『バニャイア:2022年版ドゥカティ機は2021年版よりポテンシャルが高い』
★2月11〜13日、インドネシアのマンダリカサーキットでモトGP公式テストが行われた。
★フランチェスコ・バニャイア(ドゥカティファクトリー)はテスト最終日に5位を獲得し、3日間総合順位では6位だった。
★最終日は57周回をこなし、早めに切り上げていた。自己ベストは1’31”436で、首位ポル・エスパルガロとは0”215差。
★バニャイア選手のコメント。
【今日はトラック上を飛び散らかる砂利が命中し、左腕に陥没ができたそうで…】
「まるで弾丸みたいな感じで、命中したら本当に危険ですよ。昨日、セーフティコミッション会合でも議題に上がってたんですが、(3月末の)インドネシアGPに向け、まず、その辺を改善して欲しいと要請しておきました。
現時点では、けっこう大問題ですからね。先行マシンの後輪から砂利が跳ね上がってくるんで、レースもあんな感じだったら首位は良いだろうけど、それ以外の選手は前の選手に寄って行けないでしょ。
今日、僕は左腕に命中したけれど、もしこれがラジエーターだったら即損壊だから。
とにかく、GP本番は大丈夫だからと言われてますけどね。」
This @denkmit photo of Bagnaia's stone-peppered arm at Mandalika reminded me of a story I wrote called America's First Asphalt Army, which included a sidebar about US racers dodging the Vietnam draft. (I found out later that some riders eloped to Europe & raced there.) pic.twitter.com/IWTSxvGpl7
— Mat Oxley (@matoxley) February 14, 2022
【今回のテスト作業については?】
「今日はマシンの戦闘力をさらに5%ほど上げることができたので、計85%のパフォーマンスに達したことになります。
あいにく、ここも含めて計5日間のテストでは、トラックコンディションが厳しく、新マシンの調整をするには不十分でした。
うちは少し遅れ気味で…ただ、良い意味での『遅れ』だし、とにかく、けっこう速い走りができてますからね。しかも、まだマージンもあるし。
昨日から今日にかけて路面温度が15度上がった割には、リズム面で一歩前進ができました。」
【では、満足してインドネシアを後にできそう?】
「カタール開幕戦に向け、今回のテストでは驚異的な作業ができましたね。今日はミディアムタイヤでレースシミュレーションを行うことにしたんですよ…多分、お勧めはソフトの方だったんでしょうけどね。
ただ、今回のソフトはレースでは用意されないそうなんで、ミディアムで走ることにしたんです。
そう言うチョイスをしたのは僕とマリーニ、あと、ベッツェッキぐらいでしょ。他の選手らは、ソフトでシミュレーションを行ってたようなんで。
新マシンを改善できるよう、もうちょっと何か見つけられると良いんですが…加速面なんか特にね。」
【2022年版マシンは、2021年版と同じぐらい高い戦闘力になったの?】
「違いがありますからねぇ…エンジンが違うし、マシン全体が変わっているから。新マシンに合うよう、ライディングスタイルに手を入れる必要があるんですよ。それで、僕は走り込むようにしてたんです…タイムアタックで、どんな走りをすれば良いかを読み解いていくためにね。
その辺に関し、今日はけっこうステップアップできましたよ。ペース面は良い感じになってたし。
結局のところ、2022年版マシンは2021年版よりポテンシャルが高いと思いますね。」
【他のメーカー機については?】
「今日は、実のところ、誰が最速だったのか分かりづらいんですよね。使っていたタイヤとか、どれぐらいの時間帯に自己ベストを記録したかにも依るし。けっこう、それで変わってくるから。
ホンダとスズキ、アプリリアが実に良い仕事をしていたような感じだったから、良い戦いになるんじゃないんですか。
カタール開幕戦では、トラックがきちんと整備されてると良いんですけどねぇ。通常、テストで現地入りした時なんか、初日は砂だらけだから。」
【自分は優勝候補だと思う?】
「いや、僕じゃなくって、クアルタラローでしょうね。とにかく、世界チャンピオンなんだし。
僕も、上を目指しはしますけどねぇ。」
【2022年版マシン開発の中心的存在になっていたようだが、どんな心境?】
「ドゥカティと言うのは、ちょっと他とは違っていて…重要なのはライダーの意見だけでなく、全員の意見が重視されるんですよ。良いことだと思いますけどね。
ここ2年間、ドゥカティ機は選手全員にとって乗りやすいマシンになり…まぁ、最新機は、まだベストな状態ではないですけどね。電制システムに集中する必要があって…2021年版のように、すっかり仕上がってる感じではないんですよ。
ただ、ドゥカティと言うのは、そう言う面で優秀だから。カタール開幕戦までにベストな状態になっているでしょう。」
(参照サイト:『Moto.it』)
ドゥカティは2020年に物語が1つ終わり、2021年は再構築できたって話は、『深堀り特集:スズキに何が起きているのか?なぜドゥカティは再生できたのか?』でどうぞ!
前にバニャイヤの調子が上がらなかったときに、ミラーが「データを気にしすぎ」みたいなコメントしてた(悪因はなかったが)が、今となってはその緻密な分析力がドカティの戦闘力向上に役立っているのかも知れない。バニャイヤは電制時代の申し子なのかも知れませんね。
バニャイア自身のタイヤチョイスが時折へんてこな方向だけど他の選手のデータも鑑みてセットアップできるってことだったらドゥカティのテレメータ秀逸