モトGP『茂木GPのおかげで不仲のライバル達とも意気投合』
茂木GP開催の通達が、これまで対立し続けてきたロレンソ・ロッシ両選手の手を結ばせた。
ヴァレンティーノ・ロッシとホルヘ・ロレンソが、後者のモーターホームでのんびりコーヒーなんぞを啜りながら茶飲み話をしている光景など想像できるだろうか?
かなり難しい話だが、しかし昨日、バルセロナ・サーキットのパドック内で実際に起きたことなのだ。
オートバイ世界選手権を運営するドルナ社が昨日、セーフティ・コミッションにて選手一同に対し10月2日の茂木GP決行を通達した。
選手らが憂慮しているのは福島原子力発電所からの放射線放出についてであり、開催地である茂木サーキットは同発電所からわずか150kmに位置している。そのため、危険がないことが証明されないかぎり今年の日本遠征は見合わせたいと希望しているのだ。
セーフティ・コミッションの集会後、ロレンソ選手は自身のモーターホームにロッシ選手を招き、同件について話し合い、コース上では決して折り合わないライバル同士の2人が意気投合した。つまり、「とりあえず、今以上の情報が得られないうちは、行かない意向である…。」とロレンソ選手が明言しているのだ。
また、ロッシ選手も同日の恒例会見で次のように話している。
「大会は開催されるでしょうし、僕らとしては行くことになるか、ならないかでしょうね。」
「ドルナ社から渡された情報は、あまり信用していない。」
大会運営サイドが選手らに配布した報告書(写真)について、ロレンソ選手の意見はロッシ選手と同様だ。
東北大学の『Laboratory Obayashi』に基づく報告書で、世界の主要10都市で測定される放射線量が示された地図が含まれているのだが、それによれば仙台(震源地の最寄り)が0.081に対し、東京が0.075、ソウル0.11、北京0.08とされ、マドリッド0.19やローマ0.25に比べれば汚染の度合いは低いとされている。
これについてロッシ選手も昨日、
「ローマの放射線量が載った紙っ切れなんかじゃなく、もっと詳しい情報が得られなければ。」と話しているのだ。
「昨日の夜、チェルノブイリから25年って言うドキュメンタリーフィルムを見たんです。深く考えさせられましたね。僕は若いし、これからの20年間、自分に何か起きるんじゃないかって思いながら過ごしたくはないんです。」と話すロレンソ選手なのだが、実はこの件についてはロッシ選手にだけでなく、ストーナー選手とも話し合ったと言う。最近では、同様にロッシ選手を敵に回していると言うことで両選手の間には友好関係が生まれている。
そして昨日、ストーナー選手も同件について訊かれ、他の多くの選手らとも話し合ったとしながら次のように答えている。
「日本が今、難しい状態にあることは分かっています。しかし現在、日本の皆さんにとって一番重要なのは、オートバイレースをするかしないか等と言うことではないでしょう。
選手の99%は僕と同意見です。」
また、ロレンソ選手は次のようにも話している。
「僕は誰のことも信用していないし、昨夜、あのドキュメンタリーを見てからは、もっとですね…。安心していられないんですよ。」
そして、ためらうことなくこうも口にした。
「ヴァレンティーノに連絡したのは彼の力を利用したかったからだし、セーフティー・コミッションに対しもっと強く言えるようにするためです。でも、がっかりしてますよ。僕らが不安に思ってることをドルナ社は知っていたくせに、もしも、この件について言い出したのがヴァレンティーノじゃなかったら、話題にもしなかったでしょう。」
そして、少なくとも日本GP開催に関しては、選手一同が一丸となって大会運営サイドに向かってゆくと明言している。
今回の件でロレンソ選手はロッシ選手と休戦協定を結んだようだが、他の選手との関係も穏やかになってきたようだ。エストリルとル・マン戦では激しい舌戦を繰り広げていたが、今後に向け関係は改善されつつあるようなのだ。
と言うのはマルコ・シモンチェッリ選手との話で、エストリルの記者会見では公衆の面前で一戦交えたものの、こちらの方も休戦した模様。
ロレンソ選手が、
「シモンチェッリ選手の件は終わったこと。今日みたいにブーイングされてるのなんか聞きたくなかったね。」と言っていたのだ。
一方、シモンチェッリ選手の方も、
「ミスを犯し、今後、やり方を変えるつもりです。ホルヘとも話し合ったんだけど、理解し合えました。全ては終わったことだと。」と話している。
また、ロッシ選手はストーナー選手との一件については、
「もめ事は起こしたくなかったんですが。選手同士、互いに敬意を払わなければね。」と。
結局、野心やら競争心やらが選手らを対立させていたのだが、今では日本GPが…そこでレースをしたくないと言う思いが、選手らを一つに結びつけていると言うことか。
(日本語翻訳:La Chirico / 西語記事:MOTOCUATRO.COM 2011年06月04日 )
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管理人が住んでいるイタリア中部でも
チェルノブイリ事故後、「生鮮食料品は摂るな。缶詰・瓶詰めを食べろ」と
されていたんだそうですが。
日本人選手は説得に回ったりするのかな…?クリックPrego
先週の内閣不信任案への対応で菅を始めあの詐欺行為を共に推進した枝野、仙石、岡田ら現内閣、霞ヶ関の連中が今まで国民、世界に示してきた行動や数値がいかに欺瞞やペテンにまみれていたのか(震災対応だけじゃないよ、沖縄の基地問題、消費税等)、騙された鳩山の姿を嘘やごまかししかない原発対応を見せられてきた自分達に置き換えて見る事も出来ず、こんな内閣に対応を任せてたら取り返しのつかない事になると、立ち上がった小沢グループの行動を評価しない80%ものマスコミ、電通(独占企業で宣伝広告費も必要ない電力会社からの莫大なスポンサー料を失いたくない、国民じゃなく企業や霞ヶ関の広報機関)にコントロールされた国民(電通が云うところのB層)がほとんどのおめでたい国で大切なGPライダーやその関係者が被爆する必要は全くない。ロレンソを始めとするGPライダー達のメッセージをせめてレースファンだけでも正しく受け止めて欲しいと切に願う。追伸、管理人さんの貴重な情報、バイアスのかかった日本のメディアでは届かないものが多く何時も楽しみにしています。これからも末永く運営される事を勝手に願ってます。
おそらく(ただちに健康には)問題のない数値が1ヶ月後に発表され、それまでにこれ以上の大きい余震も起こらないことを前提として…。
本来なら不要だったはずの不安を持たざるをえないライダー達に、もっと科学の知識を…だとか、放射線のことを知らず怖がり過ぎ…というのはさすがに一方的な責めでしょうし、運営や日本側こそが適切なブリーフィングと交渉を行なうくらいは頑張らないと。
ライダーや欧州のチーム関係者と信頼関係を築いているはずの日本メーカーを中心に、パドックの日本人関係者が適切なアドバイスや積極的なロビイ活動をしているくらいは、期待したいですが。
ライダーも、一連の発言により日本メーカーとの関係悪化や本人のイメージダウンが起こりうることは理解してるでしょう。それでもそう発言し、さらに他ライダーの説得に動くほどに、日本の情報が信頼されていないのでしたら、それも悲しいことですね。それとも、運営側の対応そのものにも問題が?