モトGP『ロッシ:残念、シッチのためのレースだったのに』
決して起きてはならないことだった。
今回、テクニカルトラブルは無関係…セットアップのミスでもなければ、タイヤ問題でもなく…バレンシア・サーキットの第1コーナーで早々に、ドゥカティのワークス2台が姿を消すこととなってしまった。
スタートが切られ、選手らが一団となって疾走…インサイドにいたドヴィツィオーゾ選手がハードブレーキをかけ4位に上がった。その隣についていたのがバウティスタ選手。ドヴィのホンダ機リアタイヤが軽く、バウティスタのスズキ機フロントタイヤに接触。そのためフロントが切れ込みスリップ転倒したスズキ機がヴァレンティーノ・ロッシ選手のドゥカティ機に衝突。そこからド・プニエ選手、そしてヘイデン選手へと玉突き衝突。4台がリタイヤとなってしまった。
レース後、ロッシ選手としては話す気も起きなければ、話すことも大してない。レースでは良くある事故なのだ。ただ、起きるべき時を間違えたとでも言うか…純粋なスポーツとしてだけでなく、それ以上の意義あるレースだったのだから。
この日、ロッシ選手はシモンチェッリ選手のTシャツを着てウィニングランをしようと思っていたのだ。レース前に行なわれた追悼パレードで身につけていた、あのTシャツである。ロッシ選手は次のようにコメントしている。
「それが出来なかったのが、もう…限りなく残念ですね。
スタートも良かったし、本当に良いレースができそうな条件が全て揃っていたのに。僕ら、ツイてなかったですね、ここでもノーポイントなんだから。」
運命のいたずらはもう一つあった…と言うか、運命が何からの刻印を刻みたがったと言うことか。ロッシ、シモンチェッリ両選手の総合ポイントが同点に終わったのだ。
「シッチと同点でシーズンを終えるわけです。僕の前が彼でね。僕からのシッチ追悼ってところかな。」
ニッキー・ヘイデン選手もまた、今回の集団転倒を悔しがる1人だ。
「一団がこっちに寄って来てるなぁとは思ってました。第1コーナーに差しかかったあたりで、どんどん寄って来てね。そうしたら、あっという間のドミノ倒し…で。第1コーナーでゲームオーバーですよ。少なくともフィジカル面では問題なかったですけどね。骨折も負わなかったし、右手を強く打ったぐらいで。
本当に凄いアンラッキーでしたね。うちのマシンの長所の一つはタイヤが暖まりやすいってことで、まさに今日のような寒くてウェットなコースでは役立つはずなのに。
ウォームアップの時から、今日は調子が良いって思ってたんですよ。いや、確かに今こうして言うのは簡単ですけど、本当に良いレースができる…それに楽しめるぞって思ってたんですよ。」
一方、ドゥカティのチームマネージャー、ヴィットリアーノ・グアレスキ氏は、今現在よりも将来について…火曜日から始まる1000ccマシンテストのことを考えているようだ。
「またもや自分達の力を発揮できなかったレースのコメントをしなければならないなんて…ねぇ。ウ゛ァレにしてもニッキーにしてもレース前までずっと、ここのトラックは上手く読みこなせそうな走りをしてたのが、第1コーナーでの古典的な事故の犠牲者になってしまって。まぁ、それは仕方がないことだけど、ドゥカティとしては誰よりも大きなツケを支払うこととなったわけでね。あまり言うこともないんですけど、まぁ今は、既に始まっている2012年の作業のことを考えたいですね。」
(日本語翻訳:La Chirico / 伊語記事:Gpone 2011年11月06日)
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昨日のレース後インタビューでも、ピットレポーターから番組司会者から皆、ロッシ選手に気を使いまくりで、一通り質問が終わったら、
「もう帰りたいですか?それとも、まだ此処に居て何か言いたいですか?どちらでも好きにしてください。」と。
ロッシ選手もヘイデン選手も、来年はツイてますように…クリックPrego