先日、ハンドルネーム『vale46』さんから、
「新レギュレーションに関する欧州での報道は?」と言う質問をいただいてましたんで…
イタリア大手サイト『Gpone』の記事2つから拾ってみました!!
モトGP『2014年、電子制御システムがワンメイク化』
★1年間に渡りドルナとメーカー側が交渉を続けてきた2014年向けレギュレーションがFIM(国際モーターサイクリズム)より公表された。
★モトGPクラスでは電子制御システムをワンメイクとし、世界選手権運営組織から提供されるデータロガーの使用を義務とする。
★MSMA(メーカー協会)メンバーはワークスチームに最大4台のマシンを配備でき、電子制御システム用に独自のソフトウェアーを使用できる。ただし、その場合、使用燃料は20ℓまでとする。
★MSMAメンバー以外のマシンは、運営組織より提供される電子制御システムおよびデータロガー、ソフトウェアを使用すること。なお、使用燃料は24ℓまでとする。
★MSMAメンバーは1シーズンに最大5基までエンジンを使用でき(同メンバーでも加入初年度は9基まで使用可能)、その他のチームは12基使用可能。
★内径およびストロークについては2015年まで現状維持とする。
★MotoGPクラスに参加するルーキーに限り、11〜12月中に3日間のテストを認める規則は廃止。
★2013年よりモト2クラスでは『マシン+選手』の最大重量を215kgまでとする。
★なおページ末尾には、《上記レギュレーション変更はFIMおよびドルナ、各メーカーにより現在進行中の、2014年よりその他のチームが使用することとなる追加のマシン(いわゆる“低価格モトGP機”のことを指す)およびエンジン供給に関する交渉事項が合意に達することが条件とされている。これらマシンおよびエンジン、パーツ、技術的サポート提供に関する契約は、来シーズン開幕前にドルナおよび各メーカーによって署名されるものとし、同契約締結がなされた場合のみ、上記レギュレーション変更が施行されるものとする。》と記されている。
(日本語翻訳:La Chirico / 伊語記事:2012年11月10日 Gpone記事より抜粋)
モトGP『新レギュレーション、遂に…』
★1年間に渡りドルナとメーカー側が交渉を続けてきた2014年向けレギュレーションがFIM(国際モーターサイクリズム)より公表された。
★注目すべきは『電子制御システムのワンメイク化』で、独自のソフトウエアを使用することも可能(その場合、燃料は20ℓに制限される。マニェティ・マネッリ製を使用するなら24ℓとなる)。
また、モトGPクラスのエンジン数は現行の6基より5基に減少される。
★チーム・グレジーニのチーフメカニック、ディエゴ・グーベリッニのコメント。
「それほどの変化はないと思う。うちではモトGP機の燃料を既に20ℓ程度まで下げてやっているし、満タンで走る方が珍しいぐらい。ドルナ推奨のソフトウェアにするか、メーカー自前にするかの違いでかなり変わってくるだろう。ヤマハとドゥカティは既にマニェティ・マネッリ製だし…ホンダの方はいわゆる『移植』をさせる必要が出てくるから…それ用の費用がかかるだろう。
ギャップを埋めて、見せ場を増やすにはエンジンパワーを同じにしなければならないだろう。ただ、それをやるには回転数制限を導入するのが唯一の方法だ。モトGP機で17,000〜18,000回転、CRT機で16,000前後。ホンダやヤマハはニューマチックバルブエンジンだから、エンジンが1基増えようが減ろうが大きな違いはない。回転数を制限すると莫大なコストになっただろう…ローターとディストリビューターの再プロジェクトが必要になっただろうから。」
★ヤマハTech3のカル・クラッチローのチーフメカニック、ダニエレ・ロマニョーリのコメント。
「エンジンを5基に減らすのには賛成だ…チーム予算の中でも莫大なコストになっている部分だからね。ただ電制システムのワンメイク化については、そう言う面での助けにはならないと思う。多分、ハードウェアのコストの方が低いだろうが…1つの電制システムで春・夏・秋をこなすわけだから、本来の意味での経費節減にはならないだろう。見ごたえあるレースにすると言う点では、モト3みたいにソフトウェアやセンサーを全選手同等にするなら、やる意味はもっと出てくるだろう。そうなれば様々なストラテジーを立てられるようになるわけで…例えば、トラクションコントロールとかエンジンブレーキとかの設定を用意された物の中から選手なりチームなりが選べるとかね。ただ、各メーカーは市販化に向けてのテクノロジー開発をしていかなければならないけどね。
自分なら燃料をもっと増やし、タイヤのパフォーマンスを下げるだろうね…今みたいにレース終盤で最速タイムを出せないように。それで最大限レース・ストラテジーやセットアップ、電制システムの使用の効果が出てくるだろう。経費節減と言う前提からいくなら、こう頻繁に規則が変わるのは気に入らないね。」
★プラマック・ドゥカティのチームマネージャー、フランチェスコ・グイドッティのコメント。
「レースにおいてパフォーマンスを断念したやつなんて皆無だ。経費削減が必要だと言うなら、開発したテクノロジーを商品化すれば良い。そう言う意味でいけば、燃料削減は市販車の燃費を下げるのに役立つだろう。CRTではアプリリアのART機の戦闘力が一番高いわけだが…その結果から言っても、やはりマシンと言うものはメーカーによって開発されるべきと言うことだ。スポーツ的な話をするならチームのレベルと言うのは同じだったことなどないし、選手に経験させ、技術スタッフの競争力を上げるにも第2レベルのチームは必要なんだ。1シーズンに1位を取れる選手が5人もいるなんて珍しいことだし、タイトル争いだって常に限られた選手で行なわれてきた。SBKではマシンにリミットがあるが、(モトGPでは)それが選手にある。全員にとって理想的なレギュレーションなんて夢のまた夢だろう。」
(日本語翻訳:La Chirico / 伊語記事:2012年11月12日 Gpone記事より抜粋)
んじゃ、せっかくだから経験者は語る…ってことで!
2012年CRTクラスで総合優勝したアレックス・エスパルガロ選手がCRT機について何と言っているか…
10月末のフィリップアイランド決勝戦の前日のスペインサイトでのインタビューも拾ってみますか。
《CRT機について、僕は良い評価をしてますよ。結局、このクラスに参戦するための別のシステムってことでしょ…マシンは劣ってますけどね。他のCRT機にくらべ、うちは速い走りができることを証明した。そりゃあ、モトGPプロトタイプにはほど遠いけど、サーキットによってはけっこう接近できていたし…ただパワーの違いは大きいんで、そこは変えていかなければ…モトGP機の方を下げるか、全機ともプロトタイプにするか、CRT機を改善するか、全機ともCRTにするか。
個人的に気に入っている案は…それが一番じゃないかと思ってるんだけど…ランディ(ド・プニエ)と僕の間にあるような対等な競争関係で25名の選手がグリッドに並べることかな。
【CRT改良に向けて何かアドバイスは?】モトGP機のテクノロジーに対抗するのは難しいですね。CRT機にはパワーがあまりない。正直なところ、今年は色々と順調に運んでるんで僕は楽しんでるんですよ。ただ、モト2の時のようにスゴく面白いマシンとは言えないですね。手を入れる点はギャップを抑えること…なかなか良い作業の進め具合だし…もし電子制御システムに制限が加えられて、全員が対等になったなら僕らはかなり助かるでしょうね…大きな大きな一歩になりますよ。電制システムはモトGP機のだいたい70%ぐらいなんで、それを制限して…それから、もう少し柔らかい新タイヤが重要になるだろうなぁ。それら全てを何とかして、もう少し色々と対等にすべく前進しているようには見えますが。解決策はそれか、もしくはモトGP機を安くするかですね。(2012/10/27 Morocuatro.com記事より抜粋)》
早速の情報ありがとうございます。
ドルナも経費削減を叫んでレギレーションを変える程に経費がかさむ、新規参入を考えても毎年レギレーション変更があっては開発した物が使えづ又新しいレギレーションに合わせ作り直しでは???何してるか判らない、更にボアストロークの凍結など初期設定を失敗したら何年もそのエンジンを使いつづけなければならず、結果の出ない(恥さらし)レースに費用をつぎこむ事となる掛かる費用に対してリスクが大きすぎる
、まったく毎年レギレーション゜をかえるのは新規参入を妨げ開発コスト大につながる愚作だとドルナの面々は気ずかないのでしょうか。