MotoGP

ガバッリーニ語り尽くす『当初、バニャイアはかなりキレやすかった…(笑)』

『ガバッリーニ語り尽くす:当初、バニャイアはかなりキレやすかった…(笑)』』

クリスティアン・ガバッリーニはモトGP業界で20年以上働いており、ケーシー・ストーナーやホルヘ・ロレンソ、ジャック・ミラー等のチーフメカニックを務め、現在はフランチェスコ・バニャイアを担当している。

★8月末、ガバッリーニ氏が、アンドレア・ミーニョ(29才、元プロレーサー、現ロッシ陣営のモト3コーチ)のポッドキャスト『MIG babol』で次のように話した。

[ 第4章はこちら ]

【2019年にフランチェスコ・バニャイアがモトGP昇格し、その時からずっとチーフメカニックとして付いているけど…】
「ペッコ(バニャイア)とは、早々に衝突したんだよ。今でこそ滅多にないが、当初、ペッコは本当にキレやすかったんだから(笑)。
モトGP初年度はモト2時代の悪い癖を、そのまま引きずってきてしまったんだろうね。ある時点まできたら、こっちも我慢の限界に達してしまい…私なんか、そうそう怒らない方なんだけどねぇ。
ペッコに向かって、こう言ったことがあるんだ…『いいかい、君みたいにフロントに柔らかめのバネばかり使っていたら、速くなんかならないんだぞ』とね。
ペッコはムッとしてしまい…こっちも立ち回りが上手い方じゃないから…『君は本当にキレやすいねぇ…こんなんじゃ、上手くはいかないよ』と言ってしまったんだよ。そうしたら、すっかり空気が凍ってしまってねぇ…(笑)。
ただ、その後、ペッコの姉のカローラが、『貴方は本当に良い対応をしてくれたわ』と言ってくれて。彼女は弟のことを良く分かってるわけで…つまり、ペッコには現状をきちんと伝えてやれる人間が必要なんだよ。
それ以降、ペッコとの関係も良くなり、ギアが上がっていったと言うわけなんだ。何か落ち度があっても、互いに茶化すような関係となり…例えば、私が何か忘れたとするだろ…まぁ、良くあることなんだが…すると、ペッコは笑いながら、『ほらぁ〜連絡漏れがあるよぉ〜』と言ってくるんだよ。良い感じだろ。やっぱり、こうじゃなきゃねぇ。」

【ストーナー、ロレンソ、バニャイアと言う3人のチャンピオンライダーを比べると…?】
「ロレンソとペッコはかなり似たタイプだね…ライディングスタイルもそうだし、マシンに何を求めるかも似ているよ。
ストーナーは2人とは正反対で…完全に本能的なアプローチをし、新たな状況に直面した時の適応力の高さは物凄かったよ。
ロレンソから学んだことは、ペッコとの作業にとって貴重な財産になってくれたね。レースウィークは徐々にアプローチしてゆき、各選択は慎重に、時には極度にデリケートに…って感じでね。希望通りのマシンに仕上がると、2人とも最高速度を出せるタイプだから。
ペッコはまさにロレンソスタイルの進化形で、それってけっこうな代物だからね。一方、ストーナーは完全に別セッティングのマシンを2台用意しても、同じタイムを出せるタイプだったね。
『こっちのマシンはこう言う操縦で、そっちはこんな感じの操縦をしないとねぇ…こっちの方が乗りやすいけど、どっちにしろ同じタイムは出せるよ』なんて…言うんだよ。」

[ 完 ]

(参照サイト:『Mowmag.com』)

POSTED COMMENT

  1. 日野飛揚 より:

    ストーナーは完全に別セッティングのマシンを2台用意しても、同じタイムを出せるタイプ→実戦では無類の強さを発揮するけど、マシン開発陣からするとどれが正解か分からなくなるよね。マルクも同じタイプなんだろうな。

  2. NSR50 より:

    ケーシーとマルクは同じ天才かもしれないけど、ちょっとタイプが違うようにも思う。
    ケーシーは誰にも真似できない天性の感覚で走るけど、マルクも天性の才能はあるけど、その基本はあのムキムキの筋肉でマシンをコントロールする持久力と今のマシンがそれにマッチしてるからなんじゃないかと。
    中上君がマルクのデータを見て、真似したら急にタイムアップしたけど、とてもレースディスタンスで続けられないなんてこともあったよね。

  3. dai-34 より:

    ストーナーはどんな状態のマシンにでも自分を合わせて速く走る
    マルクはどんな状態のマシンでも力づくで自分に寄せて速く走る
    実際はこんな単純な話ではなくマルクも繊細な操作をしてるんだろうけど、そんなイメージがあるね

  4. maxtu より:

    マルケスは何でものりこなせるけど、その陰でやれることは全てやる、フィジカル作りにしろ万全に用意をする努力型だと思う
    天候が怪しい時に真っ先にサイディングラップ走ってピットで乗り換えるとか、他のライダーは誰もやってないから

    DUCATIに移籍した経緯でも1年は初めてのサテライト、型落ちになる道を選択、そして最低限の結果を出してからファクトリー入り
    最強のチーム、バイクは決して楽して勝ち取ったのではない
    勝つ為には努力は惜しまないタイプ
    マルケスに勝つ為には相当な努力、行動力がないと難しいよ

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