モトGP『ロッシ:これは僕が欲しかったドゥカティじゃない』
ヴァレンティーノ・ロッシがドゥカティ機のカウル越しから、スタートの赤ランプが消えるのを初めて見た時から1年が過ぎた。心底惚れ込んだことは1度もないマシンでのデビュー…数ヶ月経ってからもこんな風に言うほどだった。
「初回テストで…数ラップ周った段階で、開幕レースでは勝てないってことは分かりましたね。」
その通り…首位ストーナー(まさに同選手から引き継いだデスモセディチでもって)とは16秒431差の7位に終わっている。それが永遠に続くかのように思われ、シーズンを通じて結束はどんどん崩れてゆくかのようだった…ドゥカティのスタッフ陣がモトGPプロジェクト一斉改革に向けて押し出されるまでは。
そしてシャーシでの混乱劇を経て、昨日、またもや悪化した。10位でトップとは33秒665差(今回はロレンソ選手だか)、ドゥカティ勢では最下位、モトGP機の中では最後から2番目だったのだ。
精魂尽き果てたロッシ…いや、それ以下か…もはや信じてさえいないかのように見える。
「希望はすべて、去年、尽き果てました。」
導火線に火が放たれた。今回のレースでいよいよ、口元に刻み込まれていたような笑顔の…何があっても楽観視しる時代に終わりが告げられたかのようだ。関係にはひびが入り、ロッシ選手はあらゆる励みを失いつつある。
「レース前半、バルベラ選手に越され…激しいオーバーテイクだったんでエスケープゾーンに押し出されてしまってね。ただ、彼にとってはそれだけが目標だったわけだから…僕の前に出るってことがね。順位はどうでも良いんですよ。あの瞬間、あそこでレースを辞めてボックスに戻ってしまおうかって思ったんだけど、うちのメカニック達のために…それだけのために辞めたんですよ。役に立つデータが取れますからね。」
GP12のことは気に入っていない。以前、GP11も11.1も気に入らなかったようにだ。生みの親であると言う気持ちさえも持てないのだ。
「ドゥカティ内では僕が出した指示通りに進められてこなかった。僕はエンジニアじゃないし、それぞれの問題を解決することはできませんから。」と手厳しい。
それ以外のことには重きを置いていない。バルベラやヘイデンが前を走ろうが、マシンの真の実力がいかほどのものであろうが。
「6位だったとしてもそれほど大きな違いはないでしょう。僕がそそられるような目標じゃない。少なくとも僕が狙っているのは表彰台ですから。」
今のところ手の届かない目標なわけだ。
「乗りこなせないんですよ。消耗したタイヤの方が新しいのより速く走れる。リアが強くプッシュするようになって…色々と上手く行くようになるのはタイヤが滑り始めた時なんですよ。信頼感が持てない。ニッキーと比べても違いを見せるようなことができないんです。ニッキーだってベストを尽くしてもストーナーとの差は28秒もあって、まぁ、彼にとってはそれで良いんでしょうけど。」
臼のごとく重き言葉がずいぶん前から何とか持ち堪えてきた薄壁を壊す。口に出してこなかった言葉…隠しがたい現実を常に隠してきたお決まりの笑顔。
デスモセディチの問題点は、
「常に同じです。僕の要望の通り。」と繰り返すロッシ選手は、
「操縦不能、コースによっての違いがほとんどない、コーナー進入でのブレーキングが上手くいかない。ブリヂストンからの新タイヤでもって全てが変わる…なんてことも期待できない。調整だけでどうにか解決できるような欠点ではない。」と明言する。
ライダーがどうにかするか、ライダーかマシンをどうにかするか…ドゥカティも分かれ道に来ている。
(日本語翻訳:La Chirico / 伊語記事:Gpone 2012年04月08日)
レース後のインタビューではロッシ選手に質問しているピットレポーターの方が、泣きそうな感じでお気の毒でしたねぇ…
予想が現実と成っていく,,,,涙
ロッシらしくないコメントですね。 やりきれない気持ちは分かるけれど・・ 現状を変えられるのはロッシ自身しか居ないんだから変えていくしかない。
バレ…相当つらいんですね。でも、この困難を乗り越えて表彰台に返り咲く姿を待ってます(*^-^*)
ホルヘは本当に強くなりましたね。今年のもてぎも楽しみです♪
始めまして、いつも楽しみに拝見しております。
ロッシ選手、辛いのは分かりますが、ちょっと他のライダーを見下したような発言が気になりますね。