モトGP『初公開、ケーシー・ストーナーの素顔』
ケーシー・ストーナーと言えば、もともとは田舎育ちの青年なのだ。自然にじかに触れ合えると気持ちが穏やかになる。
生活の中でバランスを保つと言うのは誰にとっても必要なことがだ、スピードとストレス、高度なテクノロジーに囲まれて生きていると、可能なかぎり大自然豊かな祖国オーストラリアへと足が向かうのも当然だ。
「キャンプを張って、釣りをしたり、馬に乗ったり、狩りをしたりするのが大好きなんです。」と。
「レースがない時は、あらゆる意味において、あの雰囲気からは遠ざかるようにしてます。つまり、心身共にね。」
カンガルーの国オーストラリアのシドニー。そこから車で5時間ほど北東に進んだグレンバウン湖のほとりに腰を下ろし、すっかり寛いだ様子でストーナー選手が話してくれた。
「釣りが好きなんですよ。釣りって色々な面があって大変だから、レースのことを忘れられるんです。集中しなくちゃいけないですからね。それに釣りに行くには、常に景色のきれいな場所へ行くでしょ。湖も小川も大好きなんです。人里離れた所にポツンと水が流れているのを見つけたら、そこに一晩キャンプを張ってね。もう本当に最高ですよ。これ以上ないってぐらい1人っきりでね!鱒なんかが釣れたら、それを焼いて食べるんですよ。気が向いたら水に飛び込んで、一泳ぎしてね。
僕にはそう言うのが最高なんです。僕って本当にそうなんですよ。僕の魂がこもっている土地でなら、元気に楽しくしていられんです。オーストラリアですね。」
これ以外でストーナー選手が情熱を傾けているのがハンティングだ。もっと詳しく言うならば、弓と矢で動物を仕留めること。
「最初はトリックボウを使っていて、それから長い弓に変えたんです。あの昔ながらのやつ。照準器とかのサポートは一切なしでね。弓矢のハンティングの方がピストルでやるよりも難しくって好きなんです。それに、こっちの方がフェアな気がしますしね。
僕が一番好きなのは、こっそり動物に近づいて行くことなんです。そこが一番難しいんですけどね。動物のそばに寄って行くとか、どこで、いつ頃エサを食べるのか、どう言う風に移動するかを把握するのがね。それから風の向きにも気をつけなければならない。どこから、どの方向へ流れているのか。太陽の位置を考慮して、どの角度から狙うのが最適かを決めなければならないんですよ。例えば、もし正面から日の光を浴びるような位置に立ったら、動物が気づいて逃げて行ってしまいますからね。それに例えば、イノシシみたいに非常に獰猛になってしまう動物もいるんで、見つからないよう本当に気をつけなければならないんです。最後まで気づかれなかったら、こっちの勝ちですよ。」
お気に入りの時を過ごしている際、ストーナー選手は近代テクノロジーも手放してしまう。もともと好きではないわけだし。
「馬で遠乗りをしたい人間なんてそう多くはないですよ。4〜5日間も馬にまたがって、釣りをしたり、ハンティングをしたり…なんてね。出発する時に用意する食糧はちょっとした野菜ぐらいで、釣った魚や狩った動物と一緒に料理するんです。こう言うのって大昔に逆戻りって感じですよ。テクノロジーがはびこっていなかった時代にね。19世紀の生活スタイルに逆戻りするんですよ。」
[中編に続く]
(日本語翻訳:La Chirico / 伊語記事:Motosprint 2011年05月24日)
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ロッシ選手も豪華クルージングなんかじゃなくって
狩りにでも誘えば、ストーナー選手も乗って来るでしょうにねぇ…
オーストラリアの大自然クリックPrego