっこう苦戦してるようだから。KTM機ってのはかなり固めで、タイヤ殺しなんですよ。一方、エネアは(ドゥカティ機に乗り慣れていて)無意識にできる動作が異なるからね。時間はかかるでしょう。
あと、KTMの状況も未知数じゃないですか…あと少しで例の再建プロジェクトが承認される予定だが、その時にならないとモトGPにどれぐらい資金が投入されるか分からないんだから。
投入資金なしってことになったら、開発もされないわけで…エネアとピジャミーノ(チーフメカニック)は、ありあわせの物でなんとかしなければならないでしょう。
まぁ、今年の予想としては…エネアには申し訳ないが、他の選手の名前を出すしかないかもねぇ。」
【例の2人…?】
「ええ、マルク・マルケスとフランチェスコ・バニャイアですよ。まぁ、説明の必要はないでしょ…今回の冬季テストでも、いまだドゥカティ機がずば抜けてるようだったんでね。
まぁ、あの2人に関しては、私が発掘した選手ではないですけどね…。」
【ドゥカティ機と言えば、今年は一歩後退したようで…】
「『一歩後退』なんて言ってる者は、ジジ・ダッリーニャの天才ぶりを良く分かってないんですよ…時には悪魔的なほどだって言うのにね。
ジジには、皆、してやられたじゃないですか…ジジの下で働いていた人材が、今や各メーカーでプロジェクトリーダーになってるんだから。
それだけ見たって、ジジがどんな人間なのか…どれだけ先を行ってるかが分かるでしょ。全ては望みのままなんですよ。
ドゥカティは後退なんてしてませんよ…ドゥカティ2024年機に手を入れる必要がないことは、昨シーズン終盤には明白だったんだから。」
【では、なぜドゥカティ2025年機に2024年版エンジンが採用されたの?】
「その必要があったからだろうね…当然、試してみて、どうなるかを確認するもんでしょ。まぁ、他に抜かれる心配をせずに、現状維持できる余裕があるってことですよ。
しかも、完全に新しいマシンにしたら、ドゥカティは3選手分のデータしか得られないわけで…一方、他メーカーは4選手分のデータなんですからねぇ。
今や全メーカーにプライベートチームがあって、どの選手もファクトリー仕様に乗ってるんだから。そう言う意味ではドゥカティも一緒で…まぁ、ドゥカティの場合は微妙に違いますけどね…計6選手とは言え、3選手は型落ち機なんだから。
とにかく、手落ちなんてないんですよ…ジジは天才だし、ドゥカティはより正しい、より賢い選択をしただけであって。二輪レースのことをかじってる者なら分かることでしょ。
2024年機は電制システムと他2ヶ所に手が入れられており…そんな2024年機を継続するってことは、2025年機の開発費用を節約し、2027年用プロジェクトにリソースを集中できるってことで…2027年にはレギュレーションが新しくなるでしょ。
私に言わせれば、これは一歩後退どころか、2年分の大ジャンプってもんですよ…まぁ、人それぞれ、考え方は自由ですけどね。」
[ 後半に続く ]
(参照サイト:『Mowmag.com』)
(Photo:Instagram)
まぁ昨年は4台の最新型機でのデータを元してGP25を作成してもGP24程のバランスにはならなかった。バランスの重要性を改めて感じさせる出来事でした。
こう言えるのも2人のチャンピオンライダーがシッカリマシン評価している証拠。