モトGP『ストーナー:腕の痛みに打ち勝った』
医学用語ではコンパートメント症候群と言うんだそうで、前腕に辛い痙攣性の収縮が起こり、一般道であれサーキットであれ多くのライダーに出る症状なのだ。そして、その症状のため今日のレースでケーシー・ストーナーがほとんど掌中に収めていた勝利を失うこととなったわけだ。
ストーナー選手は次のように説明している。
「3〜4ラップ周った辺りでもう筋肉が収縮するのを感じて…それからどんどん悪化していったんです。僕とロレンソ、ペドロサ選手の間にできるだけ距離を置こうとしたんです…優勢な状態を生かせるようにね。それが、どんどん悪くなっていってしまって。自分のライディングスタイルも修正してみてね…あまりブレーキングで無理しないようソフトに運転してたんですよ。それが、ある時点からアクセルレバーの操作も、きちんとハンドルを握ってることも全然できなくなってしまって。」
こう言った理由によりストーナー選手はレース終盤で、まずはロレンソ選手に抜かれ、そしてペドロサ選手にも抜かれ、表彰台3位に甘んじることとなったわけだ。
「本当にもったいなかった…マシンはレースでもウォームアップでもとても調子が良かったんですから。でも、今後のレースのことを考えてもそれはとても重要な点ですから。」
同じ問題が二度と起きないでくれることを願うばかりだが。
「まったく初めてのことってわけじゃないんです。ただ、以前起きたのは2010年で1回だけなんですけど。まだドゥカティにいた頃で…その後は全然ないですね。もちろん検査しますよ。ただ、手術は避けたいです…特にシーズン中はね。」
新1000cc機だったと言うのも原因の1つなのかもしれない…800ccに比べればもっと力づくで操縦しなければならないのだから。
「ブレーキングポイントは長くなりました…直線コースの終わりに前より強く差しかかるようにになったんでね。加速時にも最大トルクを感じます。シートの上をもっと移動できるようにしないと…特に加速時に傾いてしまうんで、それに逆らうためにね。ただ、重量があるんで安定性は高くなったけど。結局、長所と短所があるわけですね。」
一方、驚きだったのがダニ・ペドロサ。今回のレースウィークエンドの大半において低調気味のようだったのだから。本人も次のように認めている。
「好調なプレシーズンテストを送ってきたのに、ここに至って全てがおかしくなってしまって。熱もあったし、転倒もして、マシンはトラぶるはで、予選は散々でした。ただ、チームが本当に良く働いてくれて、今日は全てがいつも通りに戻ってくれたんです。」
一歩一歩進んできた結果で出した2位なのだ。
「スタートでの狙いが的中したんで助かりました。その後はレース中ずっと集中していられて。最後だけね…ケーシーを追い越す正しいタイミングを計れなかったし、ロレンソ選手への接点も逃してしまったし。結局のところ、結果には満足してます…ほんの少し、がっかりもしてますけど。」
(日本語翻訳:La Chirico / 伊語記事:Gpone 2012年04月09日)
ストーナー選手、レース後のインタビューでは、
「グローブを新しくしたら少しキツくって、それで血行が悪くなったみたい…(トレーニングをすると)筋肉がついて却ってグローブがもっとキツくなるからあまりしない方が良い」等と言っておりましたが…最後の痛そうにしている姿がなかなか、もう…
ストーナー選手のグローブが少し伸びますように…クリックPrego