モトGP『ロッシ:己の真価を示してみせた』
幸運の女神は向こう見ずな者達に微笑む…今日はヴァレンティーノ・ロッシにで、確かに肝が据わり切っていた。そぼ降るグリッドでヘルメットに…ライダースーツに、そしてデスモセディチに滴るしずくは、まるで天の恵みのようだった。
「願ってましたね…通常、雨に頼るってのは物事があまり上手く行ってない時なんですけどね。」と、ジョークを飛ばす。
ちょうど1年前、同じコース、同じコンディションの中、このドゥカティ機がロッシ選手を表彰台まで送り届けたのを思い出さない者などいない。そして再びそれが起きたのだ…いや、結果は良くなってさえいる…1年前は3位だったのが、今回は2位なのだから。ストーナー選手にみごと競り勝ち、最後の締めも決めたのだ。
「特別な標的ですよね…倒しがいのあるね。これが恋しくってね…僕がドゥカティに、むこうがホンダに移籍して以来、チャンスがなかったもんですから。」
2011年のヘレス戦のことを思い出していましたか?
「もちろん。あの時は派手な動きを急ぎ過ぎて失敗しました。駆け出しみたいなことをしてしまって…間違いでしたね…ケーシーまで転倒に巻き込んでしまってね。今回も前より冷静だったんで、彼の後ろにぴったりついて行くことにしたんですよ。」
ストーナー選手とのコンタクトが途切れてしまった瞬間もありましたね。
「ヘルメットでトラブってしまって。バイザーが曇ってきたんで、かなりハラハラしましたね。雨の中、こんなことは初めてでね。なんとかバイザーを開けて、空気を入れて、また元に戻して。それは何とかしたんだけど、おかげでストーナーやドヴィツィオーゾ、クラッチロー選手にも2〜3秒開けられてしまったもんだから、また後ろに戻ってしまってね。」
今回のレースでは、そこが最難関でしたか?
「ラスト10ラップではベストを尽くしたし、ヤマハ2機に追いつかれずにゴールできるって思ってたんで…ストーナー選手に抜き返されないよう集中しなければなりませんでしたね。」
今回の2位は優勝と同価値ですか?
「優勝ってのは別もんですから。ただ、自分にとってもチームに…ドゥカティの全スタッフにとっても重要なリザルトでしたね。」
“ロッシ選手はもう終わりだ”なんて言っていた連中を見返しましたね?
「そう言うことのためには走ってないんで。そんなことはないって自分で分かっていたし、今日は単純にそれを示すチャンスに恵まれたってだけで。確かに、ある種の批判を耳にするとムカつくけど、笑って返してきましたから。外部から状況を推し量るってのは難しいものだし、もう価値がないって言うのは簡単ですからね。」
ドゥカティ機と言うのはいつもモーターボートみたいなんですが、なぜか分かっているのですか?
「まだ完全には…奇妙なことに、ドライ・コンディションとか加速とか…うちの弱点の1つが、今日なんかは強味になるんですよ。多分、ウエットだとパワーをずいぶんと削らなくてはならないんで、少なくなった馬力を上手く地面に落とせるようになるんじゃないかなぁ。アンダーステアーの問題もある程度のところで収まってくれるしね。結局、オートバイって言うのはそれぞれ、そのDNAの中に独自の個性を持っていて、ドゥカティ機は水の中を強く走っていけるってことなんじゃないでしょうかね。」
今回の好リザルトで抱くのは、最良の状態で開幕できなかった口惜しさですか、それとも、今後も改良を続けようと言う気持ちですか?
「もちろん、ドゥカティ機をもっと勝てるマシンにして行きたい方ですよ。根本的な誤りは最初のテスト後に落ち込んでしまったことですね…勝利を目指していけないってまた感じてしまった時にね。」
ヘイデン選手のセッティングに方向転換したのが正しかったのでしょうか?
「彼も彼のチームも、このマシンに対して絶対的に経験が豊富なわけで…ただ、僕らも手を加えていけるような良いベースを見出しましたから。予選では2人共それを示していたでしょ。」
2週間後のバルセロナ戦では何が期待できますか?
「表彰台争いは確かじゃないです…ドライはまだまだ苦しいんで。目標はヤマハのプライベート機に近づくことかな。」
水、木曜日に行なわれるムジェッロ・テストは助けになりますか?
「新しいことを試してみる予定なんで、新たな一歩になるかもしれないですね。」
(日本語翻訳:La Chirico / 伊語記事:Gpone 2012年05月20日)
でもって、今回のおまけ写真はこちら!
ロッシ選手に、あんたが大将!!クリックPrego
表彰台でDucatiカラーのヴァレンティーノなぜかそのカラーに違和感、一年以上も経つのに表彰台の姿は2回だけ早く以前のように表彰台の常連に戻れるようDucati開発をがんばってほしいものです。