MotoGP

パオロ・シモンチェッリ『レースで息子を失う痛みはよく知っている…』

『シモンチェッリ:レースで息子を失う痛みはよく知っている…』

★5月30日(日)、ジェイソン・デュパスキエ(20才、スイス出身)が、イタリアGP予選中の転倒事故で亡くなった

★2011年にモトGPレース中の転倒事故で亡くなったマルコ・シモンチェッリの父親パオロ氏が、次のように語った。

「口にするのも耳にするのも辛い話だが…ただ、二輪レースって言うのは、時々、こうした代償を求めるもんだから。
危険だし、大きな代償を求められるスポーツなんですよ…選手らはよく分かっているし、我々だって分かっている。ただ、いざそれを求められると、右往左往してしまってね。
ジェイソンのご家族のことを考えてしまうんですよ…こうした痛みはよく知っているし、なにも慰めにはならないものだから。もう1人の息子さんも二輪レーサーだそうだから、今後どうするのか…けっこう厳しいだろうね。

(息子が亡くなってから)私はインタビューを受けるたびに、マルコがどんな風に亡くなったかを思えば、自分は幸せな父親だと思うと答えてきたんですよ…苦しむこともなく、好きなことをやってる最中に逝けたんだから。残りの人生で辛い思いをすることもなく、これまでやってきたことが出来なくなるなんてこともなくね。
事故で両足が動かなくなるとか、片腕を失ってしまうって言うのは、生まれつきそう言う身体だって言うのとはわけだ違うから。事故で不自由になってしまう方が、乗り越えていくのは大変だと思うんですよ。

ただ、土曜日にエルヴィオに会ったんですよ…あの事故以来初めてね(※エルヴィオ・デニェッロ、下写真。スズキモトGPチームのエンジニア。昨年、モトクロス事故で半身不随となった。父親のアリージは故シモンチェッリ選手のチーフメカニックだった)。
付き添っていた父親のアリージが、ニコニコしていてねぇ。エルヴィオもあんなことがあっても、いつも通りの彼でしたよ。
あの親子には、今でもハグし合ったり、一緒に笑ったり、語り合ったりすることができるわけで…。良かったと思いますよ。以前にまして、固い絆で結ばれている様子でね。
まぁ、こっちはちょっと考えてしまったけどねぇ…『もしかしたら、自分はそれほど幸せな父親ではなかったのかもしれない…』なんてね。」


(参照サイト:『Sky』)
(Photo:Twitter

フランスGP決勝戦を左右した5つの鍵については、note『2021フランスGPまとめ』でどうぞ!

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  1. より:

    これは、通常の死だ。

    歩くことは、転ぶリスクを内包する。
    バランスを崩さなければ、歩き出せないから。

    レースは、スピードを追求する。
    スピードを出すという事は、大きな運動エネルギーを持つという事。
    衝突すると、そのエネルギーは、人体を破壊するエネルギーになる。

    だから、初めから、レースは、死を内包する。

    それでもやるのは、好きだから。

    さらに、人間には、不幸が起こるのは他人で、自分は大丈夫という、恒常性バイアスがあるから。
    だから、レーサーだけでなく、毎日、膨大な交通事故死が出ても、交通戦争なる言葉が出来ても、我々は止めない。

    レーサー・アスリート等は、単にエゴの固まりで、自分が勝ちたいだけ。
    その才能が有っただけで、ヒーローでもなんでもない。

    感傷はウザイ。

    安全性の追求は、当然なれど、避けられない死が有る。
    今回はそれ。通常の死だ。

    安全性や危険行為の問題が無ければ、騒ぐことではない。死は、個人的に悼めばよい。

    パス無しで無断で侵入した招待客が、オフィシャルに見つかり逃げ、飛び出したのを避けようとし転倒・激突した、若井のような、本来、起こるべきではない犠牲とは違う。

    長くGPを見ているが、有名か否か、有望か否か、カテゴリー、国籍などで死の扱いに差が有る。それこそ止めるべき。(才能を惜しむ声は、もっともだとも思うが。)

    死者は反論できないので、批判するべきではないとの意見も承知しているが、美化するべきでも無いと思うので、
    自分の限界を超え、危険な走行をし、危ないと指摘されつつ、ついに事故死した人物のここに、敢えて書く。

    父シモンチェリは、何も、特別視していないし、美化もしていないので、父シモンチェリへの批判ではないし、また、亡くなった本人に対する批判でもないので、誤読なきよう願う。

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