MotoGP

ドヴィ独占インタビュー前編『勝ちたいならホンダで続ける意味なし』

モトGP『勝ちたいならホンダで続ける意味なし』




アンドレア・ドヴィツィオーゾがホンダHRCからヤマハへ移籍すると言うことには色々な意味が含まれている。
まず、ドヴィツィオーゾ選手は世界選手権でホンダ一筋で走り続けてきたと言うこと(2001年のデビュー戦はアプリリア125ccでのワイルドカード参戦ではあるが)。
第2に、スポンサーとしてレプソルが資金を出しているワークスチームとの契約を死守するには、HRCの方策とはそぐわない立ち位置についてしまったと言うこと。
そして第3には、ワークスライダーとして3年間走り続けた後、プライベートチームで最高峰レースに挑まねばならない…しかも、総合ランクではダニ・ペドロサ選手を抜き第3位を獲得した後に(個人的にはささやかな大勝利だろう)…と言うことだ。

総合ランク第3位を果した実感を噛み締める間もなくM1機のテストに入ってましたが、初体験はいかがでしたか?
「強く走るためって言うよりは、理解するための作業に励みました。僕のライディングスタイルが、現在のヤマハライダーらとは随分と違うものですから。だから、他のライダーよりも問題点が多くて。それに、彼らは既にマシンに乗り馴れているし、マシンに合うように自分のスタイルも変えてきたわけだしね。
ブレーキングとコーナー進入に関しては信じられないような感じですね。すごくソフトなエンジンで、かなり操縦しやすい。コーナー中盤でアクセルを開いてもスリップしないんですよ。ただ、コーナー出口でかなり減速しますけどね…本当に、かなりね。でも、それは馬力のせいではないです。だって馬力は凄いですから。重量配分の問題でしょ。うちはポンピングが凄いんですよ。特に、僕は。アクセルを開いてからマシンを立ち上げようとするんでね。それをやると、すごく感じますね。ヴァレンシア・テストの最終日の最後に新しいタイヤで試した時、そこに気がついたんです。そのタイヤの時だけ、タイムを3秒縮められたんですけどね。」

インディアナポリスでお話をうかがった時、ライディングスタイルから見ると1000cc機は良い転換点になるだろうとおっしゃってましたが、M1機を試した今でもそう思いますか?
「まぁ、2つのマシンにそんなに大きな違いはありませんから。実際のところ、かなり似てるんでね。僕が気にしているのはそこじゃないんです。改良していかなければならないんですよ。ベースは非常に良い。ブレーキの安定性は大きく差を付けられるほどにある。ただ、出口で失速してるわけにはいかないんで。加速をなんとかしなければね。」

Tech3のライダーであってヤマハとの契約はないわけですが、ヴァレンシア・テストではロレンソ選手不在で、ドヴィツィオーゾ選手のボックスにはワークスのエンジニアがどっさり詰めかけてましたね。それに、ワークスチームのメンバーも居たようですが。しかも最終日の締めには、ヤマハのエンジニア陣とかなり長時間に渡って会議を持たれていた。3年間ホンダ・レプソルに居たと言うのが、その理由の1つなんですよね。
「ヴァレンシアでの作業については非常に満足してます。普通のことだと思いますよ。僕が重要な情報を提供できると言うことを、皆が分かってるんですから。別にホンダに居たからと言うだけでなく、僕がマシンから色々と感じ取れる方だからであって。それにホルヘ・ロレンソ選手も居なかったしね。
これは既にヤマハの選手達が言っていた不満、そして、これは別のマシンや別種の経験から出てきた話だって、皆さん、理解してくれてましたよ。」

その…ヤマハのエンジニア陣がドヴィツィオーゾ選手の周りに集まって来ると言うのが、2012年に向けての1つの指針になるのでは?
「いいえ、特殊なことだったんですよ。ちょっと特別な状況と言うか。シーズン中もずっとヴァレンシアのような状況になるとは思ってません。ただ、確かに全体的な開発のためにも良い関係を持てたら…とは思っています。僕のマシンの開発だけじゃなくね。」

まだ秘密だけど他にも問題はあった…


現在、総合ランク第3位のライダーですね。
「ありがとうございます。」

当然、ご本人にとっても重要なことだと思いますが…スポーツ選手と言うだけでなく、個人的な面から言って…ホンダで過ごした1年、ワークス選手としての残留を希望していたこと等々から見ても…。
「なんとかそうしたいと思ってかなり戦ったし、そのうえ、今はまだ話せませんが他にも問題があったし…2012年に向けてのことでね。総合3位は大きなことですよ。満足はしてませんが。3位ですから。僕の目標ではないしね。客観的に状況を分析しても…つまりレベルが非常に高い状況だと言う点から見ても、3位になると言うことは、僕が彼ら並みであると…彼らと競り合えるんだと言うことを示すためにはとても重要ですね。」

世界選手権デビュー以来、ずっとホンダのライダーでしたが、遂にヤマハ移籍となったわけですね。
「大いなる挑戦ですね。ホンダは2名の最強ライダー、ケーシーとダニを選んだってことですが、僕の目標がチャンピオンになることだとすれば残留に意味はありませんでした。ヤマハでかなり良い線でやって行けると確信してるんです。いわゆる、将来に向けての高い投資みたいなものです。」

ルーチョ・チェッキネッロ氏のチームに入るかも…なんて話もありましたが、LCRかTechの二者択一だったのですか?
「ルーチョマネージャーのところへは行けないって痛感してました。素晴らしい方だし、良い1年になることも確かだった。良いマシンだし、僕のために最善を尽くしてくれたでしょうから。だから余計、LCRと契約しないってことはばつが悪くて。ただ、僕の中ではヤマハかホンダかであって、ルーチョ・チームかエルヴェー・チームかって話じゃなかったもんですから(編集部注:エルヴェー・ポンシャラル、Tech3のマネージャー)。」

2012年はどんなシーズンになると期待してますか?3年間ワークスライダーとして走り、サテライトチームに移ってもレベルは落とさせなかったわけですよね。
「僕が考えてることは、まだ、そう言うことではないですよ。やるべきことはまだまだどっさりあるし、多くの変更も加えなければならない。現在の僕らの状況から判断するなら、勝てるようになるには今あるものだけでは足りません。」

変更する点と言うのは、マシンに関して?それとも、ライダーに関して?
「いやいや、マシンです、マシン。」

ヴァレンシア・テストで乗ったM1機は、マレーシア・テスト以降、ドヴィツィオーゾ選手が乗られるわけですが、シーズン中にかなりの変更を加えなければなりませんか?
「いえいえ、オフシーズン中に懸命に作業しますよ。色々な面に関して、僕だけが不満を持ってるわけじゃない。仕方がないことって言うのはあるものですから。」

ヤマハチームの選手の皆さんとの関係はいかがでしょう?
「カル(クラッチロー)のことは良く知らないんですが、ムチャクチャな感じで、みんなでスゴく楽しめると思います。…ベン(スピース)にはね、非常に敬意を払ってるんですよ。とても落着いた人物で、ヴァレンシアの時も一緒に技術スタッフと会議して、それぞれのライディングポジションを比較検討したんですよ。とても素晴らしい人って感じがしますね。」

ロレンソ選手のことは?ワークスライダーNo.1ですが。
「ホルヘはライバルでしたから。250ccの時はかなり戦ってきたし、そんなに気の良い関係だったことは、お互い一度もありません。ただ、特に問題も全くありませんけど。これまで、あまり話したことないんですよ。」

[ 後編に続く ]

(日本語翻訳:La Chirico / 西語記事: Solomoto 2011年12月19日




そう言えば、ストーナー選手も「モトGPライダーで一緒にバカンスに行くなら?」と聞かれ、スピース選手の名前を挙げてましたから、よほどの人格者なんでしょうねぇ。

ドヴィ、来年はたまに劇熱な走りも見せてね!クリックPrego
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POSTED COMMENT

  1. けびん より:

    ランク3位と言っても、ダニが何回欠場したんだか…一度も勝てるレースも無かったし。安定感は認めるけど、勝てないライダーはHRCには要らないってことです。辛口で申し訳ないけど。元々好きなライダーなんですが、自己分析が自分に都合が良すぎて謙虚さが無くて残念です。

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