モトGP『ロッシ後退:GP11機に戻したい』
賽(さい)は投げられた。
アッセンでヴァレンティーノ・ロッシはルビコン川を越えたのだ。
GP11機を脇に追いやり、ヘレスでのテストとムジェッロでは2012年用のGP12機に800ccエンジンを搭載した新マシンにべた惚れしたのだ。現在のエンジンを未来のマシンへの移植手術が、フィリッポ・プレツィオージ率いるスタッフらの驚異的な作業により本番に間に合わせられた。これでヴァレンティーノ・ロッシの災難もやっと終わるのだと…思えるような偉業だったのだが。
しかし儚い夢は長くは続かず、今回のザクセンリンク予選での最後尾ひとつ前と言う成績を前にしてロッシ選手は後退することとした。ローマに通ずる道があるとするならば、それはGP11機との道程であろう…と。
ロッシ選手がこう口火を切った。
「古い方のマシンに戻そうかと思ってるんです。明日の夜、エンジンのローテーションのことも考えて、いつが可能か決められるでしょう。ラグーナセーカ戦で使えるか分かりませんけどね。」
最大の難点はどこなんですか?
「フロントです。GP11機と同じなんですが、操舵できなくて、安心できないんですよ。そのせいで僕のライダーとしての長所が生かされないんです。」
同じマシンを1000ccエンジン搭載で乗った時に比べ、どうしてそんな違いが?
「僕ら皆、それが分からないんです。もしかしたらラィディングの違いによるものなのか。馬力が上がると、コーナーでのスピードって言うのは800ccほど重要ではなくなってくるんですよ。GP11.1機だとフロントを生かすことができないんです。アッセンやムジェッロではテストにあまり時間を割けなくって。ここでは時間はあったんですがリザルトの方は悪くなってしまって。」
ムジェッロのコースは再舗装されていましたが、そのせいでGP12機をテストした際に本来のパワー以上のものが引き出されてしまったとか?
「いいえ。コースは以前より良くなっていたわけですから、そのことも考慮に入れてテストしました。それ以外に、ヘレスでのテストでもなかなか良い手応えがあったし、あそこのコースはいつものままだし。だからこそリスクを冒すことにしたんであってね。」
新マシンのデビューを急がせた理由は?
「皆で決めたことです。僕とチームとでね。ファンをがっかりさせたくない一心で決めました。シルバーストーンでのレースウィークエンドではドライでもウェットでも不調でしたが、あれで両足もぎとられ、短期間で成果を上げられるかと期待したんですが駄目になりました。」
GP12機は来年用のプロジェクトとしてそのまま残されるのですよね?
「来年のために何か別のものを考えなければならないでしょうね。もう少し何かしなければ。」
明日のレースに向けて何かサプライズを期待しても良いですか?
「追い上げが可能だとは思えませんが。今日のリザルトが勝手につぶやいてますよ。カピロッシ選手が出場してなくて良かったって。もし走ってたら、彼にも追い越されてビリになってるところでした。」
過ちから学ぶものと言うが、ロッシ選手はこれまでの人生において最も重要な課題に取り組んでいるのかもしれない。実際のルビコン川は小さな渓流に過ぎず、そこを渡るための道は幾通りもあるのだが。
(日本語翻訳:La Chirico / 伊語記事:Gpone 2011年07月16日)
|
実は、ひとつ気になってる事があるんですが
最近、イタリアの主要一般紙サイトでスポーツ欄からモトGPを排除した新聞があるんですよ。
これって、もしかして、ロッシ人気に見切りをつけた…とか?
本人がないと言っても、引き続き、明日、
奇跡の追い上げ乞う…クリックPrego