『ロッシ:10回目タイトル希望、子供が欲しいが難しい』
★ヴァレンティーノ・ロッシが2月16日、38才の誕生日を迎えた。また、3月には22回目の世界選手権参戦が控えている。
★ロッシ選手は地元タヴッリャで、50名の従業員を抱える衣料品ブランド『VR46』を運営し、ヤマハ/モンスター/ランボルギーニ/ユヴェントスなど有名メーカーに製品を提供している。
また、レストラン『Da Rossi』やジェラテリアなどの飲食店、ライダー養成学校『VR46 Riders Academy』も成果を上げている。
★これらの事業には古くからの友人らや、心の友ウッチョ(アレッシオ・サルッチ)、右腕アルビ(アルベルト・テバルディ)が携わっている。
★ロッシ選手のインタビュー。
「実のところ、僕の第二の人生はもう始まってるんですよね。励みにもなるし、新たな楽しみになってますよ。色々なことを上手くこなしていくのは面白いから。それに、若手ライダー育成は、もう気が変になるぐらい楽しいし。この手のものはイタリアでは初めてだから。うちのアカデミーは真面目に上を目指す、強いライダーも増えてきました。良いことですよ。」
【アカデミーでは講師役?】
「いや、違います。兄貴分って感じかな。父のグラツィアーノがいつも『威張るのは馬鹿のすることだ。腰を低くしていた方が面白いぞ』って言ってたんですよね。僕は自分が天下無敵だなんて思うほど馬鹿じゃない…たとえアカデミーの生徒とのトレーニングでだってね。もちろん、ちょっと気をつけてるんですよ。アカデミーのある選手が初表彰台を獲得した後、満面の笑顔で僕に『ヴァレは何回ぐらい獲得したの?』って訊いてきたんですよ。いやぁ〜わからないですよね。200回とか…。もう覚えてないですよ。」
【映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』のロバート・デニーロのセリフに、『スタート時点で勝ち組かどうか分かるものだ』と言うのがあるが…アカデミーの中にもそんな選手はいる?】
「おそらく。2人いますね。でも、名前はまだ挙げない方がいいでしょう。マックス・フェルスタッペンなんか、まさにそのセリフ通りでしょ。ただ、F1の選手だけど。」
【ロッシ選手はいまでも勝ち組?】
「ベースは…素は今までと変わりませんよ。勝てる状態の時には勝てます。もうちょっと厄介な時は、勝つ努力ができるし…いつもと言うわけにはいかないけど。ドゥカティでの2年間(2011〜2012年)は滅茶苦茶な状態だったけど、今思えば、また努力とやる気を引き出すには役に立ちましたね。それが最高だったのは、たまたま、あの2015年シーズンでしたけどね。ああ言う風に終わってしまったけど。これからはもっと難しいでしょう。ただ、いままでだって難しかったわけだし。」
【あの2015年シーズンを思い返すと、どんな心境になる?】
「強い強い失望感ですね。起きてはいけないことが、いくつか起きてしまった。このスポーツにとっての汚点ですよ。これまでビアッジからストーナーまで様々な強豪選手と戦ってきたが、あの時のマルケスのような態度に出た選手はいませんでした。既にタイトル争いから外れている選手があんな走り方をするなんて見たことないですよ。」
【後悔の念などは?】
「もちろん、ありますよ。もし僕が沈黙していたなら…もし僕が何も反応しないでいたら…まぁ、どちらにしろ、やられてたでしょうけどね。少なくとも、言いたいことを吐き出し、大騒ぎにはできました。」
【ロレンソ、マルケス、そして今度はチームメイトのヴィニャーレスと、強い若手スペイン選手ばかりだが…もう勘弁してって感じ?】
「いやぁ…まぁ、本当に多すぎですよねぇ。良きにつけ悪しきにつけ、ロレンソの方がマルケスよりはっきりしてますね…嘘くさい感じがあまりしない。ヴィニャーレスはロレンソよりもバランスが取れているように思えるけど。まぁ、テンションが上がってきた時に上手くコントロールできるのかとか、ストレスがかかった時にどうなるのか様子を見てみないと。あっ、まずい…トラックではもう(ヴィニャーレスの姿は)視界にも入ってこないのかもしれない…テストであんなに速かったんだし。とにかく、誰でもテンションが上ってくると真の姿が見えてくるものだから。マシンが止まってる時に紳士的に振る舞っていたら、みんな、良い人でしょ。」
[ 後編に続く ]
(2017年02月27日『Corriere della Sera』記事参照)
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