モトGP『『2012年へレスGPこぼれ話』』
ロレンソからラスコルツへ
ホルヘ・ロレンソがヘルメット後頭部にホンア・ラスコルツ(WSBのカワサキ選手、イモラでの転倒事故後、マヒ状態となっている)へ、以下のフレーズが書かれた激励ステッカーを貼っていた。
《POWER FOR 17 LASCORZ – NEVER GIVE UP – FIGHTING SPIRIT》
スピード・アップ、ただいま改良中
ルーカ・ボスコスクーラが手がけ、アンドレア・イアンノーネとマイク・デ・メーリョが使用している『スピード・アップ』が今なお進化を遂げている。ヘレス戦にはリアサスペンションのリンクに改良が加えられ、両選手ともカーボン製スイングアームが提供されていたが実際に使用したのはイアンノーネ選手のみ。
ミディアムタイヤはけっこう
ヘレスGP予選ではアスファルトの一部のみがウエットと言う特殊なコンディションで、幾度となくタイヤ問題が浮上し、メディアムタイヤの使用について討議された(以前は使用されていた)。ホルヘ・ロレンソが、
「金曜のセーフティ・コミッションでカピロッシ氏とエスペレータ氏にウエットタイヤのリストにミディアムを加えられないだろうかと聞いたら、ブリヂストンの方針にはその手のタイヤはないからって言われました。」とし、どうにもできなかったと。一方、ストーナー選手やヘイデン選手は、
「ミディアムタイヤは何周かは役に立つけど、ただ、予選みたいなコンディションになったら問題解決にはならないでしょうね。」と。
最速スピード
予選での最速スピード
バルベラ[ドゥカティ]288.8km/h(高速スピード上位5ラップの平均は284.3km/h)
ブラドル[ホンダ]287.3km/h(高速スピード上位5ラップの平均は284.6km/h)
バウティスタ[ホンダ]286.9km/h(高速スピード上位5ラップの平均は285.7km/h)
ストーナー[ホンダ]285.9km/h(高速スピード上位5ラップの平均は285.0km/h)
アブラハム[ドゥカティ]284.2km/h(高速スピード上位5ラップの平均は282.8km/h)
ドヴィツィオーゾ[ヤマハ]284.0km/h(高速スピード上位5ラップの平均は282.9km/h)
ペドロサ[ホンダ]283.5km/h(高速スピード上位5ラップの平均は282.7km/h)
ロッシ[ドゥカティ]282.3km/h(高速スピード上位5ラップの平均は280.9km/h)
ヘイデン[ドゥカティ]282.3km/h(高速スピード上位5ラップの平均は281.9km/h)
ロレンソ[ヤマハ]282.1km/h(高速スピード上位5ラップの平均は281.2km/h)
クラッチロー[ヤマハ]281.7km/h(高速スピード上位5ラップの平均は279.7km/h)
スピース[ヤマハ]280.9km/h(高速スピード上位5ラップの平均は279.5km/h)
エルナンデス[BQRカワサキ]269.5km/h(高速スピード上位5ラップの平均は267.7km/h)
ピッロ[FTRホンダ]268.2km/h(高速スピード上位5ラップの平均は266.9km/h)
エスパルガロ[ART]267.7km/h(高速スピード上位5ラップの平均は266.4km/h)
パジーニ[ART]266.5km/h(高速スピード上位5ラップの平均は263.6km/h)
デ・プニエ[ART]265.6km/h(高速スピード上位5ラップの平均は264.4km/h)
エリソン[ART]264.8km/h(高速スピード上位5ラップの平均は263.5km/h)
エドワーズ[スッターBMW]26.5km/h(高速スピード上位5ラップの平均は263.0km/h)
シルヴァ[BQRカワサキ]261.4km/h(高速スピード上位5ラップの平均は260.7km/h)
ペトルッチ[イオダ/アプリリア]257.4km/h(高速スピード上位5ラップの平均は256.4km/h)
イオダモトGP機は市販エンジン
最速スピードを見ても分かる通り、ダニーロ・ペトルッチのイオダ/アプリリア機が安定して(もの凄く)最も遅いマシンとなっている。理由は簡単。資金の問題によりディーラーで買えるような市販エンジンをそのまま使っているので、当然、悲惨なパフォーマンスになっているわけ。で、可哀想なダニーロは真の実力を披露できずにいるのだ。
BQR機カーボン製シャーシ
ヘレス戦ではイヴァン・シルヴァがカーボン製シャーシを使ったBQR機に乗っていた(従来のアルミニウム製と共に)。シルヴァ選手は新シャーシをすぐに気に入り、決勝レースでも使用していた。
ロレンソvsヴドヴィツィオーゾ物議
決勝レース第2ラップ、ホルヘ・ロレンソが片手を上げアンドレア・ドヴィツィオーゾが操縦に嘆いてみせた。ドヴィがホルヘの前を走っていた時の話で、レース後にロレンソ選手は確固とした…しかし的外れな…コメントを出していた。
「あの手の操縦をするような時じゃないってことを分からせてやったんです。僕はタイトルを争ってるわけで、彼は同じメーカーで走る仲間なわけでしょ。あの手のことはすべきじゃないし、どんな危険性があるかきちんと考えなければ。観ている方はあの手の見せ場を好むわけだけど、もっと冷静になるべきであって…あと数周ってぐらいの時に仕掛けるようなことでしょ。」
これに対しドヴィツィオーゾ選手の回答は冷静そのもの。
「お互いに間違えたってところで…責任は半々ですよ。向こうが僕に並んできて、僕の方ではまだ少しマージンあったからブレーキを緩めたんです。僕がコーナーに寄せた時は、彼には走行スペースがあったわけだし…多分、僕に警告しようとしてわざと接触させたんじゃないかなぁ。良いんじゃないですか…特に変わったことは何もないでしょ。」
ニクラス・アジョ失格
モト3のニクラス・アジョはエストリルでは参戦できない。レース・ディレクションにより1戦欠場処分が下されたのだ。転倒後に再スタートをさせなかったと言う理由で、マーシャルの1人を押して転ばせたため。
(日本語翻訳:La Chirico / 伊語記事:Moto.it 2012年04月11日)
今年はロレンソvsドヴィツィオーゾの戦いが始まるんでしょうか…