『ロレンソ:レースで1勝するのにドゥカティに行くわけじゃない』
★ホルヘ・ロレンソが『La Gazzetta dello Sport』紙の独占インタビューで、マルケスやロッシ選手らについて、そしてドゥカティでの自身の将来について話した。
【去年のブルノ戦では優勝、そして今年の同戦では17位となり、総合順位では首位マルケス選手と59ポイント差…ロッシ選手にも抜かれてしまったが…】
「まったく…土曜日のリズムなんかは、去年より遥かに良かったんですけどねぇ。でも、レースって言うのはこう言うものだから。優勝できる全てのチャンスを持っていながら…そこから転落してしまう。天候や技術トラブルのせいとか、今回のようにタイヤのせいなんかでね。ブリヂストンとは違って、ミシュランのレインタイヤではまだ信頼感が掴めないんですよ。強く走れるような信頼感がね。」
【こんなにゼロポイントやミスが多いと思っていた?】
「ゼロポイントは思ってませんでした。ここ何年間かのように、せいぜい1回ぐらいだろうと。3回もだなんて、もちろん思ってませんでした。いや、4回って言ってもいいか…ザクセンリンク戦の1ポイント獲得なんてゼロみたいなもんだから。アッセン戦での10位だって似たり寄ったりだし…。とにかく、スポーツってものはね…」
【原因は?】
「レギュレーションが変わってなかったら、ここ何年間かのシーズンみたいにできてたんでしょうね。電制システムが変わり…特にタイヤですよ。アルゼンチンでは驚きました。あれがブリヂストンタイヤだったら、あのコーナーで転倒なんかしかなっただろうし、雨でもこんなにトラブらなかったでしょうね。ミシュランのレイン用のフロントタイヤって言うのは本当にかなり柔らかくて…見た目は固そうだが、強いブレーキがかけられるような信頼感が得られないんです。ハードブレーキングでかなりロスしてしまい、コーナー中盤でもブレーキをかけ続けてるんですよ。きちんとマシンを止められないもんだから。そのため、1周でゼロコンマ何秒かになってしまうんです。」
【ブルノ決勝戦でのイアンノーネ&レディング選手のようなリスクは取らない?】
「あの2人にはそうする価値があったでしょう。たとえタイヤ欠損がなくても0.6〜0.7秒遅く周っていただろうし。ただ、あのコンディションの中でラスト5周を走ろうと思ったら、かなりの度胸が必要ですよ。それか無鉄砲に走るか。そうじゃないなら、ミシュランが言ったように『何も起きない』って言葉を信じているか。でも、ローリス・バズの件(※マレーシアテストでタイヤ破損により転倒)もあったし、レディングの件(※アルゼンチンでタイヤ破損)もあったんで、僕はボックスに戻ることにしたんです。」
【5レースで23ポイントしか獲得できないなんて、ロレンソ選手らしくないが…】
「僕とヴァレンティーノ(ロッシ)のような安定したライダーが、こうも不安定になってるのは電制システムとタイヤのせいですよ。」
【ヤマハはベストマシンなのでは?】
「50%はそうでしょうね。ル・マンとムジェッロではそうでした。カタールではドゥカティがそうだったし、ホンダはオースティンとザクセンリンク、それからアッセンでしたね。ホンダ機が神経質で難しいのは確かでしょう。上手く乗れてるのはマルケスだけだし。」
【マルケス選手の変身ぶりには驚いている?】
「レースではちょっと変わりましたね。でも、FPでは相変わらずかなりのリスクを取ってきますが。ただ、彼の走り方ってスーパーマンみたいなんですよ。転倒も多いが、まるで猫みたいにしなやかで。他の選手に比べ、あまりケガもしないし…他の選手とは遺伝子が違うんですよ。僕の方が年齢がいってるし、体力もあんなにないし。」
【ロッシ選手は去年より速いが…】
「速くなったし、1周タイムでも炸裂してるが、今のタイヤはミスを大目に見てくれないから。より限界ギリギリになってしまい、そのせいで去年ほどポイントが取れてませんよね。ムジェッロでの故障を別にしてもね。」
【あとはロッシ選手と総合2位争いをするだけ?】
「マルケスにゼロポイントが何レースかあったらタイトルを獲得できるかもしれないが、表彰台に上がり続けるようなら無理でしょうね。ただ、僕は今、強い走りをすることだけを…できるだけ多くレース優勝することだけを、戦闘力を高めることだけを考えてるんで。」
[ 後編に続く ]
(2016年08月31日『La Gazzetta dello Sport』記事参照)
(2016年08月31日『Corsedimoto.com』記事参照)
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