『2013 TT Zero:マクギネスの武器『神電貳』デビュー』
★今回、ホンダチューナーの『無限』が発表した第2世代のEVレースマシン『神電貳』(SHINDEN NI)が、次回マン島TTレースに参加する。先月からスパイショットで話題になっていたが、ジョン・マクギネス(TT優勝19回)が駆っての参戦となる予定。
★名前から分かる様に昨年のTT Zeroでデビューしたプロトタイプマシンを進化させたもので、マクギネス選手が2位を獲得している。ちなみに優勝したのはMotoczysz E1pcを駆ったミカエル・ルッター。無限の新マシンは出力供給の最適化とバッテリーのキャパシティーを向上させる事を主眼に置き、作業が進められた。新バージョンは重量も考慮され、神電2012バージョンに比べ44kg減の240kgとなった。
★エアロダイナミックを考慮したカウルデザインでは燃料タンク(実際は燃料タンクでは無いが)周辺の形状が再検討され、新形状のリアカウルと両脇のスペースを広げ、モーターとバッテリーの冷却効果を高めるべく空気の流れを向上させた。
★馬力122CVにトルク220Nmで、前バージョンより44kg重量減を考慮すると、伝説の『Mountain Course』を戦うには既にパフォーマンスは充分。
★無限『神電貳』(MUGEN SHINDEN NI)マシンスペック
全長/全幅/全高(mm):2,125/680/1,130
軸距(mm):1,485
最低地上高(mm):130
シート高(mm):840
タイヤ(前):120/70ZR17M/C(58W)
タイヤ(後):200/55ZR17M/C(78W)
フレーム:CFRP製ツインスパータイプ
モーター形式:三相ブラシレスモーター
最高出力(kw[ps]):90[122]
最大トルク(N・m[kgf・m]):220[22.4]
バッテリー仕様:リチウムイオンバッテリー
バッテリー出力電圧(V):370以上
(Source:2013年05月13日 Motoblog記事より抜粋)
TT Zero覚え書き
TT ZeroはTT(マン島TTレース)期間中に毎年行われている2輪競技イベントで、2010年に最初のエディションが行われた。島を1周するスネーフェル・マウンテン・コース(37.733マイル:60.73km)と呼ばれる山岳コースで行われる。TT Zeroはプロトタイプマシンに依るレースとされ、エンジンは化石燃料を使用せず、有害物質を放出しない事と定められている。マン島の役所では賞金を設け、平均速度100mph(160.9km/h)を切り、マウンテン・コースを22分38秒388以内でゴールした選手には£10,000(150万円)が与えられる。